• ふでのゆくまま

    藤井聡太三段がプロ入り現実味帯びてきた

    唐突に将棋の話です。いつも唐突だけどな。

    以前にちょっとだけ紹介した(読み返すとなんとも雑な紹介になっている…)、藤井聡太三段が、なんと参加一期目から三段リーグの首位に立っている。これは凄い。

    将棋のプロになるには、将棋連盟が主宰する「奨励会」に入会して、そこで会員同士の段位・級位別リーグ戦を行い、四段まで到達すればそこからがいわゆるプロ棋士になる。リーグ戦は半年に一期開催されている。上位二人が四段になるので、都合、年間4人がプロ棋士としてデビューする。プロ一歩手前の三段リーグはまさに修羅場なんだろう。年齢制限までに四段になれないと追い出されるわけで。一応、奨励会から追い出されても、あるいは所属歴がなくても、アマとしてプロと遜色ない成績を残せれば編入試験が受けれるという制度がある。あるにはあるけどもね、個人的にはじゃあ奨励会ってなんだろうなと。

    で。

    今期は女性が二人そろって参加したりもして、話題に事欠かない感じだったけど、藤井三段がこのまま四段になるとまた盛り上がるだろう。四段になったとして、どれだけ通用するかね?羽生善治の時は例の銀打ちのトーナメントが名人経験者をぼこぼこ破っていったので盛り上がったけど、藤井三段にもそんな機会が訪れるだろうか。

    何にせよ、どう見積もってもまだ数カ月は先の話。

  • むじか

    Emi Gilbert (key)

    ポール・ギルバートという著名なロック系のギタリストがおります。いわゆる「バカテク」系の再現困難な難曲を弾きこなし、ギターキッズに絶大な支持を得ておりました。した、というのは最近どうしてるのか知らないからで。

    「LOVELOVE愛してる」って番組が昔あって、今となっては実に貴重な番組だったと思う。吉田拓郎とkinki kid’sという組み合わせも今にして思えば何でだったんだろう。シノラーしていたころの篠原ともえなどもレギュラー出演し、ステージではギターは右利きに構え、ベースは左という器用さを披露していた。…きがする。

    ポール・ギルバートもそんな番組に海外からのビッグゲストとして登場していた。もともとマキタドリルの繋がりなんかで日本には縁もあったように思う。その番組がよほど印象深かったのか、ポールのサイトに篠原ともえが取り上げられており吃驚した…のは番組も終わってからだったかなあ。今現在はそのコンテンツを見る事は出来ないようです。

    archive.orgで見れた
    https://web.archive.org/web/20050710022222/http://www.paulgilbert.com/Tomoe.html

    で。そんなもんだから。日本に住んでいるなんて情報が流れた時もそこまでは驚きはしなかった。しかし日本人と結婚と聞いて「えっ。つうと篠原じゃないの」とビビった。実際の所は音楽関係の企業に勤めていた方と結婚したのだった。

    Emi Gilbertがその人である。彼女のサイトを見たら、ツアーでキーボードを担当とか書いてあって、なんだかなあって思った。ご家庭枠かーーいなんて。ところがネットをうろうろすると、emiさん、めっちゃミュージシャンしてた。素人というわけではなかったのね。

    ギター再開するかー!と言ってから三年ほど何もしていない、しみじみとさめざめと、ある代休の夕暮れに一筆。

    Emi Gilbert Official Site
    http://www.emigilbert.com/

  • ふでのゆくまま

    直下型を少し体感したのか

    2016年6月30日夜。

    風呂に入っていた。

    普段より少し早い時間だったと思う。湯船の中で突然に何か衝撃を感じた。「ずんっ」と一度だけ。これはもしや車でもアパートに突っ込んだのではないかと思ったけども、こんな静かな筈もない。確かめないわけにもいかないので、風呂から出て濡れ鼠のままで適当に服を着て、外の様子を伺うと、特に何事もない。部屋の様子を見ても、何もない。

    テポドンが着弾したとかではないかとニュースを漁ると、どうも地震らしい。震源はごく近いので、所謂直下型地震というやつなんだろうな。震度で表現すると1か2らしいけども、確かにこの揺れにはなんだかこう、力強さがあった。こんなので震度6とか7とかが来たら無事で済むはずないよなー。

