• fuckyeahinternet

    2025年のインターネット

    ゑなるゑなるゑなる

    今年もタイトル負けといった感じです。どうぞどうぞ。

    goo終了

    インターネット最初に使い始めたのはgooだったんじゃないかなあ。2025年になって、もろもろのサービスを終了していったが、ついに2025年11月25日13:00で終了の報告となった。その通知の魚拓が既に取得済みだったぞあゝインターネット。

    鉄の老人

    見て頂ければそのまんま。すっごい。

    インドネシアでセシウム137汚染

    事故云々以前に、セシウム137は自然界には存在しないため、原発などもないインドネシアに存在する筈がない。医療機器の不適切なスクラップ処理が原因ではないかと推測されているらしい。

    https://megalodon.jp/2025-1123-0138-03/https://help.goo.ne.jp:443/help/article/2904/

    配信中の女性が路上で襲撃されて亡くなる

    https://www.jiji.com/jc/article?k=2025031200825

    いろいろトラブルに至る経緯が被害者側にもあったようだが、だからって殺害に正当性は認められない。事件後に、被害者の婚約者を名乗る男性が事件に至るまでの概要を公開するなどして、昭和のワイドショーみたいな騒動。この報道をうけて「こうなるとあの人も平気で顔を出している場合じゃないよね」みたいな話題が一時もりあがったらしい。各位こころあたりがございましょう。男女のもめ事、お金のもめ事はまでは非常によくあるトラブルだと思うのだが、結果として今回はリアルタイムでも現在地が判明することが凶行のトリガーだったという事になってしまった。

    AKIRA君

    ウーバータクシーのCMで、母がアプリで呼びつけたタクシーに子供と乗るやつあるのですが、その子どもの見た目がAKIRAくんで大層おどろいた。アングルとか表情寄せてないかなこれ。もちろんプロの子役です。リンク先はプロフィール。

    https://profile.himawari.net/view/5519

    I believe I can fly

    十年以上も前から開発を続けている新手の飛行デバイスが主に海外勢にバズった。

    泥棒に鍵

    https://megalodon.jp/2025-1124-1854-29/https://www.nikkei.com:443/article/DGXZQOUD252ST0V20C25A8000000/

    MUFJの貸金庫窃盗事件の犯人逮捕。行員の山崎由香理が犯人だった。「貸金庫」を聞いたことはあるけど使ったことがある人はそう多くなかったと見えて、注目を集めた。数十億だから目立ったわけで、少額だったり、未だに発覚してない事例もあるんではなかろうか…。なお金融庁は、過去に類似の事件報告を受けたかとの川内博史議員の問いに、「ある」と回答も件数などは非公開。

    fake plastic books

    AIを使って記事を仕上げた結果、存在しない書籍が「この夏のおすすめ図書リスト」に掲載されてしまった。さらには専門家や大学教授などの、内容に関するコメントも実在しない架空のもの。ちゃんと実在する書籍も混在していた。編集部の体制も批判の対象に。…という私のこの文章はchatGPTの翻訳鵜呑みにしてここに載せています!騒動自体は本当にありました!調べてはいません!

    https://arstechnica.com/ai/2025/05/chicago-sun-times-prints-summer-reading-list-full-of-fake-books

    https://www.theguardian.com/us-news/2025/may/20/chicago-sun-times-ai-summer-reading-list

    奴隷船

    https://www.traicy.com/posts/20250130328053

    https://kochiekimaekanko.jp/sommeil-profond-lp/

    ぎゅうぎゅうの狭いフルフラット座席が並んだ夜行バスが登場。見ただけでしんどそうで、奴隷船と話題に。しかしちゃんと横になれるというのは、それなりに魅力があるようだ。とはいえペラペラのマットに幅48cmは流石にどうなのか。報道初期は試運転だったが、その後改善を重ね、2025年12月には本格運用開始。これを書いている時点では実態は不明。【追記】12月6日の便は座席の予約が埋まっていた。高知から東京まで片道15000円ほど。

    火のないところに

    押収した大量の違法薬物を焼却したところ、その煙が近隣純民に影響を及ぼしてしまう。これは「気分はもう戦争」のやつだ!しかし考えてみれば、押収された薬物が実際にどう処分されているのか知らない。やっぱ最終的には焼却なんだろうか。

    https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6822d23ce4b0abb58358d75c

    上納とは

    フジテレビと中居正広氏のトラブル。中居氏の性暴力の話から広がり、フジテレビが組織的にやってることは女衒だったのでは?ということで大炎上。第三者委員会の報告書が開示されている。多すぎて自分は読んでないです。…で、結論どうなったんだっけ??

