どくしょかんそうぶん

  • どくしょかんそうぶん

    「ゴルゴ13」を観た

    Amazonプライムでアニメ版があったので観た。高倉健が主演の実写版もあると聞いたが果たしてそれを目にする機会があるだろうか。あっても観ねえか。

    知っているストーリーばかりなのでそんな楽しいものでもなく、何話かぼんやりと見て…それで終了。銃撃だの爆発だの多いので、アニメのほうがやはり映えます。ゴルゴの声優は舘ひろしというのに驚いた。違和感なかったなー。もうひとり、知ってる名前があった。千田光男とある。ナハ!!の人だ。しかも、あのガンスミス、デイブ役とは驚いた。ゴルゴファンにはたまらない人b、ってあれ、違う人なの。

    そんな情報を漁っていたら、このデイブのスピンオフ作品があったらしい。ぐぬぬ、知らなんだ。ファンの看板を下ろすとともに、単行本出ないかお祈りでもしようと思ったら、九月に刊行されるらしい。ひゃっほう。

    小学館のサイト

    なお、一話なら無料で読めたので興味のあるかたはぜひ。

  • どくしょかんそうぶん

    「私立探偵 濱マイク」を観ている

    作品の評判が良いのは知っていたし、もしかしたら当時テレビで観たんじゃないかと思うのだが、何も覚えてないな。

    だもんでー、「へえ…」と一話目を観てみたら、クッソ面白くて顎が外れたので残りも観るぞー。豪華な出演陣と言われているらしいが、一話目を観て出演者の名前は菅野美穂しかわからなかった。あ、泉谷しげるもいたね。永瀬正敏は知ってるけど、顔を観ても記憶と一致せず。たぶん浅野忠信あたりと混同している。

    EGO WRAPPING’ なー。懐かしい。探偵にくっついて行動していた長髪の女性をみて、「あーこれ確かUAだよな~」って意味不明な勘違いしてた。あー、市川実和子さんねー、うーん…知らない。新鮮でいい。

    二話の冒頭で「この人のほうがUAに似てるな~」って思ったら本当にUA本人で顎が治った。俺の記憶はどうなっているんだ。ドラゴンボール読み直したらサイヤ人のくだりで顎外れるかな~。

  • どくしょかんそうぶん

    「図解 経済学入門」を読ん…うーん。

    経済学とは?何につけても学びの乏しい人生を歩んでいますが、経済学はことさら捉えどころがないと思って手が出ない。これが例えば「経営学」だったらビジネスのノウハウとか哲学みたいなもんだろうなと想像がつく。経済学についてググったりして説明を読むんだけど、うーむ…。wikipedia眺めてみるといろいろ書いてある。ちょっとイメージに近いかなあという説明を下記に引用。

    たとえば、ノーベル賞受賞者ロジャー・マイヤーソンは、今日の経済学者は自らの研究分野を以前より広く、全ての社会的な制度における個人のインセンティブの分析と定義できる、と述べた(1999年)

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6

    「分析」だそうな。わかりみ。経済って「商い」だから、どうしても人の思惑が絡むはずで、そういうのを理論に組み入れるって可能なのかな…という懸念を言おうと思ったら、wikipediaでも触れられている。自分のような素人が首を傾げがちな部分はもう解決済みなんだろう。「風が吹けば桶屋が儲かる」を複雑な社会にしても成り立つ理論を考えるんだなきっと。

    野次馬の意見としては、何かしら世の役に立ってほしいと思う。世界に問題があり、不幸があるんならばそれを解決する手段の一助として経済学でもなんでも役に立てば良い。ネットでざっくり流して見たけど、「経済学とは?」に対するバリエーションの多さでなんかもう。本当に学問の目的あるんでしょうかー。

    さて本書。

    経済のむつかしい仕組みを「一つだけの図で理解できる!」と主張する。その後も、その図で説明していく場面が何個かでるんだけど、これが無理やり当てはめているように思えて、逆に難しくなっている印象だ。専門的な用語や数式が分かりにくいのは当然。だけど、そもそもそんなものを見たことないから、それを説明してくれるというのを期待していたんだけど、ちょっと違った。概念や公理が、世界の事実やデータとどんな因果関係があるのか、みたいなところが分かれば、その意義もわからなくはないと思ってんだけど。本書は途中で「~~という主張には誤りがある」みたいな内容が多くなってそのあたりで読むのをやめてしまった。知るかよそんな話。

