どくしょかんそうぶん

  • どくしょかんそうぶん

    「聖なる酔っ払いの伝説」を観た

    なんだかわからないけど、Amazonプライムにならんでいた拝見。

    で、全体的になんだかわからなかった…というか、なにか童話を読んだような感じと言えばいいか。だから、とりわけ主人公が阿呆に見えてくる。何か取り柄があるんだろうけど、ドジで良く失敗をするとか、昔話にいるじゃないですか。いません?有能な大人だったら話が進まねーんだわ、って感じの。お礼だからって亀に乗って海に向かわねーだろ普通って、そこに気づくような主人公じゃあダメなんだ、多分。園児が「志村ーー!後ろーーー!」ってエールを送るようなあれよきっと。

    「酔っぱらったって良いじゃない人間だもの」という主人公は、道を歩くだけでイベントが起こる童話のように、酒を飲んで何事か起こる日々を過ごして、物語が終わる。ん~~なんだこれ。

    舞台がどこかいまいち不明(フランス?イタリア?)なので、カフェに行ったらワインが出てくる、とか馴染めないところもあった。ブレードランナーの二つで十分ですよ!の食い物みたいな…。あ、そんなシステムで出てくるの…って。神父に任せるってのもそういう現地のシステムなのだろうか?カフェで酒飲んで倒れる。だいぶ具合が悪そう。「医者を呼んだほうが良いな」「いや、教会に運んで神父に任せよう」???どうしたんだ???対処が面倒で神父にぶん投げたのか、それともこれが親身な対応なのか。物語の印象が変わるかもしれない。

    ここで、物語の一つの「つま」が合う気がする。自らの意思で施しの弁済をしようとすると、昔の好いてた女、旧友が現れて誘惑に負けてしまう。結果、弁済ができない。ところが最後、自らの意識を失ったところで教会に放り込まれるわけだ。これは罰なのか、救いなのか。ほんと映画人はまーーーた罪とか罰とか言って…しかし教会だからなあ。

    金が入れば酔いつぶれ、支払いをせぬまま店を出ようとして咎められ、他人の財布を頂戴する。旧友にたかり、たかられ、ちんPも元気で性なるよっぱらいかと。主人公はやりきれない不幸な事故で過去の幸福を失ったように描画されているが、結局橋の下で凍えるのが相応しい人物だったのではないか。「神よ すべての酔っぱらいに美しい死を与え給え」というメッセージが、せめてもの救いどころか「さっさとくたばれFUCK YOU」とも受け取れる気がしてくる。そんなところも童話っぽいかな?

    開けてはいけない箱、覗いてはいけない障子、返さなくてはならない施し。

    「照れずに言う」と「テレーズに言う」をかけたシャレで〆るつもりが、思いつかなかったンゴ。

    3点。

  • どくしょかんそうぶん

    Newsweekを読んだ

    日本版。2019年11月12日号。

    正直、面白くて驚いたというか…。猫も杓子もインターネットという世代ですので、インターネットの素晴らしさとともに、しょうも無さというか、残念ですねという面も見聞きしたつもり。紙媒体でニュースなんてものにどれほどの需要があろうか…なんて話はもうされつくしたよねたぶん。結局は内容だと。それが得られるならば人は、路傍の落ち葉でもひっくり返す。

    情報の中身と鮮度というド本質なところでアピールしてくる力強さがある。ビジネス誌もニュース番組も見ない自分には、端的に言うとテレビも新聞もない自分には、こういう雑誌に載っていることはとても目新しく、自分が使うインターネットではリーチしない情報なんだなあと感じた。

    とはいえ、目ん玉飛び出るほど驚くようなこともなく。ほぉほぉふむふむと、風呂で読んだりするのにちょうどよろしい。じっくり堪能したところ、今回のハイライトは意外なところにあった。訂正記事だ。「サッカーの試合中」は「フットボール試合中」の誤りでした、という内容。おおおお、こ、これはっ!?

    日本ではサッカーという呼び名が一般的だけど、欧米ではフットボールが主流っぽい。そこで、footballという単語を、日本向けにサッカーと訳したら、やっぱりフットボールと訳すのが正解でした。そういう訂正内容だと読める。これはどんなシチュエーションだろうか?アメフトかな?アメリカンフットボールをfootballと表現していた。これを日本向けにサッカーと訳しんだけど、正解はフットb…あれ?だとしても訂正の内容は「アメフト」とか「アメリカンフットボール」が正解でした、となるんじゃないの。おかしくないか。

    いったい、この部分の原文はどうなっているんだろうか?もし、原文にsoccerって書いてあったら「サッカー」で正解だもんね。これをわざわざフットボールと直すことはありえないと思う。原文にはfootballと書いてあったか、何か前後の関係でややこしいジョークみたいな言い回しになっていて、とか…。訂正記事の全体は下記。

    10月29日号20ページ「ラグビーの歴史的大転換」の記事で、「ウィリアム・ウェブ・エリスという少年がサッカーの試合中」とあるのは「フットボールの試合中」の誤りでした。おわびして訂正します。

    ネット上のリソースでnewsweekの原文は見つからなかった。そこで取材班は、このウィリアム・ウェブ・エリスという名前に注目した。すると、あっさりとWikipediaに項目があった。そしてこれまたあっさりと、この訂正記事にかかわるようなエピソードが載っている。そもそもが、ラグビーの起源の歴史が実にややこしいようなのだ。まあ読んでみ。この一連の流れがインターネットっぽいだろHAHAHA

    ウィリアム・ウェッブ・エリス – Wikipedia

    どうにもややこしいとはいえ、誰かが急にボールを抱えて走り出したというのは、サッカーだろうとフットボールだろうと事実のようだ。なるほど~インターネットには実に面白い発見がございます。こちらからは以上です。

  • どくしょかんそうぶん

    「アリス」を観た

    もちりんAmazonプライムにて。アリスと言ったらそりゃあalice in chainsというわけですが、本作はたまたま目にしたので視聴しました。alice in chainsについてはググりましょう。三本足はディスクユニオンで買いました。

    そのスジでは高名な方が監督をされたという作品ですが、そもそもが「鏡の国のアリス」のストーリーを知らないのであって、何が出てきても「ほう」「ふむ」「むむ」という感想で過ぎていく。本作の主役の女の子は10歳に満たないぐらいに見える。「鏡の国のアリス」の主人公ってもっと大人というか、青春臭い年ごろのイメージがあった。そういやあの卵みたいな紳士出てこなかったなって思って調べたら、本作に登場してしかるべきキャラクターだったようなのだが。出てきたっけ?