    PDF直リンクです。https://www.fujitv.co.jp/company/news/250331_3.pdf

    ピアノクレームマン

    「南港ストリートピアノ」が練習は家でやってこいと公式に表明して騒動。謝罪でも炎上するという隙の無さを見せてしまう。「つっかえてばかりの演奏に多くのクレームが入っており」が事実なら黙って撤収すればいいし、何か言うとしても「諸般の事情で」ぐらいの言い方で利用禁止にしておけば良かったんじゃないのかな。クレームを真に受けて(?)利用者に釘を刺してしまったのはどうだったんだろか。

    ジブリ風の散歩道

    AIの進歩は止まる所を知らず。ジブリ風のイラスト生成がマジで「ジブリ風」としか言い表せない精度で再現されて人気爆発。しかし、開発者の「ジブリから警告を受けたが戦う!」という意思表示が虚偽だった模様で冷ややかな視線を浴びる。ボトルネックはいつまでも人類の存在であります。URLを貼るまでもなくいろいろなツールで生成が出来る。これだけ世界中で(?)人気になるツールというのはなかなかない事でシンプルに凄い。

    卒業だけが理由でしょうか

    伊東市の市長であった田久保真紀が、実際には大学卒業しておらず、学歴詐称をしていた問題。卒業証書を見せる程度の事が出来ない人に信頼はない、というのは自明であり大いに批判を浴びた。でも、一般人は卒業証書なんてじゃまだなあと思っている人が殆どじゃないのかな。新卒採用以外で必要になるケースなんてどこかにあるんだろうか。博士とかになると違うのか?自分も使ったことは無い。こういう騒動により、ちゃんと保管しておくべきだなと思った。確かに他に証明できるものは何も無いんだからな。

    マンボウ

    山口県の「海響館」が休館中にマンボウの体調が良くないとSNSに投稿。原因不明で困ったスタッフは「来館者に会えなくて寂しいのではないか」と思いつき、まさかと思いながらもスタッフの制服をマンボウの水槽に張り付けてみる。するとたちまち元気を取り戻したとのこと。その様子を収めた写真が実に味わい深かったのですが、元ニュースは既に消失しています。

    https://news.livedoor.com/article/detail/27987577

    誰も知らない素顔の

    故・八代亜紀の追悼CDアルバムが発表されるも、何故か若き日のヌード写真が特典付与された。当時同棲関係にあった人物により撮影されたらしい。典型的な「死人に口なし」事案になってしまい、CD発売元に大いに批判が集まった。

    https://www.sankei.com/article/20250421-6U6LX6CFERHV3ORW2SWCGWEOLQ

    八潮市の道路陥没

    ちょっとした陥没事故かと思いきや、2025年の年末に至っても全然原状回復できていないという大変な事態になってしまった。下水道だから周辺環境への影響も懸念されている。福岡での陥没事故のときはすんなり復旧できたように記憶しているが、人を乗せた車両が落下しているとか下水道の破損とかでずいぶん対応は変わりそう。神戸や東北の震災ではこういうのどうだったんだろうな。

    https://www.city.yashio.lg.jp/shisei/machizukuri/dousuiro_kyouryou/kannbotujiko/otoiawase/kanbotsuQA.html

    ついでにバンコクで9月に起こった陥没事故の様子

    きほんだいじに

    ボールの行方を確認しなかったピッチャーのとんでもないミス。三塁手のリアクションが印象に残る。野球に興味はなかったけど、ドジャースのワールドシリーズが面白かったので久しぶりにじっくり野球を観たなあ。