    下記のページで過去の地震情報を検索できるんだけど、震度7で過去の期間全部を検索すると…。震源地の丸の”並び”が、ね……。まあそういう所の上だからこそ島になっているんだろうけどもさ。

    http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.php

  • ふでのゆくまま

    雨の夜更けには蓋を〆て

    18歳から選挙権が与えられるというニュースは聞き及んでいたけども、いつからだっけ?とチャットしていたら次の参院選からだという。2歳引き下げの流れが選挙権だけにとどまるとは思えず、いろいろぼんやりと思案しながらその日はだらだらと帰宅する。郵便受けに参院選の入場整理券が届いており、もう始まってるのねなんて。何しても疎い。そういえばあの選挙のたびにそこいらのフェンスに候補者の顔写真並ぶやつ、帰り道沿いにも出ていのだわ。特に覚えた顔もなく。

    整理券片手にそのまま郵便受けをガサゴソすると、保存期間が明日という郵便が届いている。なぜ土日に郵便受けを見なかったのかあゝ毎度ながらの体たらく。いまどきね、郵便で不意に大事なものが届くなどないので、配達物の心当たりがないと郵便受けのチェックしないもんだ。ここ最近でその心当たりが全て届いたので気にしていなかった。送り主で何が送られたかは想像できた。翌日の勤務中に引き取り方法など郵便局に電話して確認し、いったん帰宅してから郵便局へ引き取りに行くことにした。3日までなら延長できますけどぉ、と電話口で言われたが、調べたところ窓口受け取りはなんと24時間可能だという。それならば明日以降の2日で避けられない残業が出ないことよりも、本日受け取りに行ったほうが確実だし、ブログのネタになる。良い。郵便局は駅から距離がある。バスには不案内でどうせ駅まで歩いてから乗るし、なんて考えたら保管場所の郵便局まで歩いたって大差ない。

    梅雨の嫌な所を煮詰めたような夜空。夜はまだ肌寒いだろうと寝巻にしているパーカーを羽織っていった。結果正解だったが、往復で40分以上も歩くとそれなりに汗ばむ。気の進まない用事と空模様、幾分か早足だったに相違ない。それで40分とはまた、贅沢にタクシーでも使えば良かったかおい。まあ運動不足も深刻なので良い機会を得たものだとした。確かに窓口は24時間空いているようだ。実に、実にありがたく素晴らしいが、ふと見ると窓口の時間短縮のお知らせが張り出されており、残念。自分が受取処理をしたり、外で冷たい茶などのんで一休みしている間にも数人が訪れていた。そりゃあ東京ではこういうものの需要はいくらでもあるだろう。現在時刻、その短縮後には閉じられている筈の時間だ。短縮後の時間帯は、見れば、7:00から21:00となっている。窓口業務としては十分に長時間確保されているとは思うけど、朝の出勤前に寄るには、窓口が混んでいたら間に合わなそうな時間だ。だいたい、荷物を受け取るのだから、受け取ったら一旦家にもどるだろう。ここからでは都心部に9:00の出勤だったら、ご近所でないと間に合わない。なれば9:00から22:00なんてほうがまだありがたいが。

    つきあたま、市民税の支払い書は郵便受けの中で雨にしんなりしていた。ふやけたもので夜更けコンビニにて払う、諭吉の顔もふにゃふにゃ、水無月の〆。18歳も税金払えふにゃ。

  • どくしょかんそうぶん

    “シベリア超特急”を観た

    曰く、「B級映画ではカルト的な人気を誇る」のだそうだ。

    そういうのを目にすると、ああ、よくあるアレね、と。ツウ向けとかそういうの。なんかこう、ネガティブな心象なんだよね、その言い回しだけで。若いころは好んだもんだけどもどういうわけか、しっくりこない。例えば隠れた名店とか言いながらも、堂々と紹介していくグルメTV番組を見たときみたいな。大声を出しているのはそっちではないか、何が隠れた云々だと。

    そんな鼻息荒くすることでもねえんだけども。これら宣伝文句のいじくりまわしが言い訳に聞こえてしまう。そしてどこか嘘くさい。そら見る価値無しです!とは宣言しないわけで、なんだって微妙に嘘ではあるんだが。そういう意味では…「スタッフロール終わった後に起こったことは友達に話さないでください」などと冒頭に書いてるこの「シベ超」は正直なのか。

    実際、「商業的には滑ったが作品としては傑作」というのはちょくちょくある話。この「シベ超」もタイトルが記憶に残っているほど何度も耳にしている。ツウじゃなくても見る価値十分。前書き以上~。

    結局、見れば確かに納得の出来であった。間違いなく「B級」であり、カルト的な人気と言われる何がしかの「ツボ」の存在を確信できる。人に勧めるなら自分もこういう言い回しになる。いやこれ面白いよ!ってまた、嘘くさい…。

