どくしょかんそうぶん

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    「家電批評」を読んだ。

    Amazonプライム枠で置いてありましたので、読んでみました。

    生鮮食品以外の買い物はネットが中心、お仕事はテレワークが出来て、テレビも新聞も何十年も触れてない独り身となれば、世の中に知らない商品が溢れていることに驚くばかり…と書き始めたいところ、SNSやらYoutubeでいくらでも目にするのでした。「令和最新版!」とかいう怪しい商品広告ではなく、実際に使っている様子とかが見れる。それにしたって”案件”という事もある時世ではありますが、ステマが法で禁止されたので真っ当に営業しているところは真っ当に情報を出してきます。

    正直に言うと、上記の流れもあって知らない商品というものは殆どありませんでした。個々の商品を全部把握しているなんて意味ではなくて、衣類のしわ伸ばしスチーマーだとか、ロボット掃除機だとか、食器洗浄機だとか…商品カテゴリって表現すれば良いんですかね。こんな事が出来るんだ~って商品も見つけましたが、想像の範疇という感じ。例えば米と水を入れるのも自動でやってくれる炊飯器とか。そのぐらいの技術は存在するだろう。便利かな?でも無洗米限定だってよwwwそりゃそうか🤣🤣

    そういうわけで、ざっくりと2冊ほど眺めても「ふ~ん」ぐらいの感想で完走してしまった。本書は批評と銘打っているだけあって、プロがちゃんと試してあれこれ意見を述べているらしい。でも新商品が主だろうから、使い込むほどの時間はないだろうし…ちょっとした参考程度にしかなり得ないかなあ。そのちょっとした情報が買うものを決める後押しになるというのは、経験もあるところだし、理解できます。それにしたってもっと多方面の情報ソースをあたりたいのこころ、これ現代人の製品仕様よ。あまたのソースの一つと考えれば、とても有用な書籍で御座いました。

    そうだよな、実際に買いたいものがねえのに眺めてんだからこっちは。じっくり読み込むこともなかったんです。しかし一つだけ、目に留まったのが電気圧力鍋でした。詳細までは読んでないが、うっかり煮物を放置しても焦げないのかも?とか思いました。でも、メンテ面倒そうだとぱっと見で判断して次のページへ進んでしまいましたとさ。

    自分はいまだにロボット掃除機も食器洗浄機もドラム型洗濯機も使ったことがない。そういうものが必要になる暮らしというのが、庶民の目指すところなんでしょうか。(´・ω・`)善処します…

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    「教養の世界史」を読んだ

    本書の正式タイトルは「ビジュアル版 経済・戦争・宗教から見る教養の世界史」となる模様。高校の頃の世界史の授業を思い起こす一冊で、内容は歴史の教科書だと思ってもらえれば相違ない。なかなか充実しており読みごたえはある。自分はダラダラと流し読み程度で済ませてしまったけど、本書をしっかり読み込めばそこそこ勉強になるんじゃないか。

    世界の歴史ねえ。

    テストの対策という観点に立つと、人名とか年代とか地名を延々と暗記するという勉強が好きになれない人も多いと思う。それは確かに面白くないのだが、お気に入りのバンドのメンバーの名前のように興味を持てばそれぐらいは覚えることができる。ところが興味を持つ、という所のハードルが高いのは、もしかしたら教育一般に言える事なのかもしれない。例えば自分が高校生の頃、三角関数とか微分とか学習した記憶も無いが、履修したことにはなっているのだろう。センター試験の数学も受験した筈なんだけど何も覚えておらんねHAHAHA。

    ここで言う「世界史」とは地球の歴史であり、人類の歴史。物語。ドキュメンタリー。当時実際に存在したであろう人に、当時実際に覚えたであろう不安、興奮、悲しみというものを語らせる事ができれば、興味を持ちやすい。ここは漫画の出番か。これは興味を持たせるにはとても良い方法だと思う。学術的に見たら少々正確さに欠けたりするのかも知れないけど…ええやんけ細かいところは過去の事だし。本質的な細かいところには、それなりのアプローチの仕方があるのが学問てもんじゃないか。世界の歴史のとっかかりに漫画を用いることですんなり導入が進むんなら、とても良い事だ。歴史に限らず、動画サイトであの首人形が紙芝居しているものが人気になったりするのも、なんかこう、ざっくりとした理解が早いが良いのかね。