    やんごとなき

    彬子女王のオールナイトニッポン放送。知った時には既に放送終了しておりしょんぼり(´・ω・`)…したものの、日本放送のポッドキャストサイトで聞くことができた。

    https://podcast.1242.com/%E5%BD%AC%E5%AD%90%E5%A5%B3%E7%8E%8B%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3premium/

    やんごとなき

    皇居に様子のおかしい車両が突撃。異様な見た目と行動に騒然となるも大ごとにはならず。

    怖い人要りませんか

    「レンタル怖い人」というサービスを始めた(始めようとした?)事例が炎上。怖い人が恫喝するサービスってそれは本物の反社会的勢力の活動であって、それでビジネスをしようという発想は…なんというかなんというんでしょう。運営者から、結果として依頼は無かったという報告がされているようだ。

    Mo Ni Hei Festival

    炭をぶちまける中国のお祭り?いくら何でも体にダメージ大きそうなんだがさすがに中国のスケールって感じ。楽しそうでなにより。

    coldplay(意味深)

    大人気バンドのcoldplayがライブ中、客席にカメラを向けると大手企業のCEOが部下と不倫の現行犯!!リアクションが良くてmeme化してしまう。

    江口寿史のパクリ騒動

    こんな山ほど動かぬ証拠が見つかるなら、もはやキャリアは終わってしまったのではなかろうか。筆を折る…で済めばいいけど。なお、エドウィンの広告案件に、リーバイスの広告からパクって納品したという嫌疑もあり、これが本当だったら面白すぎる。本当であってくれ。

    (゜ロ\)ココハドコ?(/ロ゜)/アタシハダアレ

    山中で気づいたら記憶が無い。昨今の世の中でこんな事があるんだ。男性が自らの情報を求めてネットなどメディアに登場。大変に興味深い事件?だったが、ネットで誰かが調査した結果、類似の人物写真が数年前のブログに掲載されている事が判明。おそらくはそれで身元が判明したと思われ、その後特に報じられることは無くなった。ABCテレビはこれ以上は本人の不利益が大きいと判断して掲載情報を削除。このブログの写真が発掘されるよりも前には「前職の上司だ」と断言するアカウントも目にした。この写真の検索方法について、AIに類似画像を探させたらあっさり見つかったようだという事のほうが衝撃でありました。

    アーカイブの両端を

    古い映像をYoutubeに公開したところ、当時の知人がコメントに登場し、その後再開を果たす。エモいの極みに全インターネットが潤った。

    100マイルを超えて

    女優の広末涼子が高速で事故を起こし、収容先の病院で暴れてしまう。奇行ってレベルじゃねえぞ。その時の165kmを超過した速度で車を暴走させていたことが、後にクイズ番組で弄られて事務所は抗議。しかし実際には185kmだったことが判明し流石に草。放っておいて大丈夫なのこの人…。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/602555712f37277b929f870fd3bc60e0bcae9a96

    banpaku2025

    こういう部分の追加対応を予算に組み入れないようなプロジェクトが世の中にはまだ多いのではないか。そして万博にそのノウハウがあるはずもないと思ってしまうのは何故か。んまあそりゃそうだ、万博だし、で納得してしまうのは何故か…。

    ビーバー勤労者

    ダムを建設しようと仕事を進めていたら、先にビーバーがダムを完成させてしまった。デメリットになる事もあるだろうけど、今回はホクホクで受け入れた模様。元記事は消失済みなのでarchive。え、本当にこのままにするんだろうか。

    https://web.archive.org/web/20250422161959/https://news.livedoor.com/article/detail/28091283/

    ファッション

    ファッション。

    https://www.ellegirl.jp/celeb/a69102453/alexander-skarsgard-sleeveless-25-1021

    人生に勝利するものなどいない。

    とあるYoutube動画のコメントで今年は〆。何年も前から存在したものですが、今年たまたま目にして、本当に泣けてしまったので2025年度のエントリとさせてください。動画URLは貼りません。

    Keep in mind, that this music, and the Rocky movie itself, was not about winning in the end. It is not about victory. He actually lost the fight. But as Rocky himself said, all he cared about was going the distance until the final bell. If he could do that, he would be happy. It is not about victory against an opponent. Rocky was a metaphor about life. Nobody defeats life. Rather, it is about personal endurance. And that is the lesson. In life, you don’t have to win. You just have to endure. You just have to go the distance until the final bell.