    この映画にはいくつものバージョンが存在するようだ。見たのは「劇場公開完全版」となる。作品のカテゴリーとしてはミステリーになるらしい。ならばいつも通りにネタバレ注意と書いておきますが、まあ20年前の映画だし…。

    B級である所以。明確に安っぽいセットで撮影されていることがすぐにわかる。監督も兼ねる水野晴郎の芝居の素人っぷり。これには誰も異論はないでしょ。調度品まで安いのが良く分かる。個室のドアなんかぺらっぺらで押し倒せそうである。…まあ実際の当時のシベリア鉄道もそんなものだったかもしれない。ベニヤ板の仕切り。

    ミステリーとしての出来栄えはどうだろうか。特にミステリーが好きでもないもので良く分からない。ミステリーであるからには作中でその「謎」の部分の解決が為されるんだけど、個人的にはトリック自体には納得がいった。まあシンプルな謎解き。もし何度か見直せば何か不自然だったりするのかもしれないけども、ここにB級の空気はなかった。

    この作品で何よりも一番印象に残ったのは、唐突ともとれる「反戦」の主張だろうか。作中の展開で表現するならばミステリーの解決後、明確にストレートに「反戦」というメッセージが主演の水野春郎の口から語られ始める。この発言が出るまでの映画中のストーリーの流れは不自然でも何でもないんだけど、なんだろうこの違和感というか。こういうのも演技力のせいか、あるいはこの違和感がB級の所以なのか。エンドロールに至っては何かドキュメンタリーを見たかのような印象。ああこれがテーマなのね、と納得はできる。見始めの時には思ってもみなかった。「シベリア超特急」というタイトルではなんとも想像しがたく、驚きであった。

    そもそもこの作品の舞台は、実際に、欧州でヒトラーと面会後、シベリア鉄道で帰国したという山下奉文の行動を基にしている。事実、この後、世界は戦争に突入していく。世界大戦前夜という時世にあり、戦争が作品のテーマに絡むことは自然なこと、あるいはもう本命と言っても良いのではなかろか。それが何でこんなにも奇異な主張に映るのだろう???これだけ印象に残るのだからテーマを伝える事には見事に成功していると言って良いのかな。

    数日に渡る否応なしの行程。様々な事情、思惑を抱えた人間が、同じ場所に押し込められての旅。壁一枚の向こうで何を考えているのか。そうこうしているうちに、列車は否応なしに目的地に着いてしまう。降り立たねばならない。あゝ人生とは、世界とはそんなものなんだろう。ゆらゆら揺られて長い長い旅をしているのだと…。そしてどこかで放り出されて散り散りになって歩いていくのだ。ちなみに、走行中の列車の中が舞台に関わらず、画面が揺れる演出がないこともB級としてのツッコミどころ、らしい。

    作品は冒頭に予告されたどんでん返しを迎える。パターンとしてはあるんだろうな、という展開だけど、あまりのことに脳みそ止まるかと思った。一応のテーマの繋がりはある。さらにもう一回のどんでん返しで、もう好き放題だな、と顔がにやけてしまう。ここで、映画に入ってからの冒頭の場面が何だったか判明するのだが、もう本当にびっくりしてしまった。もしかしたら、映画のハードコアなファンからしたら「ベタ」でサムイのかもしれないけど、自分はすでに見たことがない展開に脳みそ発熱している状態だったので、これはもうね。( ゚д゚)ポカーン

    やがて映画は、映像の再生が止まるという意味での、本当の最後の場面を迎える。満面の笑みでカメラ目線で語られる、「やっている事と現実は別か」という台詞。やっている事とは?現実とは?

    以前デビルマンを見た時にも、ニヤニヤしながら見るつもりであまりにも露骨に酷いのでなんだか却ってシリアスに見てしまった。本作もそういう心持ちでいたものの、予想以上に、というか全く予想してない方向から衝撃を受けて、これまたニヤニヤなどできなかった。上記の文章もそんなノリでは書かれておりますが、実際、B級たるツッコミどころは多い筈だ。自分がガサツでおおらかなので、気付きもしない点も多かろうなあ。それを乗り越えてきたデビルマンは格が違げふんげふん。

    本作、水野春郎の壮絶に濃い情念と愛情を感じざるを得ない一作。もうこれは、魂に染み入る傑作である、と言わせていただきます。なお、このレビューを書くにあたりネットをごそごそしていたら、下記リンクの「ファミコンみたい」という表現が実にしっくりときたことも合わせてお伝えいたします由。

    http://cinema.intercritique.com/comment.cgi?u=1791&mid=3666