どくしょかんそうぶん
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「The Cabin in the Woods」を観た。
ネタバレ含みます。途中で10~15分ほど寝ましたが、見返す気になりませんでした。
Amazonプライム無料枠ではないのでレンタル視聴。なにやら評価が分かれ気味らしいので興味を惹かれまして。観終わって、これって本当に自分が見たかった映画で合ってるのか再確認した。日本だと作品名が「Cabin」として知られているみたいで混乱したが、合っていた。
ホラー映画なんだけど、最初から物語の陰に潜んでいる陰謀…というか真実が添えられているパターン。だから、登場人物ご一行が実は何か誘導されてるんだということはすぐにわかるが、なんで?って所は最後までわからないから、見てて意味が分からない。生贄が5人必要なら、1人ずつ順番に捕獲して輸送して~でいい気もするが、5人まとまって納品されないとだめという設定なんだろう。5人のそれぞれにおける役割を「愚者」とか「処女」とか言ってたけど、日本支部の状況では全員女子生徒だったじゃねえかよ意味が分からない。
怪物の群れのストックを持っているのも意味がわからない。施設で賭けが催されていたように、主人公たちの行動次第でどの怪物が出勤するか決まっているっぽいが、誰が決めたのwww怪物たちは儀式が済んだら大人しくカゴに戻るんだろうか?「おつかれっしたー。また次回~」って。意味が分からない。
世界中に支部があって同時に同じ目的で行動してるっぽいのも意味がわからないし、どこか一か所でも成功すれば他は失敗(生贄をささげることができない)しても問題がなさそうで意味がわからない。適当にそこらにあったボタン弄ってカゴが解放される仕組みになっているのも意味がわからない。
遥か昔から定期的に行われていたという意味の説明があったと思うが、あのcabinは200年ぐらいじゃねえのか意味が分からない。ガソリンスタンドのおやじは謎組織に協力的な立場の人物のようだが意味がわからない。いわゆる受付なんだろうけど。
イマイチでんな、と思いながらでも、最後までは観ました。罵るほどでもなく拍手するほどでもなく。困ったもんだ。
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「Father」を観た
Amazonプライムにて。
この映画を観た人の半分はこの物語、その背景に”心当たり”がある。また半分の人はレクター博士を思い起こし、半分の人は現実はこんなもんじゃないぜ所詮は映画だとかぶりを振り、半分の俺は自分にも酷い老後が待っていると確信をよりいっそう強もうだめだああああああああああ。
ああああ。
この作品は映画的な手法で、おとんの記憶が混濁してコミュニケーションが瓦解していく様をうまく表現している。ファンタジーともドキュメントとも違う妙がある。「ねじ式」とまでは言えないだろうけど、なんかこう。だれだって自分の認識のほうが間違っていると認める事は難しい。難しいというか、そういう症状に陥った自覚を得るまでは疑いもしない。ここをお読みになっているあなたのお名前は。家族は。お住まいは。イシャ?何のことです。ほとんどの方が澱みなく正答できる。あなたの回答を受けて、唐突に誰かが「貴方の認知に問題があります」と指摘してきたら受け入れるだろうか。やがて老いたらとかではなく、今日、明日の話で。この映画と同じ事が起こったら、何のドッキリだ子供だましか底辺youtuberかfuck youと憤るかもしれない。
アンソニーは冒頭から一人でやっていけると強弁する。これは実際には一人に不安が出ている人の強がりじゃないかな。自分に周りの心配が寄せられているのを感じ取り、またある程度の”症状”に自覚がある。そういう自覚が出てきたら、早めに何か準備しておくものなのかね?準備したとて後から自分で納得できるものか、果たしてわからない。あしたから宜しく、っつって違う人が来るんだもんなあ。
ま…生きているうちにお別れするというのが現世の習わしでありますか。日本の話だと、死んでからの諸々手続きがクッソ面倒なので生きているうちにどれだけ済ませるかがキモらしいです。故人が使ってたサブスク系のサービスとかどうやって解約するか把握している人なんていないよ。「死人に口なし」なんて怖い言葉がありますが、生きているだけではどうにもままならん、というのが本作の内容だと思う。生きているうち、では遅すぎる。始末をせねばならんのです、今日、明日の話で。
いろいろ考えねばならんのですね。
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「ルックバック」を観た
Amazonプライムビデオにて。漫画版?の時にえらく評判になったと記憶している。一時間でみれるらしい、という所に背中を押された格好で拝見。アニメ作品を自主的に見るなんてパプリカ以来じゃないかな。
全体的に良い話だなーといった感じです。Look backという言い回しを「背中を見ろ」とも解釈するというタイトルのアイデア。一般的には「(過去を)振り返る」という意味になる。前を歩むものは後ろを振り返り、後から付いていくものは先を行く者の背中を見る。
本作もそのうち人間俳優の演じる実写版が出たりするのだろうか。どんな需要なのかは理解しがたい。デビルマンなんかは比類なきレジェンドなので極端なケースだとしても、実写版を観たいというのはどこのどいつなのか。この作品を観た人も、実写版も観たいと思うのでしょうか。
気になって調べたら「進撃の巨人」とか「ジョジョの奇妙な冒険」とかも実写化されているんですって。何か背に腹は代えられぬ事情でもあるんでしょうか…ひとまず業界の風習ってぐらいに理解しておきます。
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「まんカス」を読んだ
酷いんだろうなと思って読んだら酷かった。漫画業界もついに人材不足か?と思ったけどQJ連載だったそうなので判定はセーフだ。
キッズの頃は少年ジャンプしか読んでなかったと思う。だから「漫☆画太郎」の作品を初めて見たのも少年ジャンプだ。覚えてる。なんか酷い絵柄だなーって。
酷いしか言ってないが本当に酷い。下手な落語やユーモアの理解が乏しいけど有名になりたいYouTuberみたいな印象を覚えた。端的に言えば気まずい。
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「デスノート」を読んだ
Fac fabulam veram.
