どくしょかんそうぶん
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「アリス」を観た
もちりんAmazonプライムにて。アリスと言ったらそりゃあalice in chainsというわけですが、本作はたまたま目にしたので視聴しました。alice in chainsについてはググりましょう。三本足はディスクユニオンで買いました。
そのスジでは高名な方が監督をされたという作品ですが、そもそもが「鏡の国のアリス」のストーリーを知らないのであって、何が出てきても「ほう」「ふむ」「むむ」という感想で過ぎていく。本作の主役の女の子は10歳に満たないぐらいに見える。「鏡の国のアリス」の主人公ってもっと大人というか、青春臭い年ごろのイメージがあった。そういやあの卵みたいな紳士出てこなかったなって思って調べたら、本作に登場してしかるべきキャラクターだったようなのだが。出てきたっけ?
「夢物語」という言葉そのものを体現した作品と思うのだけど、天国を否定するかのようなくすんだ色の不愉快さ、悪夢と言えるほどの狭い画面の気色悪さ。ものごとが滅茶苦茶だから楽しいという感じもあまりなくて、本作は「エクソシスト」のパロディだって言われても信じるね、俺は。信じません。
—-「子供たちが本物の夢を見ている間に、大人どもは悪夢を見る」
とあるミュージシャンは言いました。本物の夢とはこんなものなのでしょうか。でも、大人どもは悪夢を見るというのにには一点の疑いもない真実だと学びましたよね、みなさんも。もぅまぢむリ。首ちょんぎろ…。アリチェンとかマニックスとか言ってるおっさんが見る映画じゃねえよって思った貴方はナカーマ。
ところで、本作に続いて「片桐はいり4倍速」というのも視聴しかけたのですが、電車で見ながら寝落ち、見直す気にもならなかったのでここにそれだけ書いておしまい。こっちのほうがまぢ無理。
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「メタノール」を観た。
Amazonプライムにて視聴。ネタバレ。
密造酒で儲けようとした悪人を捕まえんとする刑事ドラマ。実際の事件をもとにしているとあるが、食品偽造でちょくちょく大騒ぎになる日本も他人事ではない。タカ&ユージみたいなチャラいお兄さんではなく、どっしりと東欧の警官の気風をまとったおっさん刑事の活躍だ。タカ&ユージなんて例えもまたおっさんだ。いやあ逮捕にこぎつけためでたしめでたし、なんて思っているとそこから面食らう、実に渋い作品となっている。東欧か!東欧だよ。チェコの作品であり、ちょっと何言ってるかわかんないので字幕たよりです。
事件の本質は密造酒であることよりも、その材料に大問題があって多数の死者まで出たというストーリー。恐ろしい話だ。この作品を観た日本人なら誰でも刑事のある疑問にグッとするだろう。「そんなに安いものが普通のわけないだろう。何で買うんだ?」安いからに決まっているのだが、誰だって安いものが嬉しいのはここ日本でも同じ。日本の法規的な事情はしらないけど、納品されたものが店頭に並ぶまで、毎日全部点検されているなんてあるわけないもんね。
昨今の日本の庶民は、「国産品=安心できる」なんて思い込みはナンセンスだと学んだかと思います。数々の事件がありましたし。それでも自分の住む社会と人々は、基本的には信頼に足ると思って生きておるわけで…。「安売りしている=どくいりきけんたべたらしぬで」だとも思っていない。でも、いつまでそうして暮らしていけるだろうか…。今日も中国産の乾燥ワカメを避けた。国産品は値段が倍で、中身は半分以下だ。これでお弁当屋さんの無料サービス味噌汁に国産のワカメ入っていると思えるだろうか。
自分はすっかり酒を引退し(引退というほど酒飲みではないけども)、それでも1000円以下程度で買えるズブロッカという酒を好んで、年に1,2本ぐらい買って飲む。度数が高いので氷らないため冷凍庫で保管。キンキンに冷えたのを割らずに頂くと、草の香りも強烈で実に良い。東欧産だけど、この作品を観た後では恐る恐るネットで確認してしまう。ポーランドか。セーフ!
セーフとか言ってられるでしょうかー。
なお、Amazonのレビューにも書いてあったので自分もググってみました。この手の密造酒事件は世界でも貧しいとされる地域で多く起きるようだ。事件を伝える報道を見ても、まあそうでしょうよと推測出来るような原因が挙げられている。
https://www.sankei.com/premium/news/190318/prm1903180005-n1.html
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「ソウル・パワー」を観た
ミソンバ!!