    邦訳

    心に刻んでおいてほしい。あの音楽も、『ロッキー』という映画そのものも、最後に勝利することがテーマではなかった。勝敗ではない。実際に彼は試合に負けた。だが、ロッキー自身が言ったように、彼にとって重要だったのは「最後のゴングが鳴るまで立ち続ける」ことだけだった。それができれば、彼は満足だったのだ。
    敵に勝つことがすべてではない。『ロッキー』は人生そのものの隠喩だった。人生に勝利する者などいない。大切なのは、自分自身の持久力だ。――そのことを教えてくれる作品なのだ。
    人生は勝つ必要なんてない。ただ耐え抜けばいい。ただ、最後のゴングが鳴るその瞬間まで、歩みを止めずに進めばいいのだ。

    来年も良いインターネットを。

  • fuckyeahinternet,  ふでのゆくまま

    ChromeのCookieが10Gを余裕で超えていた…?

    Coookieは何か?という話は割愛。

    訪問するサイトが多ければ、また有効期限が長ければCookieデータは溜まっていく。そこに異論はないけど、こんなサイズになるもんなのだと感心した。全削除するとまたひとつ面倒な事が起こり得るのもまた事実という訳で、一旦はブラウザの設定画面から一覧を眺めてみることにした。

    すると、1ドメインで1Gを使っているものがあって横転した。Cookieの仕様でそんなのいけたっけ?localStrageも含めて表示されているんだろうか。いろいろ情報を集めたりAIに聞いたりした結果、webサイトからクライアントサイドに保存されている各種データでありましょう、という結論になった。つまりCache StorageやらIndexedDBではないかと。ブラウザの設定画面ではCookieって書いてあるけど、実態はそれだけにとどまらないってことか。

    自分が見た中で一番データが大きかったのは前述のとおり1Gを超えていて、全国的にテレビ放映をしているが不動産で稼いでいる企業のドメインだった。次にビジネス書籍のイメージがあるドメイン、次にスポーツ新聞のドメイン…。全部、いわゆるメディアやないかい。あの、阿呆みたいに広告で埋められたwebサイト。広告の画像や動画なんかをService Worker経由でキャッシュしているのでは、とAI先生の見解。Service WorkerについてはまたAIに聞いたりググったりして、結果としてAIの推測は腑に落ちたので細かい検証はしていない。

    阿呆みたいにインターネット使っているので、そういうデータがローカルに溜まっていく事に異存はないん。10G持っていかれるのはどうなんだ。先に挙げた3つとも、年に数回もアクセスしないが、おそらくはその機能目的からして、一回アクセスすればそれなりの規模でキャッシュなりを読み込むんだろう。これがブラウザごとに、ユーザープロファイルごとにあるんだろうか。

    少し前に、SSDの商品を眺めていて、レビューには4TのHDDやSSDを複数台持っているなんて人がいくらでも散見される。何をそんなに保存することがあるのかと思ったけど、文面から察するにはテレビを録画したり、家族の映像なんかがそのストレージに収められているようだ。テレビもスマホも4Kって時代だし、ファイルサイズはバカでかい…。

    10Gのデータがデカイなんて考え、印象がもう時代錯誤なんだろうか。データ送受信で帯域を食いつぶすぐらいならユーザーのストレージを有効活用しよう。キャッシュってそういうものだよな。もちろん、どういう10Gかによって話は変わってくる。しかしながら、何百というドメインにアクセスした結果としての10Gは、今時驚いていられないサイズなのだ。

    …多分。

  • どくしょかんそうぶん

    「情報セキュリティの敗北史」を読んだ。

    情報セキュリティ完全に理解したわー。

    というのはよく目にするジョークなので誤解なきよう。それはさておき。これは良書。冒頭から原初コンピューターの成り立ちなどの「セキュリティ」以前、なんなら「情報」以前のおかたい話題が出てきて面食らう。もっとエンタメ寄りのセキュリティ事件簿みたいなもんかと思っていた。しかし、本書はそうではなく、真面目に見識を広めようとする人々向けの書籍のようであります。つまり、わたくし向けではなさそう…ではあるのだが。

