どくしょかんそうぶん
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「出るか分からない温泉を掘り続けているうちに、30代になりました」の8巻を読んだ
著者の矢寺圭太氏が30代をクリアして40代になったので、本作はここで終了のようであります。単行本はいくつか出ているようですが、温泉は出たんでしょうか。
むかーし桜玉吉の日記漫画読んでから、このスタイルは大変に面白いなと思っている…ものの、そんな積極的に追い求めてもいない。じゃあなんで全然知らない矢寺圭太の日記を読むに至ったのかは、amazonプライム無料枠で発見したからに尽きる。たまたま。
名前も聞いたことのない作品がとても良い作品ということもある。この映画とか…。折角の無料枠なんですから、今後もいろいろ掘っていきたいです。俺も温泉掘りあてたいもんだね。100億円拾わないかな~。
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「蒲団」を読んだ
田山花袋の著。現代の雅ことばでは「オフトゥン」と呼ばれますね。青空文庫にて拝読。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000214/files/1669_8259.html
弟子に器量が良い女学生を受け入れたから、アレやコレをどうこうしたかったけどそうもいかずに悶々しました、XXXやっておけばよかった、という話で合ってますか?吾輩は雄である。
これは妄想ですが、平成の世に流行ったトレンディドラマってこういうのがひな形じゃないか…しかし、そんなこと言ったら古くからあるオペラみたいなもんのほうが近しい物語かもしれない。
ところで、例によって田山花袋の事を何も知らないのでwikipediaにその人柄などを捜索したして候。すると「モーパッサンの影響を強く受け」「紹介で博文館に勤務し、校正を業とする。」…なにこれ、作中にそんなキーワードあったような。この『蒲団』は自分のエッセイみたいなもんなのか?
本人役の作者登場パターン。例えば筒井康隆の小説は、筒井康隆当人が「うわあっ」とか言って奇天烈な事件に巻き込まれているのを想像してしまう。傾く家から転げ落ちたり、力士に追い掛け回されたり、でんでん無知無知かたつむり。つげ義春とか桜玉吉も好きだ。もとより、エッセイの類は短いので好きだ。ところが古い時代の人はその人となりも想像におまかせで、いまいち靄がかかる。いや、筒井康隆もつげ義春も小林銅蟲も桜玉吉も面識ないですけど、著者近影があったり、どこかで人となりのエピソードがあったりするものだ。昨今ならば、著者が自から人物像を発信するも容易く候。
発表当時を妄想する。作者本人の身辺事情を知っている人は、この内容を読んで「…花袋自身のことぢゃないか??」と気づいたかもしれない。「というと芳子というのはあの娘か。あの娘にアレやコレをどうこうなんて思っていたのかこのお布団野郎!」そりゃあ衝撃だろう。現代なら明らかな炎上案件である。世間を変えたい、時代の若きパワーで書いたんですねえ。名前はまだない。
作者自身でこの作品を著した頃のことを書いていたりもする。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000214/files/48806_74810.html
「私は机を並べて仕事をしてゐた人達からもじろじろといやに顔を見られたばかりでなく、ある人からはそれがために絶交状に近い手紙をさへつきつけられた。」
本当に炎上してて草で候。こんなんで炎上したら、そりゃあ恥ずかしくて蒲団に顔埋めて泣いちゃう。
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「ドグラ・マグラ」を読んだ。
青空文庫にて拝読。
奇書という肩書はどうなんだ?というのが正直なところ。もちろん「奇書」の定義なんてあるとも思えないが、読み終えてみれば(もちろん拝読している途中からも)印象は違った。科学検証めいた話が続き、推理もの、エスエフかサスペンスか、という風情であった。想像よりも長くて読むこと自体がしんどい。書が奇なるのではなく、真面目に読み終えた人間が奇という意味だったんではないか。webブラウザで拝読したので自分がどこまで読んだのかを把握するために、「〇〇まで読んだ」という趣旨の一文をSNSに残して、それをしおりとした。その一文を検索すればそこから再開する。間抜けな工夫かと思ったが、大長文をwebで読むのには案外実践的なのでは。その発想が奇怪でありますか、ハイ…。
で。本作について、私はモウ読んだことあります、みたいなテイで長年過ごしていた。知ったかぶり。どこかで読んだ事ありますとか発言してねえだろうな。大丈夫でしょうかこの30年のわたし。本書は20世紀には耳にしたことがあったと思しき。しかしながらリアルライフで話題になることも、読み終える必要になることもなかったから、ずっと読んでなかった。ふと、ほんとうにふっと、読んでみようかと思ったのが今年になってからで、読み始めてから2週間ぐらいかかったと思う。風呂で読むとかテレワーク昼休み寝落ちの前に読むとか。それで結局、中島らもの「今夜、すべてのバーで」みたいに過去に読んだ事あったわ!というパターンだったらどうしようか。自分のいつも通りの適当さを危惧した。だって、冒頭のブウーーンみたいなのは目にした記憶があるし、ネットで調べると出てくる表紙?のイメージイラストに何となく見覚えがあるような。