    本書は漫画ではないがビジュアル版と言うだけあって、図解・資料画像がたくさんある。とはいえ、既存の教科書の域を脱すほどではなく、まさにイメージ通りの「世界史の教科書」という感じだ(※個人の感想です)だから、自分が学習していた頃のイメージもそのまま蘇ってきたのでありますぞ。「ある出来事の筋書きは面白いけど、人の名前や国の名前がドガガガガガって沢山出てきてついていけねえ」これな~。

    「カノッサの屈辱」って有名なフレーズだと思う。教会の権威が高まり、皇帝が教会と揉めて破門されたら、臣下が手のひら返してきた。しゃーないので、教皇に許してもらうために皇帝が修道士の身なりで三日間屋外に立ち尽くした。これは興味深いエピソードだ。現代ではあり得んな、とか、自分がさせられたらたまったもんじゃねえな、とか、俺が偉くなったらあの上司にやらせたるわクソが!!とか想像するのも楽しい。漫画映えもするだろう。世界史の、人類史の名場面ってところだ。

    この教会とは何か、なんでそんな権力があるのか、という設定に関する疑問、興味が歴史を学ぶ上で肝要だと思うんだよね。この二人の名前なんてどうでも良い。どうせこのエピソードだけの一発屋だ。年代も大体でいい。●●よりは古い話、だけど●●よりは後の話、ぐらいの理解で問題ない。この●●との相関関係を把握すると、どんどん視野が広がっていって、こういう人々の物語こそが歴史のうんぬんかんぬん。しかし実際は「効率的なテスト対策」ぐらいにしかならないのかも。「興味を持つ」なんて簡単に言うけど、持ったところでちょっと調べてふーんで完了してしまうもんなのだ。現代なら先にあげたような動画を眺めてゆっくりする程度。ただ、それでも一般人の教養としては十分だと思う。有用だと思うんだぜ。

    イメージで捉えていく。文章や資料から、きっとこうだったんだろうなあという風景が頭に浮かぶ。その風景の中、旅をする自分自身の姿が見える…。これができると世界史の勉強も楽しいと思う。自分が登場する世界のディテールを補完するために、例えばゴシック様式の特徴だとか、農民の暮らしの細かいエピソードとかでパッチをあてていく。さながらこのパッチのスターターパックが漫画形式の表現ということになるだろうか。

    俺は一体何を言ってんだと自分でも思うけど…。こんなファンタジーを持ち出さないと馴染めないような学習科目だってことはないよ。でも、子どもの頃の勉強なんて面白いわけねえし、無理やりにでもひねり出したような工夫の一環ということにしてくれ。円周率を3とか言いだすより遥かに遥かにマシなアイデアだということしてくれや。

    現代。

    今の我々の暮らしは、少なくとも視覚で捉える情報はそのまま後世に伝わっていく。ほぼ確実に動画というフォーマットで音声も共に残っていくだろう。将来の歴史の勉強はどうだろう。面白いだろうか。とんでもないfake動画が教材になったりするんだろうか。何故fake動画が作られ、残っているのか?これを1万年後に推測できるというのが、歴史のお勉強なのかも。しかしその一方で何も残ってない可能性だってあるのか。デジタルデータは全喪失しうるもんなあ。全喪失に備えて、石板でも用意するかあ?

    ここで個人の思い出のお時間です。

    自分が学生時分に世界史の勉強として苦手だったのが、中近東からアジアにかけての歴史。ローマ帝国以降、あまり印象が無いくせに名前がちょこちょこ変わる。ちゃんと学んだ人にはあり得ないんだろうけど、アケメネス朝とかササン朝とかアイユーブ朝とかマムルーク朝とか混沌としていてわからん。ティムール帝国とムガール帝国ってインド?とかほんと覚えてない。十字軍の頃はなんだっけ?モンゴルの勢力はシナイ半島まですっぽり征服したんだよな?んで気づいたらオスマン帝国がWW1に参戦してる。あれ?その時はトルコか?

