どくしょかんそうぶん

「人間仮免中」と「人間仮免中つづき」を読んだ

それは大変な苦労をされましたね、という…自伝的内容なんだけど、これは例えば遠い戦地に生まれ育った人の話を耳にするようで、さすがに現実味が無かった。さらには、それを補う想像も追いつかない。想像の助けとなる体験がない。少なくとも実体験はねえだろ普通。

ところが、また逆に新鮮な印象も持たなかった。想像も追いつかないなんて言いながら、一方で不思議と馴染んでいる。メンタルがおかしくなって異常な行動をする人ってこうだよね、と把握している。こういう漫画作品もあるよね~~って。これはレッテルなのか、はたまた正しい知識によるものなのか?本書の冒頭、著者が(将来の)夫に交際を申し込む場面が描かれる。客が裸になってケツに落書きして盛り上がっている飲食店…???その後も、電話一本で白タクが来る。はぁ?まんKに入れ墨。はぁ?舞台で首を切って自殺を試みる。はぁ?夫に包丁で斬りかかる。はぁ?拝読した一個一個のエピソードは覚えているのに、感想をどう述べたらいいのか言葉がでねーわ。おとぎ話のような、園児の絵日記のような他愛なさを覚えた、と、ともに、現実の現代日本のお話なんだよなと改めて思いなおし、ドン引きビキビキ。遠くにいる。どうかこのまま、自分の人生には遠い世界であってほしい。

エクストリームな他人の人生を伺い知ることは、とても好奇心をそそられる事の一つだと思う。それがネガティブなほうへ寄っていると面白い!と称えるのは憚られるもんだ。けど、本書は作者の意向もあるのだろう、どうにか面白くなるような設えを目指して作ってある。でも、読み終えて冷静に考えてみると、確かな恐怖も覚えたのであります。

決して害をなす作品ではないので、「私の好奇心は53万です」というひとには、おすすめできます。:;(∩´﹏`∩);:

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