こんな足でも歩けない筈はない
住み慣れた待ちの夜景をぼんやりと…眺めて信号待ちをしている間に「おおそうだ薬局で歯ブラシを買って帰ろう」と思いつく。ついでにそうだ、果物屋さんでスイカでも買えないかなと楽しく想像する。青信号をウキウキと直進、が、果物屋は休みであった。そしたら歯ブラシを買うのも忘れてしまい、予定になかったがスーパーで食料品を買って帰る。
随分と古くさい地下のスーパーは店員もなにか後ろめたい感じで、威勢の良い感じはあまりない。ああこの感じはあれだ、つげ作品の世界だ。にしてもこのお店、以前はもう少々活気があったものだが。閉店にでもなってしまうのだろうか。
スーパーから外へでる、階段を昇る、靴に穴を発見。
こちらは活況極まるAmazonさんで、靴を購入。一度買った靴なのでサイズの心配がない。楽過ぎる。穴の開いた靴ではみっともないと誠実に買い替えを決意するも、いざ買うとなればこのテキトーっぷり。風呂上りに麦茶飲んで下着姿で歯ブラシ咥えながらに「注文を確定する」ボタンをポチッと。
楽ちんで思い出す靴が一足。ひところ、980円のデッキシューズを愛用していた。あれが今まで履いた靴で、なんというか足に一番合っていた。形、重さ、靴底の硬さ、実際に歩いた心地、シンプルな見た目、お値段。また欲しいのだが、ネットで探したものと自分の記憶を寄り合わせると、同じものは現存しないようである。確か、「東京靴流通センター」の店頭ワゴンで投げ売りされていたのだった。当時は一日中その靴を履いて動き回るバイトを週に何日かしていたのだが、一年とちょっとはそのデッキシューズ一足だけで済んだ。お値段考えれば思ったよりも断然丈夫であった。ま一年でダメになる靴、世間的には良い品とは言われなそうではあるが…ん萬円の靴よりもいろいろ試してみたいよな、などと当時を振り返り、まー今も変わってはおりませんね。