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「気狂いピエロ」を観た
なんか最近読書感想文ばかり続いてますね…。
これ、公式な情報としてどこをあたればよいのか不詳だが、どの情報を参照しても「きちがいぴえろ」という読みになっている。変換するなら「きぐるい」とタイプすることになる。この作品に関しては「気違い」という書き方は誤りなんだろう。これもまた時代である…のかな。まあそんなことは兎も角。
「気狂いピエロ」は1965年の作品。1966年、ハッピ着たビートルズが飛行機から降りてきた映像だって白黒だというのに、この作品は鮮やかなカラーが印象に残る。監督のゴダールというのはなんか名前を耳にしたことありますね。作品自体の感想はこう…なんだろうな。そんなに面白いとは思わなかったけど…なにかこう、退屈はしなかったというか。まあ言葉に困るよね。難解だったわけでもない印象なんだがな。
この映画を見た後、なんとなく筋立て似てるんじゃないか、並べて見たらこっちは〇〇だから面白いなんて筆が進むんじゃないかと思って「俺たちに明日はない」も見てみた。そしたらピエロのほうは何で旅してるんだっけ?みたいなことになった。そのうちもっと他の映画と混ざりそうだ。今度の休日に同時再生してみようか。パルプフィクションに挿入しても違和感ないんじゃねえの。何で時計を持ってこなかったんだ!とかあのへんに。
こう…世界観の設定みたいなもんが強くないというか…。時代は感じるが舞台は感じないんだよな。突飛な発想や世界観を画面で再現する技法に乏しい時代だったから、…?うーん。インターステラーなんか引き合いに出してもしょうがねえか。
言葉を探すのに飽きたからこの辺で感想文は終わりにしますかー。下書きのまま三か月も放置してればこうなりますよねーーーー。
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「インターステラー」を観た
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蛍雪の鋼
急な仕事で遅くなった寒風吹きすさぶ帰り道、とぼとぼと歩んでいると人の声があり、それに答えるもう一つの声があった。…??? 上から??
振り返ると、建設中のマンションの上のほう、たぶん8階ぐらいの高さだろうか、煌々と明るい。マンションは未だに鉄骨をくみ上げている段階で明かりをともす部屋もない。あの明かりはきっと投光器が備え付けられているのだろう。姿は見えないが、冷たい風に乗って、声はそのあたりから聞こえてきている。あゝ、まだ働いている人がいるのだ。それにしても時刻は22時を回っている。こういう建設現場は当たり前だが電気や水道など通っていないため、夕暮れにはその日の仕事を終わりとするものだ、と聞いた。そらそうだ。街灯よりも高い場所で暗闇のなか高所作業などとてもできたものではないだろう。エレベータも動かないので上り下りがとても大変だとも聞いた。
そのような工事現場でこんな時間まで仕事が続いているというのは、何がしかのっぴきならない事情があるに違いない。住宅街の一角にぽつんと建つ10階ほどのマンションだ。まさか4月から入居できます、なんて…。素人目にも間に合うはずもない、だってまだ鉄骨だ。ここから壁作って床作ってあれやこれやなにからなにまで。思えば、着工までに空き地のまましばらく放置されていた気がする。ハードな舞台裏が想像できる。
しかし聞こえる声に暗さがなかった。むしろどこか快活で、威勢よく声を掛け合いながら作業するような感じがあった。この時間に仕事をしているからには何か切羽詰まった事情がある筈なのだが、スケジュールに追われて怒号が飛び交うとか、疲れて投げやりな声でもない。投光器の用意もあるということは、予定された業務なのだろうか。まさか。
いまこの場所で、あの高さの場所に立つことが出来るのは彼らだけだ。自分の歩きなれた街並みと彼らの足元の鉄が月明かりに凍えている。彼らにはどういう景色に映るだろうか。是非に同じところに立ってみたいものだが。
真冬の晴れた夜、風があるのに寒さよりも爽やかさに心惹かれ愉快になる、そういう夜がある。風呂上りにちょっと外に出てみたりするといちだんと爽快だ。夜には得難い風が吹く。ただこれは、心に余裕があればこそ。きっと夜空に会話していた作業員もこういう心持になっていたのだろう。そりゃ何か手違いがあってあんな時間まで仕事をしていたのかもしれない。だけども、流石に22:00にもなればなんとか終わりが見えてきて、安堵の会話をしていたのかもしれない。あるいは彼らは最初から、月明かりに夜風を楽しんでいたのかもしれない。