    今の我々がその言葉から連想するような「情報セキュリティ」は1970年代初期の、米国政府機関の調査に端を発するということだ。コンピューターにアクセスできる人間が限られていた状態から、今後は徐々にその数が増えていくだろうという流れの中で、この人にはこの情報を見せてもOK、しかしこの人にはダメ、という判断が必要になった。今に生きる我々からすれば、「隣の部屋の人とはドアの鍵が違う」ぐらいに当り前に思えるが、何事も転がし始めてみないとその先にある危険を察知できないものなんだろう。ところが、本書の流れにそってざっくりと言えば、そのセキュリティ研究者たちの取り組みはこれといって実用的な役目を果たせないうちに、トーシロ市民たちが参加するインターネットの時代がやってきてしまった。そして本書のタイトルには「敗北史」とある。

    オーマイガー

    とにかく情報が多く、しっかりしており、重厚な一冊だ。なんでもかんてもまるで現場で見てきたように語られる。現地に時間旅行でもしましたか?尤も、そんな所感を抱くのは、自分もある程度は今現在愛用しているインターネットの仕組みやらの基本的な知識があるからだろう。過去のニュースとかで聞いたことあるなーって。だから、このへん事情に疎い人には、読みにくいのかもしれない。しかし、インターネットの時代であるので、わからん事は調べながら進めれば良い。そうすればなるほどなるほど、と納得できるんじゃないか。

    世間一般にインターネットが広まる、少し前。大学生とかコンピューターが趣味の大人には広まった頃。1999年ぐらいか。この頃には既に今でも問題になっていようなセキュリティの問題があり、対策がされてきたんだなあって感慨深くもある。いやいや、お前そんな専門家でもないし現場に詳しくも無いだろうってツッコミはその通りだが、本書がそうさせる。現場にいた人物が回想をしているかのように良く書かれている。

    そして現在も現場にいる人にとっては「あるある」となりそうな事例も書かれている。2001年あたりに問題が提起されて、今現在も解決していないような事例もある。テクノロジーの道理だけで対処を試みても、セキュリティの問題はもうどうにもならないんじゃないか、そういうレベルにまでコンピューターとインターネットは広まったのだ。ユーザー側の企業の事情、セキュリティ側の企業の事情、諸々、諸々、もろろろろ。

    敗北「史」と銘打っているのは伊達ではない。本書は歴史書だ。web2.0の頃、インターネット関連では随分と極端な事を言う人がいるなあ、なんて印象だったんだけど、本書に目を通した後では、あれは既に専門家の間では議論されてきた事だったのか、と腑に落ちた。「(とあるメジャーなアプリケーションの脆弱性への対応としては)windowsを使うな、で良いだろ」みたいな物言いも、実際にそんな施策をした実例が過去の歴史にあったわけだ。

    つうわけで、読む人を選ぶものの、専門家ではない一般人でも読むことはできる。現代のセキュリティ問題への答えとなるべき情報には乏しいかもしれないが、たどってきた道筋を把握するだけでも迷子の可能性はちょっとは減るもんだ、の心意気でトライしてはどうでしょか。

    以下余談。

    訳者の小林啓倫氏のブログは昔よく読んでいた。だから名前に見覚えがあった。当初、小林氏が著者だと思って読み進めていて、このディテールはちょっと異常だと思って感嘆した。50年あるいはそれ以上前のエピソードを拾ってくる取材力って凄いなあと。実際は日本語版の訳者であったわけだが、Amazonの商品ページにははっきりと訳者と書いてなかったので勘違いした。

  • fuckyeahinternet,  ふでのゆくまま

    詰みまで見据えて

    「アゲアゲ」で界隈にはおなじみの将棋棋士、折田翔吾氏のチャンネルに、当人のメッセージが投下された。プロ棋士としての近況と共に、大変印象深い一文があったのでここに引用する。

    https://www.youtube.com/@ageageshougi/community

    情報発信リスクの高騰が止まる所を知らないこともあり最近はウォーズ動画以外の発信をしておらず、まあ負けている人が何を言っても言い訳になってしまうのですが、皆さんに無愛想すぎるのも何だなあと思い、この機に少し綴ってみました。