1935年の書物であります。ナチスドイツが後の惨禍へ向けて助走をつけているような時代。そんな時代の脳科学や精神医学語られても、素人ながらに「この内容は古臭いんじゃないか?」と思ってしまった。しかし素人なので、現代医学の粋と比較することもなく。フィクションのリアリティがあればそれで良かろう、目覚めれば記憶がないわたし、白衣で広場に放たれたキチガイ…うううん、あるかなあリアリティ。あるんだろう。
(読み終えるまで刊行年について調べはしなかったものの)相当に古い本という認知だけはあり、偉大なる脳髄によって成された認知があり、だって青空文庫に載っておりますもの、チャカポコチャカポコ。キーワードだけ抜粋すると浅く読んだという事がみなさまの脳髄にも生えて潤しござんすね、ここで沼の底より水面を叩いてごらんに入れますァ。
みたいな適当な文章が並んでいることも無く、兎に角まともな作品であって、読むのにパワー。検証されてないが事実ではある事象に対して、〇〇が原因だったらどうだろう、という洞察をねじ込んでこれは話をつくる本筋の一つだと勝手におもっておりりり、本作だとあるいは夢遊病とかいう奇なる事象があった。そこに生命の進化とか細胞分裂とかくっつけて医療制度の問題とか資本主義とか学府の権威を揶揄したりすれば、読んでいるさ中にどこに向かっているんだろうな?と困惑を覚えたことは否めなポコ。
私は少し前になんかの映画のレビューで、夢オチと精神病オチを好みませんという事を粗暴な表現で謹上したもんだけど、本作はもしかしたらそういう開祖なんでしょうか。本作は読んでみれば、推理サスペンス調というか、刑事もの?探偵もの?という作品であった。精神病オチではあったが…そこにグロさも恐怖もなかった。ここに及んで、本作ははっきりと自分が妄想した奇書ではなかったが、やっぱり発刊当時はどうだったんだろうと思ってしまう。極端に例えれば地球は丸いって最初に耳にしたらみんなびっくりしたことだろう。
じゃあ奇書だなんて言いだしたのは誰か。おそらくは刊行当時に、精神病患者、精神医療という舞台そのものが珍しかったと推測する。「胎児の夢」という架空の話を、さも当時の学会で実際に議論されていたり、また科学的に認められ得る可能性があったかのようにち密に書いてある。母なる海と父なるミトコンドリアが記憶を継ぎ足し継ぎ足し、先祖代々伝統の夢を見せるのだそうな。なんだこれ。本書の内容と合ってるか?こんなことが延々と書いてある。この世界観を提示しておくと読者は納得して読み進めるという目論見があったんだろうか。100年前の読者には実際どううつったのだろう。
100年分のアドバンテージを活かして、chatGPT君に見どころ…?読みどころと概要と世間の評価を聞いてみると、たちどころに分かりやすい文章が出てくる。この内容を100%鵜呑みにする人というのは、2024年夏時点では人間としてこころもとない。どえらい嘘が吐き出される事もある。しかし、100年の積み重ねから尤もらしいexcuteをやってのけるのはコンピュータに託した我々の夢だ。キチガイ様のお告げに曰く、電気羊の夢を得たりと。100年でキチガイが増えたかは分からないが、夢のストックは増えたのだ。いや頭おかしいのも増えとるわい!
なお映画化されている模様。
正木博士:桂枝雀
(; ・`д・´)
この事実にここまで驚けるという事は、わたしはきっと本書を読んだことはなかった。今回、本書を読み終えて、はじめて本書を読み終えた事が判明する、まごうこと無き
既書。
-2点。
実際のところ、古本屋で買ったけど読まないうちに捨てたかもしれない。どうしてもあの、天野喜孝みたいなイラストに見覚えがある。いつか捨てた本棚の、そのどこかに放り出してあったような記憶がある。でも、調べたら上下巻だった。二冊あった記憶はない。自分 のことだ、買ってから「あれっ?上下巻なのかーーーい」と気づいて読まずにそのまま放っておいた可能性が猛々しい。
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「赤と青のガウン」を読んだ
著者名に「彬子女王」とあり、「赤嶺総理」みたいなペンネームかと思ったが本物の日本国皇室の女王であらせられる。ええええええ。赤嶺総理の書籍ももし実在すれば大変興味あるが、ここは実在する女王の一冊を。なお、奔放な行動で話題のあのプリンセスと勘違いしていたが、本書を買った後でyoutube観ると別人だった。皇室関係はお馴染みでありながら縁遠いご家族であります。この本を読んでいる時期にはたまたま今上の天皇陛下がオックスフォードを訪問したりしておりました。
内容はオックスフォードの大学院にてガチな研究をされた、日本のプリンセスの留学エッセイ。特段珍奇な事件が起こったりするわけではなく、海外あるあるみたいなのほほんとした話も多い。いやあ海外怖いね。また、「研究って何をするんだ?」という疑問には十分にこたえてくれると思う。やらなきゃいけない事それ自体は日本のそこいらの学生と同じなんだけど、きっと質が高いのでしょう。時々ユニークな家業の事情が顔を出す程度で、本当にオックスフォードで学んだ人のエッセイだ。
