どくしょかんそうぶん

  • どくしょかんそうぶん

    「カジノ」を観た

    実話ベース、ということなのだが、夫婦関係とその騒動に時間が割かれすぎている印象を受けた。ハリウッド的な味付けってことでよろしいか?まーーーーーた、女がらみの筋書きかーーーいってなるよね。そこも実話だったら、そら、ま、それはそれで、お疲れ様でした、としか。ところが、映画都合の演出と思っていたのだが、wikipediaに乗っている実話のほうのエピソードを読んでみてドン引きする。簡潔にまとめられており、読みやすいのでぜひ。あれもこれも事実じゃねーか。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%83%8E_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

    派手に大金が動く世界の、緊張感がある日常を感じ取れる。その緊張感の裏返しに、ずいぶんとfuckを連呼するなあと見ていて思った。ググってみたら、世には「fuckという単語が出てくる回数の多い映画ランキング」という映画作品があり、本作「カジノ」は堂々六位にランクイン!これ日本語吹き替えあるんだろうか…?あの「フルメタルジャケット」に日本語吹き替えが無い理由は、歴史に残るあのシーンを吹き替えできないからと噂があるらしい。ところが、探したら日本語吹き替え版あった。さすがにわざわざ見ないです。ほかの吹き替えにも増して”クオリティ”が上がることはないと約束されているようなもんだから…。

    これを観た後では、日本でカジノなんてやっぱり悪い冗談でしかないと確信できる。さらには保釈中の被疑者に非合法手段で国外脱出を許すなどやっておるようでは…。立川談志の動画で、ハマコーがラスベガスでギャンブルやってたスキャンダルについて、枕でネタにしていたものがあった。話は広がり、国家予算で丁半ばくちすりゃあいいじゃんと。当たればみんなで一年遊んで暮らせる、外れても米は余ってるんだから大丈夫だって。そうだよな、日本のカジノでやればいいんだよ。もういちど所得倍増計画。胴元なんてどうせ海外資本に食われるんだし、日本国家がプレイヤーとして参加するわけだ。バカラか?ポーカー?ブラックジャック?スロットはXXX国民がしゃしゃりでてきそうだからやめよう。胴元には絶対にテーブルにつかせる。勝負を避けたら適当にfuck youと言って締め出してしまえばいい。いけるいける、歴代一番長くに総理大臣やっとる安倍晋三ならいけるんじゃないの。なんといっても彼は、

    トランプと仲が良い。

    100点いただきましたあああああ。拡散しろ~~。

    あ、本作はテンション高くて、娯楽として良いです。

  • どくしょかんそうぶん

    「ウィンド・リバー」を観た

    勿論Amazonで視聴。

    なかなか良作。「ファーゴ」みたいな雰囲気の作品。あらすじとか入れたらもうファーゴそのまんまやんけ、とかいう人もいるかもしれない。過酷な気象、雪深い僻地での、刑事ドラマ系ミステリー。ファーゴと同じく、事実に基づくストーリーであることが冒頭に明示される。ファーゴのほうは実は事実などなく、監督の冗談だったが、これはある程度本当のようだ。それでも、インスパイアというのかな、脚本の元ネタぐらいの関りだろうと思う。

    緊張感があり、飽きさせない展開。悪事を起こす人間、その思考と発言が映画テンプレすぎるものの、リアリティがあったと解釈もできる。一方で、監督が提示したかった問題点にはあまりリアリティを感じられなかったのは、自分にはしょうがないと思えた。これはエンディングまでは露骨に作中に出てくるものではないので、自分同様この視点に共感が持てなくても、映画は楽しめる。

    “処刑”の場面は屈指の名シーンだと思う。過酷な運命、ここの自然に闘いを挑み、命を落とした犠牲者への餞でもあり、復讐でもある。悲劇を生みだしたこの土地に、そのケツを拭かせるべく捧げた生贄の最後は「哀れだった」と一言で告げられる。

    雪景色には魔法がある。JRがやっているクソみたいな若者向けリゾート広告の世界ではなく…雪景色に暮らしたことがある人はなんとなくわかってもらえるんじゃないだろうか。寒さ、湿り気、明るさ、踏みしめたときの音、重さ。何かこう、一つ、身の締まる思いを本作で如何でしょか。