おっさんになると、少年向け流行りの漫画のネタバレってない。少年誌の漫画の話などしない。子供も居ないからなおのこと。だからこんな大流行した作品をゼロから読み始めることができた。尤も、ネットのジョークなんかで何コマか見た事はあったな。うわあ急に落ち着くな!そういえばとあるテレビタレントのブログがデスブログなんて言われた事も。
さて。そんなことを言いつつも、古い作品であることを言い訳に、ここではネタバレ全開で行きますゆえ。
思った以上に伝統的な探偵ものだった。死神だなんだと少年漫画っぽい仕掛けだけども、犯人側と刑事側の知恵比べだ。トレンチコートの男だとか伝統的すぎてパロディなんだろうか?とすら思った。読者は犯人側と刑事側両方の視点で物語を読み進めていく。当然(?)どちらも非常に天才的な頭脳を持っている。そのやり取りは見事なもので、ずーっと会話しているのに飽きさせない。探偵もの常なんじゃないかと思うが、全部が全部読者に把握されては面白くない。当然、予想を裏切っていく展開を用意する。作品を順に読んでいるだけでは絶対に分からないもの、後だしの設定とか、付け足していく。例えば二冊目が存在するとか記憶から消えるとか…。これがあんまりにあんまりだと、作者の名前がデスノートに書かれるわけだHAHAHA。大場つぐみと小畑健ねえ。知らない名前だ。
Lが死んだところで、跡継ぎがひょっこり出てきて、なんか”2週目”が始まる。うわっ。しょ、しょーもな😰がっかりポイント。アバン先生が生きていた、ぐらいのクソ展開だと思うんだけどな。正直、これ以降は流し読みになってしまった。この記事を書くにあたって調べると、週刊漫画誌の連載時にはここで1部と2部に分かれていたようだ。わずかの休載を経て再開という形になっていたらしい。キラがすっかり世の中に影響を与えてから、少々時間が経過した世界の物語。無理やりという感じもない二部構成だけど、ちょっと好かないかな。1部で終わってほしかったな~。あるいは単に、キラの勝利に終わった世界の展開が、思いつかなかっただけだったりして…。
人が死ぬ、という効果絶大なアイテムに、顔の認識が必要で、その認識と一致する本名を手書きするひと手間が必要という設定は、実に良い設定だったんじゃないかと思う。人の本名は変わり得るとか、顔と名前の一致は錯誤でも良いのか、とか20年ぐらい前の画像を見た認識でも良いのかとか、作中設定にあったかのかどうか疑問に思う点もあるにはある。しかしそんなものは死神の目がお見通しという設定も良いじゃないか。
「顔と名前(本名)が分かれば殺せるノート」という根本的な設定に何か背景があったりしないかな?例えば犯罪者が匿名で匿われることに対する批判的な発想とか。死亡診断書と組み合わせてみると?書類ではなく死因のほうを真実にする。正体不明の亡骸なんて結構あるらしいから…。あとは当時の世相とか。キリがないけどね、いくらなんでも。住民基本台帳ネットワークが始まったとかAdoが爆誕したとかいろいろ…。
原作者の大場つぐみという人はじっさい正体不明らしい。そりゃあ関係者は知っているんだろうけど、まったく明らかになっていないそうだ。本作以前に著名な作はなさそうだから、デビュー作がデスノートか。凄いなー。デスノート本物を持っていたようなリアリティだHAHAHA
あ
ああなんだ、漫画家自身か?
因果ではなく件を真実にする。
機械仕掛けの紙。
8点。