    「夢物語」という言葉そのものを体現した作品と思うのだけど、天国を否定するかのようなくすんだ色の不愉快さ、悪夢と言えるほどの狭い画面の気色悪さ。ものごとが滅茶苦茶だから楽しいという感じもあまりなくて、本作は「エクソシスト」のパロディだって言われても信じるね、俺は。信じません。

    —-「子供たちが本物の夢を見ている間に、大人どもは悪夢を見る」

    とあるミュージシャンは言いました。本物の夢とはこんなものなのでしょうか。でも、大人どもは悪夢を見るというのにには一点の疑いもない真実だと学びましたよね、みなさんも。もぅまぢむリ。首ちょんぎろ…。アリチェンとかマニックスとか言ってるおっさんが見る映画じゃねえよって思った貴方はナカーマ。

    ところで、本作に続いて「片桐はいり4倍速」というのも視聴しかけたのですが、電車で見ながら寝落ち、見直す気にもならなかったのでここにそれだけ書いておしまい。こっちのほうがまぢ無理。

  • どくしょかんそうぶん

    「メタノール」を観た。

    Amazonプライムにて視聴。ネタバレ。

    密造酒で儲けようとした悪人を捕まえんとする刑事ドラマ。実際の事件をもとにしているとあるが、食品偽造でちょくちょく大騒ぎになる日本も他人事ではない。タカ&ユージみたいなチャラいお兄さんではなく、どっしりと東欧の警官の気風をまとったおっさん刑事の活躍だ。タカ&ユージなんて例えもまたおっさんだ。いやあ逮捕にこぎつけためでたしめでたし、なんて思っているとそこから面食らう、実に渋い作品となっている。東欧か!東欧だよ。チェコの作品であり、ちょっと何言ってるかわかんないので字幕たよりです。

    事件の本質は密造酒であることよりも、その材料に大問題があって多数の死者まで出たというストーリー。恐ろしい話だ。この作品を観た日本人なら誰でも刑事のある疑問にグッとするだろう。「そんなに安いものが普通のわけないだろう。何で買うんだ?」安いからに決まっているのだが、誰だって安いものが嬉しいのはここ日本でも同じ。日本の法規的な事情はしらないけど、納品されたものが店頭に並ぶまで、毎日全部点検されているなんてあるわけないもんね。

    昨今の日本の庶民は、「国産品=安心できる」なんて思い込みはナンセンスだと学んだかと思います。数々の事件がありましたし。それでも自分の住む社会と人々は、基本的には信頼に足ると思って生きておるわけで…。「安売りしている=どくいりきけんたべたらしぬで」だとも思っていない。でも、いつまでそうして暮らしていけるだろうか…。今日も中国産の乾燥ワカメを避けた。国産品は値段が倍で、中身は半分以下だ。これでお弁当屋さんの無料サービス味噌汁に国産のワカメ入っていると思えるだろうか。

    自分はすっかり酒を引退し(引退というほど酒飲みではないけども)、それでも1000円以下程度で買えるズブロッカという酒を好んで、年に1,2本ぐらい買って飲む。度数が高いので氷らないため冷凍庫で保管。キンキンに冷えたのを割らずに頂くと、草の香りも強烈で実に良い。東欧産だけど、この作品を観た後では恐る恐るネットで確認してしまう。ポーランドか。セーフ!

    セーフとか言ってられるでしょうかー。

    なお、Amazonのレビューにも書いてあったので自分もググってみました。この手の密造酒事件は世界でも貧しいとされる地域で多く起きるようだ。事件を伝える報道を見ても、まあそうでしょうよと推測出来るような原因が挙げられている。

    https://www.sankei.com/premium/news/190318/prm1903180005-n1.html

  • どくしょかんそうぶん

    「ソウル・パワー」を観た

    ミソンバ!!

    察しがついた人は同世代ですね。おこんばんわ。本作はとある音楽イベントに同行した、ドキュメンタリータッチの作品。ロードムービー的な?Amazonプライムの紹介文によると、こんな概要だ。

    モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世紀の一戦 “キンシャサの奇跡” を前に開催された世界最強のブラック・ミュージックの祭典「ザイール’74」。

    この音楽イベントよりも先に、ボクシングのほうに興味が向いてしまうが…さておいて。全体の半分ぐらいがライブシーン。ステージ上だけではなく、時に街中の雑踏など。70年代画質もあって、とにかくその熱気の伝わり方が半端ない。この熱気、これがいわゆる「時代の空気」と呼ばれるものなんだろう。その日その時、音楽の鳴っている間だけだったかもしれなくとも、この空気が時代であり歴史なんだと、誇らしく振り返ることが出来れば—-。また、モハメド・アリが公然と黒人への差別について苛烈な言葉で不満を述べるシーンも収められている。これも時代であり、歴史なんだろうな。

    ちなみに本作は、この当時の音楽が好きな人にはなかなか貴重な映像であるらしい。