    こういうのって、大学教授が学生に講義のテキストとして買わせてそうなイメージがある。一般向けに書いてはいるが、著者の主張がまざっているやつ。自分が学生の時も辟易したもんだ。マスコミによく出てくる教授いましたね。本書には勿論「ふむふむ」と思う部分も多かった。しかしプライム無料10冊の枠の関係ですぐ削除してしまった。どうせ馬が合わないジャンルならば、次はしっさん(cis)の本でも気楽に読むかー?

    投資家のcis氏

    https://ja.wikipedia.org/wiki/Cis_(%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6)

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    「超雑談力」を読んだ

    「初対面沈黙もう怖くない!」

    メンタルヘルスの本みたいなあおりがついてますが、内容は良くありがちなビジネス書だと思う。ノウハウの本。続いて「誰とでも信頼関係が築ける!」とも書いてあるけど、これほんまでっか…?

    本書は「回避できずに雑談せねばならなくなってしまった」事態への対処方法まとめ、というコンセプト。嫌々ながらでもそうじゃなくても、ぽつんと二人になることってありますからね。ただ、勤め人の経験をいくらか積めば、ここに書いてあるようなことはある程度身についていると思う。これは大人になるにつれ身についていくものというか…常識というか…それでも、自分の常識をいちいち見つめなおして戦略を組んで会話する人も少ない。なんとなくでパターン化してあるのよ。

    コンサルとかならまだしも、知らない人とばかり会話する機会は普通はそう多くない。半端に顔見知りになった後のほうが困ったりもする。そういう場面での対応もできそうなことが本書に書いてある。このテのスキルを体得している人からすれば、本書の内容はやかましいマナー講師のように感じるのかも…なに勝手な事言ってんのこいつって。自分も本書を会得したとは言わないが、最後まで面白く読んだ。

    本書は基本的に「〇〇なとき→××しましょう」という構成で淡々と続いていく。これはPVP(人vs人)ゲームのチュートリアルみたいで読みやすい。例えば格闘ゲームとか、オセロとかの初歩の理屈。選択肢の狙いとメリットが分かりやすい。

    何を話していいか困ることって確かにある。こういう時に、芸人や噺家みたいに面白トークを披露しなくては!と思う事が誤り。雑談する理由は、会話でお互いに警戒心を解いて、次の関係性へシフトするための助走みたいなもん。オチとかいい話とか要らない。なんとな~く会話のラリーが続くことが大事。

    自分はとても納得した。なるほど。確かに、変なエピソードトークぶっこんで滑る人もいる。若者言葉でいうならわかりみがふかい。じゃあ具体的にどう会話のラリーをつづけますか~?というあたりは、本書を読んでくださいまし。

    本書の具体的な”対策”を自分に置き換えながら読んでいくと、だんだん、ただ雑談のために自分の本心とは離れていくように思えてきた。本書を素直に実践するには、実は結構な豪胆さが要るんじゃないか。あるいは逆に空っぽか。初手から自分側は打ち解けたというテイでふるまう必要があるように読めてしまった。でもやっぱりそんなの難しい、気後れしがちな人にも向けて、かなり具体的に書いてある。本書通りに相手を”取り扱い”すればできそうだなあって思えればそれはそれで良いのかね。あくまで次の関係性までのステップと思えば…。

    本書を読んだ人は、実際に頭の中でシミュレーションしてみるはず。同僚、上司、取引先、を相手に、自分ならどうするか。と同時に、自分の相手が「こんな感じ」だったらどうだろうとも考えるだろう。本書の処方を忠実に再現してくるような対応…「なんだこいつ適当なことばかりペラペラしゃべるやつだ」と思うだろうか。会話上手で助かると思うだろうか。