  • えさのじかんだ,  どくしょかんそうぶん

    dancyuを読んだ

    2020年1月号。コンビニで売っていたのでお買い上げ。雑誌の面白さに最近気づいてから、こういう本を風呂で湯船に浸かる時と、あとは寝る前にオフトゥンで読むのが楽しい。湯船でのミッション時には、洗面器を浮かべてそこに本を置くというハックを発見してからなんとも快適だ。今まで風呂桶とかない暮らしでしたので、そういうのがあること自体が新鮮で~。

    町のお寿司屋さん特集など。寿司は好きなんだけどプライベートでは回らないお寿司って行ったことない。その他寿司の作り方だったりが載っていた。あとはテーマに沿ったコラムとか広告的なもん。レシピも結構載っているので、イメージ通りのグルメな人向けの本だ。単に美味いもの食いたいというよりも、何かグルメ道を研鑽する人たち向けの専門誌みたいな。こういう本が好きな人が、グルメ転じて自分の店を出す、みたいなことするんだろうか。

    載っているどのレシピも、自分がみれば「うわめんどくせ」の一言でぶん投げてしまうようなものが多い。家から持っていくお弁当の中身が、茹でた春雨にパスタソースをぶっかけたものというレベルの人間が、手順も使う調理器具も材料も多いものをやってみようなんて思わない。他人に食わせる責任を負うほど覚悟を持てるわけでもなし(特に衛生面で)、誠意をこめて作るわけねえし、皆さんが僕の料理を口にする機会はないです。

    お料理は、おもてなしの手段としては永久に放棄します。こうして皆さんの食卓に恒久的な平和が訪れました。良かったですね。

    2月号も買いました。

  • どくしょかんそうぶん

    "スティング"を観た

    歴史的な傑作として評価が高いとのこと。Amazonで視聴。これはプライムでも無料じゃないのよ♪ネタバレなのよ♪

    確かになかなか面白かった。ペテン香具師がたまたまやばい組織の上納金を奪ったことから話は始まるんだけど、あとはこう、なんというか流れるようにサクサクと進む。わかりやすくテンポが良いと観やすいですな。以下、いろいろ感づいた点など並べていく。

    オチが秀逸という評価があった。しかし最初に観たときはピンとこなかった…ものの、観終わってから少し考え、もう一度再させてみると納得した。これは、別のルートで彼らの仕掛けに引っかかった者同士が、真相を知らぬままに連れ立って退場していくという構図になっていると考えられる。本物の刑事が本物のマフィアを引っ立てるんだからあとは勝手に処理されるわけだ。なるほど。

    その、刑事を嵌める仕掛けを完成させるために、フッカーは彼に逮捕され、”FBI”へ連行される必要がある。刑事が自由に捜査活動しているように思われ、またフッカーも意図的に彼に捕まるように行動しているとも思えない。しかしあっさりと捕まって連行されていく。このあたりが、映画上の演出というやつかな。つまり、映画の観客にバレない様になんかこう…組み立てている。急にわざと捕まったら意味がわからないし、だからって「刑事を嵌めるためにわざと捕まるんだ」なんて打ち合わせのシーンを入れると、最後の場面の緊張感がなくなってしまうわけだ。なるほど。

    フッカーを始末しようとする殺し屋が、フッカーを取り逃した後に何者かに射殺されるシーン。殺し屋はそもそも上納金を奪われた件の始末をするための、組織の殺し屋だろう。そいつの最後のセリフから、彼を襲った人物が何であったか後で判明するわけだけど…ここで殺す意味がぜんぜんわからなかった。これは何だろう。シーンを見返してみても、何だろうのままである。なるh…うーん。

    舞台は1936年、アメリカ。日本語字幕では丁寧に不景気のどん底とまで説明されている。このペテンに引っかかったのは、犯罪者をいびって小銭を稼ぐような警官、いかさまポーカーを好み、金融にも強いマフィアの親玉。この映画を観客が見ているのはもちろん1936年ではないにしても、指差して「ざまあwww」と煽るような楽しさがあったのかも。なるほど、水戸黄門的な?違うか。