翌朝は白い空を見上げると物言わぬ雪。こうもり傘が群れて駅へ吸い込まれていく様を見下ろす、掠れた影、二つ、やがて静かに白い雲を抜け、得難い風に寄り添った。
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トランプマン
アメリカ合衆国大統領という肩書になって何日もせんうちに、かなり多くの事に手を付けている印象。そら日本なんかと違ってきっちり何年で変わるってわかってるんだから、交代してもそこまで物事滞ったりしないのかもしれない。
一言、破天荒というイメージなんだけど、宇宙人と戦うとか徳川の埋蔵金を掘るとか言うまでは表向き平気だろう。難民を受け入れないのも、国境の警備を固めるも良かろう。日本と同じだ。あるいはどこだって同じかもしれない。
それにしたって何もかもインパクトがある。ホワイトハウスのスペイン語サイトを閉じた、なんて噂になるほどだ。(実際スペイン語コンテンツは見れなくなったそうだ。しかし、オフィシャルの説明ではアップデート中だそうな。…どんなアップデートだろうと、事故や意図したものでなければ政府機関のサイトが数日見れない状態になる、なんてあり得るわけねえだろ。)
抗議のデモも世界中で(ホントか?)開催されており、世界の市民は彼を受けれいまいと躍起だ。肝心のアメリカ市民は受け入れた。ぽんっと危ない発想の首長が誕生した、っつっても操るもののパワーがそこらの船とはわけが違う。しかしこれもある種の希望ではあるだろうか。多くの人は何かを変えようと思っても、本来意図したところではない部分でも変化を望まない。そこで「そんなもん知るか」って舵を切ることもまた、救いになることだってあると信じたい…。
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能町みね子 「オカマだけどOLやってます。完全版」
能町さんを最初に知ったのは、多分タモリの隣に並んでいるのを見た時だった。流浪の番組だったかもしれない。
ちょっと人気が出るサブカル畑の人はわりとあの番組出てくる印象なので、「どなたかご存知あげませんが人気なんですかねえ」なんて。彼女が変換済みの人物だと知ったのは数年後、つまり最近であります。それまでに何度も動画を目にする機会があったのに、そんな点には全く気付かなかった。特に気付く要素ないよな、普通にテレビに出演してたってよ。そもそも知ったきっかけというのは、オネエタレントと報道され、それに反駁したというニュースだった。確かに、その意味のオネエではないわな…。
そもそも能町さん、むかしはブログを書いててそこから
分泌文筆業界に入った人、とのことで、そのブログ本を買った次第。この本を読むと、なんというか、真剣に困っていた様子が感じ取れない。なんと軽々とポジティブな。なんならこの人また男性に戻ろうとするんじゃないか、なんて思えるほど。医学的な診断だって、アルトベンリ~で受けたように読めた。もちろん意図してそういうふうに書いてあるものだろうけども、故に楽しく拝読。
性というのは少なくとも哺乳類として生まれるからにはどちらか決まって生を受ける。それは生物個体の役割として不可分な役割に直結している。繋がりである群れにおいて、人類に於いてはもっと巨大な社会としては誰か一人が変える事なんてそこまで大きな騒ぎにならん、というのは分るんだけど。つまるところ人との関りは個人と個人だ。性別を変えるなんてインパクトが、神の摂理に反する云々、斯く斯く然々。しかし考えてみれば、見た目で変化がなければこちらとしてはあまり問題にならないケースが多いんじゃないのか。身の回りの友人知人を思い浮かべながら考える。このブログを書いてる人が法律上は女性だって知ってもみんな困らないでしょ?
嘘です。おっさんです。いまんところ無神経にこのような冗談を語れるほどに縁のない世界だ。いままで、自己紹介で「男性です」と性別を言ったことも、言われたこともない。いつかそう確認しないといけないような世の中になるだろうか。
能町さんは男性としてデートやお布団inなんてことまで体験している。こういう人が転換の決心するのにはこういう体験あるんだろなあ。その時の様子というのが…えーと、買って読みましょう。読もう能町みね子。