「ギルティ」を観た
ネタバレの可能性があります。ネタバレの可能性があります。ネタバーレ de lucia
デンマークの作品で、原題は「Den skyldige」google先生によれば、この原題の意味は英語で言うギルティと同じようだ。米国リメイクがあるらしいですが、オリジナルのほうをAmazonプライムで視聴。
あらすじで語られたイメージほど音を頼りに何かをしたという事は無く、スーパーテクノロジーの登場!とか、犯人との駆け引きとか出てこない。出しゃばりな主人公が勝手にコケたと受け取れる類のパターン。同じ設定と筋書きの映画を過去に観たことがあるとは思えませんが、でも斬新という感想には至らず、そこが不思議。音声だけの情報が伝わってくるという状況自体は、我々の日常でもままある事だから、だろうか。どんでん返しだって、実に普通にオーソドックスにどんでんが返っている。驚くというよりは腑に落ちる感じの帰結。
作品の舞台設定により、同じ部屋にいる人物以外は姿かたちがわからない。不自然なBGMも無い。このまま最後まで走りきるのがとても良い。そしてなんだろう、俺は本作のような穏やかなバッドエンドが好きなのかもな?🤔情緒に寄せすぎて脱輪した溝にきっかりハマるのだ。何をいっているんだ。
「誰も助けてくれないから俺が救う」という心意気が空回りする様を、昨今ではSNSなんかでも目にします。…なんて書いてたらデカイ地震が来ましたが…んで。その職務や、人間として抱えた良心に従い行動したところ、残念な結果に終わることはあります。例えば大きな災害でSNSで助けを求める声を見つけることがありますが、我々個人がどう対応することが、本当に人助けに繋がるんでしょうね。「家族が行方不明です!!情報ください!!」と訴えているのはストーカーかもしれません。本作の主人公は、目の前の人助けに熱中するあまり、他人からの救助要請を勤務中に無下にしています。そうまでして助けようと取り組んだ事件の”犯人”からは「誰に助けを求めてもムダだった」という重々しい訴えがなされます。
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045
ところで、最初のコンタクトがあった時「一緒に居るのは知り合いか?」という問いには答えが無かった。少なくとも、日本語字幕には何もない。しかし何か音声は入っているように思える。この答えが物語のすべての方向を決めかねないのだが、これは作品の演出なのだろうか。もしデンマーク語を解する人ならその回答内容を判別できたというのなら、またちょっと物語が変わってくる。物語のニュアンス?印象?何といえばいいのだろうな。もっとも、この違和感は最後まで観終わったからこそ覚えるものかもしれない。