オックスフォード側がそんな事情に慣れているという事じゃないかな。どこどこのプリンセスだのは、世界中からいくらでもやってくるんだろう。世界の首脳ってのはそういう学生時代の横のつながりがあったりするって、どこかで目にした。今上天皇だってオックスフォードへの留学経験がある。北朝鮮のあいつだって海外留学の経験あるし。ただ、本書にはそういうエピソードは出てこなかった。うおおおおって論文づくりに苦労しながらの生活が続く話だ。
という中で、カフェで論文を書いていると、なんか進捗が良いって話があった。雑踏の雰囲気や、目、耳に入る刺激が良いアクセントになる。これは自分もわかる。本書ほど本気で何かに取り組んだりしていない恥の多い人生だが、真剣に何かを考察するときに、他の雑用をしながらだとふっと何か大事な閃きを得ることがある。しばらく前から、日本国でも駅の中のスタバで書籍やパソコン広げて陣取っている人々をみかける。そういうことなのかね。
なお、本書によると彬子女王はボケ担当であるそうな。ツッコミは妹の瑶子女王。漫才でも始められては如何か。将棋棋士もそんなことを始めて話題になるぐらいだ、宮家なら話題には事欠かない。正月の一般参賀で突然「はいどーもー」って始めたらどうか。関東でも関西でもない皇室ルーツのお笑いである。それはそれはシュールで気品が高く、面白いのかなんなのかも良くわからん笑いの地平が開くやもしれんし、皇室コントで一発あてて終わるかもしれん。
彬「うちのはとこが三種の神器の名前忘れてもーてー」
瑶「はとこ…は現役のあのひとやないかい。それほんま大丈夫~?」
まあその、普通に読み応えある良書です。
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「爆笑問題のツーショット」を観ていこう
Amazonプライムビデオで発見。なんと2006年の漫才から観れる。キッズ番組でねずみの着ぐるみなんかもやっていたけど、やはり漫才の印象が強い。数が多いのでさすがにまだ全部は観てないが、全部見たら30時間ぐらいありそうだな。すっごい量だ。
とりあえず最初の2006年から、順に観ていく。爆笑問題の漫才には時事ネタが多いから、当時話題のニュースなんかをネタにしていて、出てくる人の名前とかが何もかも懐かしい。ジダンの頭突きとかipodが人気だとか北朝鮮のミサイルと核実験とか。彼らは話を突拍子もない方向へ膨らませて笑いにするけど、そのネタのうち幾つかは、現在では現実になったような事があるのも感慨深い。「学校行ってもいじめとか問題が多いから、行かないで家から携帯でやればいい」このネタは流石にちょっと解像度が低いものの現実になったと言っていいだろう。
ネタの多くはいつもの口の悪いジョークで、不祥事をよくいじる。そんな中には自分が当時を覚えてない事件もちょくちょくあった。例えば不二家の事件がネタにされていたが、全く何の話かわからなかった。調べるとすぐに情報が出てくる。
不祥事だけではなく、当時の売れた本とか、人気タレントとかの名前も出てくる。いや~ほんと懐かしいけど…これって?自分はこの漫才イベント?を知らなかったんだけど、Amazonプライムでは一年ごとに1エピソードという形でまとめられている。これが2006年からずっとならんでいて、プライム無料枠では2021年まである。2022年と2023年は課金枠だ。さて…自分は爆笑問題がネタにしたような直近ののニュースを知っているだろうか。本人たちもそれなりに世間に浸透したトピックを厳選してネタにしてはいるんだろうけど、それに自分がついていけるかちょっと不安になる。近年は世間に疎いのでありますよ。ちっぽけな不安に耐えきれず、2007年の次に2021年を先に観てしまった。
知らなかった2021年トピック一覧:スケボー金メダル。開会式でドラクエのBGM。田中のほうがコロナ感染。紅白に出場するDISHとBiSH。ザ・マスクド・シンガー。流行ったギャル言葉「きゃぱい」
それがどうしたって話ですがぁ。
若い頃のツービートの漫才を見たことがある。太田光がたけしに憧れているからだろうか、どこか爆笑問題の漫才も似ているなあと思う。でも太田光にはボス感が無い。奥方が芸能事務所のボスではあるが、当人を「殿!」と呼んで慕うような後輩はいないんじゃないか[要出典]きっと太田は例の件でたけしを見習って、裁判で争うのではなくて直接殴り込みに行けばよかったんだ。そうすれば今現在もうちょっとカリスマ的な人気があっても。このへんの裏口から入れたっぽいなあ。
https://maps.app.goo.gl/1sRvtq6T2LhPLAnZ6
それがどうしたって話ですがぁ。
あまり意識してなかったけど、爆笑問題の漫才はどこか好みにあってる。自分も子供の頃にはビートたけしが好きだった。たけしメモって大好きだったな。今考えるとあれ大喜利か?こんなXXは嫌だ!落語を知ってから、立川談志も好きになった。いま、爆笑問題師匠が好きなのもなんとなく自然なことかもしれない。残りもちょくちょく消費していこう。
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