察しがついた人は同世代ですね。おこんばんわ。本作はとある音楽イベントに同行した、ドキュメンタリータッチの作品。ロードムービー的な?Amazonプライムの紹介文によると、こんな概要だ。
モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世紀の一戦 “キンシャサの奇跡” を前に開催された世界最強のブラック・ミュージックの祭典「ザイール’74」。
この音楽イベントよりも先に、ボクシングのほうに興味が向いてしまうが…さておいて。全体の半分ぐらいがライブシーン。ステージ上だけではなく、時に街中の雑踏など。70年代画質もあって、とにかくその熱気の伝わり方が半端ない。この熱気、これがいわゆる「時代の空気」と呼ばれるものなんだろう。その日その時、音楽の鳴っている間だけだったかもしれなくとも、この空気が時代であり歴史なんだと、誇らしく振り返ることが出来れば—-。また、モハメド・アリが公然と黒人への差別について苛烈な言葉で不満を述べるシーンも収められている。これも時代であり、歴史なんだろうな。
ちなみに本作は、この当時の音楽が好きな人にはなかなか貴重な映像であるらしい。
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“週刊新潮”を読んだ
「タイに行ったぼちぼち有名らしいお笑い芸人がセックス業務の現地女性と仲良く写真を撮っていた!」これは令和を揺るがす大事件。以下例示も諦めるほど芸能人のドラマがどうの、という話が続き、こまかな特集ページがある。葛飾北斎について、特に目新しさはないエピソード。この夏いきたいお城がどうの。ふ~ん。
稲川淳二の肩書が「怪談家」となっていた、デビュー時以来で平野啓一郎氏の近影を見た、童謡赤とんぼの歌詞は「追われてみたのは」ではなく、「負われてみたのは」だった。このあたりがクライマックス。
こういうの、病院か理容室の待合ぐらいでしか見たことないなーって思ったけど、なんならそれに特化している造りなのではないか。エッセイの類も特集も短く簡潔になっていて、長時間読み続けるようなものではない。写真と何かコメント。見開き2ページぐらいでざくざくと消化されていく。「次へ、はい次へ」って。それなりに取材に行ったりもしているようだ。連載されているエッセイなども多い。壇蜜はブログもあんなみっちり書いて、まだ週刊誌でエッセイも書くのか。すごいな。こういう造りの雑誌、製造コストは高いんだろうか、安いんだろうか…8月15・22日夏季特大号は440円。たまにはこういうのも買ってみるかー?という思いつきには十分こたえてくれるお値段と中身。でも毎週は要らねえよな…。バイト先が新宿にあった若かりし頃、路肩で100円で売っているこんな雑誌や漫画などちょくちょく買ったものだ。今にして思うとあのお金は何処へ行ったのだろうか。週刊新潮あたり取材しねえかな。
「ちょいと、ちょいと!そこん道端で本を売ってる若旦那!」「おや、こ↑んつわぁ」「まーたやってるよ。はいはい、こんつわってね。黙って並べた表紙眺めてても退屈でございやしょ?どうです、たまにはちょいとこっちの話にも混ざりやせんか」「でも、わたくしなんぞが混ざっては、あしゅうがすから」
週刊志ん朝。
3点。
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めしにしましょう!が終わった。
新刊届いた~ってamazonの箱を開けたら、帯に完結とか書いてあってビビった。えええええええ。なんだよ大好きな作品だったんだけどね。ウシジマくんも終わってしまったし…。そんな残念がっても詮方ないのですが、それにしても惜しい。
この漫画に登場したメニューの中には、「やろうとすれば出来るな…ってやらねーわw」というものがあった。…全編ほぼそれだった気もするけど…そもそも”やろうとすれば”という条件が真になる理由はなぜか。それは勿論、我々のこの暮らしの豊かさよ。圧倒的である…。ああいう料理をやってみようというのも、真似してみようなんていうのも、これは現代東京に住むゆえの発想なんだろうか?冷静に考え直してみれば、食材にしろ調理機材にしろ、今は全部ネットで買えるのかもしれない。だから世界が羨むという東京のお台所事情は、あんまり関係ないような気がする。それにしたって日々飢えていれば、「風呂にお湯張って豚肉低温調理しよう」なんておもわねーよ。欲望、まさに欲望!トウキオには食えるエサしか置いてない!
電気ガス水道。ここ東京の世界有数の生活インフラのエナジーを料理にぶっこんでいく、無尽蔵なればこそ。欲望に文明をプロットし、天の恵みをオーバーキル。
Because it’s there.
そこにめしがあるから。良かったですね。良かったです。