    情報発信リスクの高騰が止まる所を知らない

    折田氏は奨励会を年齢制限で退会後、編入試験を受けてプロ棋士になった一人である。昨今話題の女流棋士、西山朋佳と同じルートで挑戦を成し遂げた。退会後の期間はyoutubeで将棋の動画を公開したり、めしのレビューなんかもしていたようだ。ここでいうリスクとは、まず一つ、youtubeなんかでそういう情報を公開するにあたっての当たり前の副作用のことだと思う。例えば住居などの、公開を意図してない情報が洩れてしまうという事態。しかし、この言い回しからは心配している所が少し違うんじゃないかという印象を受けた。何をどう言ってもどこかから石が飛んでくるような。振る舞いや内容を気遣ったところでどうにもならないようなもの。

    インターネットで何度も目にしたこの画像。どうせこういう事になるのだから、そこらの他人の見解に真摯に向き合っても無駄であるという教訓があるように思う。しかし、実際のところ、なんでも無視して放置しておくのが良い方法とはならないのが現代になった。…なってしまった?悪意を以てそう仕掛ける人もいるだろう。出る杭どころか埋まってるのを掘り起こして火を放つやつがいるんだ。(炎上すべきものは燃えるべきだとも思わなくはないが…)

    だから黙っていました、と。こんなリスクが誰にでもあって良いのものかね🤔困ったもんだけど、現実の先を読んだらそういう手筋を採用する事になったというわけですね。言われてみれば、棋士の対局直後の、あたりさわりも無いやり取りばっかり繰り返されるインタビューだって、そういうものか。「最後まで難しい将棋で~」と言いながら、本当は初日からもう勝ちだなと確信を持っていたのかもしれない。将棋の渡辺くんはこの辺りの語りが素に近い印象で大変に好きだ。でも、現実を読んだら余計な事いわんとこってなる。そんな折田氏の近況報告の〆がこの一言だ。

    アホかと思われるのでこの投稿欄ぐらいでしか言えませんが、永世名人になれると思っていることに変わりはありません。

    格好良すぎるだろ😍次の永世名人…は流石に藤井聡太だけど、名人は一度の戴冠だけでも生涯の栄誉で誇っていい。少なくとも折田名人の爆誕はそう遠くない。いいや間違いなし。10年後には3冠ぐらいは固い。(※)

    ※個人の感想でありその効果を保証するものではありません。

  • fuckyeahinternet,  しんみり

    !n memory of

    とある人物の訃報を目にした。面識はない。

    SNSとかいうものが世に出始めて、世の中にはいろんな人がいますねという当たり前の事がいっそう身近になったころ。その人物はITエンジニアの仲間たちとともにおり、その仲間たちとよく遊んだりしていたようだ。自ら住所を公開するなど理解しがたい行動も取っていた。大変にカロリーの高い文章力を持っていて、呆気に取られて読んだ。当時大人気だった企業に採用され、そこで働いていたようなのだが、東日本大震災の時に悪ふざけが過ぎて炎上、その後どうなったかは知れない。しかしこうして訃報が流れてくるほどには真っ当に社会の一員をしていたのだろうか。

    子供の頃、志村けん死亡説というのがあった。もちろん全くの出鱈目だった。氏の訃報についても信憑性に疑問も無くはないが、生存していると主張する人も見かけない。今なら当人、身内が生存を報告することで虚偽の主張を覆すのは容易い、と言いたいけど…AI技術のお陰様でまた怪しい事になっているのかもなあ。

    当時の記録はインターネット仕様によりいくつか読むことが可能だ。

    https://megalodon.jp/ref/2008-1120-1147-32/itkz.blogspot.com/2008/11/blog-post_7944.html

    どうよ、この…。口を開く勇気が出てこないだろう。

    世の中にはいろんな人がいますね。その全てに居るに至るまでの流れがありました。

    冬。