    ポール・ニューマンって名前だけは聞いたことあるけど、初めてみたかも。調べたら「タワーリング・インフェルノ」に出ていた。なるほど。しかし自分が観たのは子供の頃で、俳優の顔まで覚えてない。

    なお、AmazonのレビューではDVDで購入した人の低評価が目立つ。結果として、映画の評判を見ようとして、DVDの使用についての愚痴を読まされることになる。Amazonは映画以外の商品でも、なんでこのレビューが同じ商品として扱われてまとめられているのか、謎なものが多い。古くからの手法ではありますが、ブログなんかにレビューを残したほうがよっぽど価値あるものとなっておりますのよ。なるほど。

    こっちのスティングじゃないというボケの出番が無かった。スティングなだけに、レビューの内容と刺し違えようとも載せるつもりだったのに。なんてなwww

    -32341点。

    なるほど。

  • どくしょかんそうぶん

    「沈黙の艦隊」を読んだ

    199X年、世界は核の炎に包まれた。

    名作、「北斗の拳」の冒頭。アニメのオンエアは1980年代前半で、「世紀末」という言葉が実にファッションだった。そういえば「聖飢魔Ⅱ」も人気でありました。ノストラダムスの大予言がどうこう、2000年問題を経て、20年。本日の我々は幸いにして核の炎に包まれてはいない。核兵器自体はそこいらじゅうにあるには、ある。

    本作は1996年に連載が終了している。現実世界の我々は、”現場”がニューヨークであったいわゆる911テロと、インターネット時代の到来を現実のものとして体験済み。本作を連載当時に読んだ人は、これらの出来事を体験するあたり、本作を想起するようなことがあっただろうか。例えばオサマ・ビン・ラディンや、うーん…ネオ麦茶とか?の報道を見て、主人公の海江田を想起するようなことが、あっただろうか。

    例えばどこぞのテロリストが、この作品に影響を受けたと言っても、なるほどなあと納得してしまうかもしれない。信頼できる立場を手に入れてから、正々堂々と頂いてとんずら。それだけは困るというものを人質にとって有利な交渉を始める。どれだけ恨みを買おうとも、全世界が敵に回ることはない。非道をなじるひとびとの、正義のルールには必ず綻びがある。

    主人公は大胆不敵で聡明な人物として描かれるが、選択した行動はテロリストそのもの。911みたいに運行中の航空機ハイジャックと本質的にかわらなくないか?モノが核武装可能な原子力潜水艦であるからして、所在不明=世界中が危機に瀕する、というような話で。作中では、緊迫感のある深海での潜水艦同士の戦闘のあと、政治的なやりとりの場面が多くを占めるようになる。現実世界で、「テロリズムには屈しない」「断固たる措置を取る」とどの為政者も宣言するが、それは武力で潰してしまえばいい、という戦術が(戦術?)通用するからの話である。本作のようにそれがひっくり返ってしまえば、どんな要求だろうと交渉のテーブルにつかざるを得ないということになる。世界を人質に取ってしまえば、何でも言える。パフォーマンスの機会まで得ることができる。現実味がある話じゃないか。サイヤ人がやってくる以上には、現実味がある。

    主人公の主張が明らかになるにつれ、大胆不敵から荒唐無稽に傾いていくかのように思えるが…。結局、暴力はとても雄弁だということになってしまうんだろうか。そこで。飛行機が突っ込んでくるとか、歩行者天国にダンプが突っ込んでナイフ持った男がとどめ刺しにくるとか、盗まれた戦車が市街地をGTAするとか、こういう事象とは違うのだ、ということを行動で示す。その行動とは…おそらく本作の主眼ではあるので、んまあ興味があるなら読んでいただければ。現実世界がこの作品の世界の実現もありえるかもなあ、という気がしてくるんではなかろうか。核原潜と人類の希望はありまぁす!

    なお、電子版でお買い求めの際はいわゆる「見開き」の表示が出来る環境で閲覧することを推奨します。自分は本作のほとんどをPCのKindleで読みました。iPhoneではちょっとどうかな…?