    こころのどこかで、打ち解けたくないタイプがいるから、こんな事を考えてしまうのか。そもそも、相手もこちらも打ち解けるための手段でしかなんだから、受け入れるのが良いのだろう。お互いそうやって打ち解けたというロールプレイするための手段なんだから、広く豪胆なこころで以て臨む。

    しかしこれ…お互いに誤解するかもしれないよな。その場限りのアレなのか、仲良くなりたいのか…そんな誤解を含んだままの二人が「この前はどーもー」と会話を再開する。どうなるんだろう。本書の教えでは、忘れたことは素直に聞き直せば良いし、会話を止めずに先へ進める、変えたい話は変えればいい。人間関係が遭難しそうだ。誰とでも信頼関係ねえ…前へ進んだ人間関係はそうそう変えれない。センテンススプリング。用法容量を守らなくても便利なところだけ齧れればいいけど、こういった書籍は適切に服用しないと危ないんじゃないかなと思いました。

  • どくしょかんそうぶん

    「蟹工船」を読んだ

    🦀

    買ったら漫画版だった。あらま。まあ良いか。電書の表紙で判別できるようにならんもんかね。原作は小林多喜二で、漫画の作者は原恵一郎という方だった。名前に覚えはなかったが…読んでみると麻雀の漫画を描いていた人だと気づいた。

    さす蟹、いまさら本作の内容で衝撃を受けるようなこともなく。わたくし汚い大人になりました。それでもね、21世紀なのに酷いなあという現場はこんにちの日本でちょくちょくお目にかかる。自分だって、法の定めではアウトな勤務条件を体験したことも御座います。とはいえ拷問されるとか死んだら海にポイされるなんてことは無いです。代わりに、近代ではもうちょっと巧妙になったのです!あゝおとろし。三万人のヒステリア。

    本作の筋書きざっくりと言えば、もう我慢ならんと団結し、一揆を船の上で起こしたようなもん。漁民一揆。そういえば、一揆とか年貢の話は学校で学んだ。大塩平八郎のLANというジョークもありました。あれは農民ではなかったっけ…。それは置いといて、当時の漁師は年貢ってどうだったのだろうか?いわゆる士農工商の…工に含まれていたのか?ググってみる。

    (((各自学んでください)))

    つまり、蟹工船で働いているのは農地でいうところの、小作人ってことになるのか。考えてみれば本作は士農工商とは時代が違いすぎた。一揆からの→年貢なんて発送の例えは無知でアオい発想でありました。時代はWW2のカウントダウンぐらいの雰囲気だろうか。それでもこの状況では、殿様が社長に変わっただけでねえべか!という憤りもあるんじゃねえかな。

    作中に共産主義思想を伝えるロシア人が出てくるが、本書刊行の1929年は、スターリンが独裁体制を確立した年でもある。わざわざ作中に登場させた理由はなんだろう。ホットなトピックだったのか。アカの思想について、世界的に喧々諤々だったんだろうか。本作は「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいな終わり方をしているので、共産主義に警鐘を鳴らしているのか、賛美をほのめかしているのか、どちらだろう。労務者に報われない物語なので前者だと思うんだけどねえ。

    作者について何も知らないので調べてみると、出版した作品の内容ゆえに、権力に目をつけられてしまい、拷問の後死んだとある。おいおい近代とは。昨今、例えば「ブラック企業良くない!」という意見をどうどうと個人が主張できる(主張もなにも完全に悪いんだが)なんなら世に訴えるケッテ的な情報を流すことができる。パ〇ナを批判することも竹中平蔵のYoutubeチャンネルに低評価ボタンを押すこともできる。そんな人々が拷問されて死んだという例は聞かないが、近代はもっともっと巧妙になったもので…。

    なお、wikipediaによると、2008年に何故か本作のブームが起こり、蟹工船の読書感想文コンテストが行われたという。なにやってんだよwwwヘイトを向ける相手を見つけ、あるいは困難に立ち向かう人に寄り添うポーズで団結してパワーを得られた気分になってしまうのは、近代の若者のイクナイところだというようなゴーマンかました人がおりましたね。あーこれ20年前の話だ。現代は近代よりもっと巧妙になった。

    近代のカニ漁はこちら。ハイリスクハイリターン。