    芸術関連も覚えるの苦手、というかちゃんと覚えるのは諦めていた。とくに文学作品と著者。絵画や音楽と違ってなにも現物のイメージが無いから、きっかけすらない。近代になれば読んだことある文学作品だって登場するんだろうけど、唐の詩人とか知らねえって。一万年後にはどうなっているんだろう。自分が生まれてから45年ほどの歴史が、どのぐらい圧縮されて残っていくんだろう。911も東日本大震災も、年表に残らない程度の事件になっているのかね。

    なお、歴史・文化関連はこういう気合の入った手作りサイトもまだまだ有用。

    世界史の窓 (y-history.net)

  • どくしょかんそうぶん

    「私はあなたのニグロではない」を観た

    マルコムXやキング牧師と共にアメリカにおける黒人の権利問題で活動した作家、ジェイムズ・ボールドウィンの発言や著作をもとに構成されたドキュメンタリー。作中にも本人の当時の映像がふんだんに使われているが、既に故人であり、ナレーションは俳優のサミュエルジャクソンが担当している。

    ざっくりと言って、問題はアメリカ国民にあるという訴えだ。「そりゃそうだろ」で話が終わってしまう。終わって良いんじゃない?

    以上です。

    えーと。

    実際のところ、黒人の公民権運動については、KKKのいで立ちだとか、暴動の動画ぐらいが正直なイメージだ。テキストには淡々と時系列ぐらいしか書いてないが、I have a dreamの演説だけで一瞬で世の中が変わったなんて事はないのだろう。実際には揉みくちゃになりながら現在地まで進んできたと想像する。そういう道のりの途中、当時のアメリカの揉みくちゃ具合が少々伺い知れるのではないかなと思う。

    当時、一部の人々だけが異常に黒人にヘイトを向けていたのではなかったと思う。社会の制度が平等を拒んでいたという認識だ。黒人用のバスだとか、具体的に差別をしていたと認識している。このあたりはwikipediaをつっつけば幾らでも情報が出てきそうだ。本作ではボリュームは大きくないかもしれないが、当時実際に白人たちと並んでテレビで議論している様子が見れるのが新鮮だと思う。少なくとも自分について言えば、この「ジェイムズ・ボールドウィン」という人物の名前も聞いたことが無かった。

    本作も観た後でも、あなたの抱いているイメージや歴史観は特に変わらないと思う。歴史教科書のスピンオフだと思ってぼんやり眺めるぐらいで良いのかもしれない。知らんよりは知っていたほうがお得感あるよね~。

    そりゃそうだろ。

  • どくしょかんそうぶん

    「狂った一頁」を観た。

    「くるったいちぺーじ」で良いんだろうか?「くるったいっこう」でもないだろうし。どんだけ~。

    「まさか●●●がamazonプライムで観れるとは!」とか「期間限定Youtubeで公式配信!」みたいな情報は一通り追っかけてみる性質であります。本作もそうして情報を拾ってAmazonプライムビデオで観劇。

    結果、なんだかよくわからない。台詞どころか音楽以外の音声もなく、字幕もない。メンタルに問題のある人が集まる施設で騒動があった、というところはわかった。誰かを脱出させようとしたようだ。一等賞おおあたりヨカタネ~。

    60分少々だから最後まで見てみるか、と我慢して9割ぐらいは見たと思う。他にこんな作品見たことはない、という所は確かだった。人生のどこかで観たことあると言ってみたい人はどうぞ。俺のことか。

  • どくしょかんそうぶん

    「ギルティ」を観た

    ネタバレの可能性があります。ネタバレの可能性があります。ネタバーレ de lucia

    デンマークの作品で、原題は「Den skyldige」google先生によれば、この原題の意味は英語で言うギルティと同じようだ。米国リメイクがあるらしいですが、オリジナルのほうをAmazonプライムで視聴。

    あらすじで語られたイメージほど音を頼りに何かをしたという事は無く、スーパーテクノロジーの登場!とか、犯人との駆け引きとか出てこない。出しゃばりな主人公が勝手にコケたと受け取れる類のパターン。同じ設定と筋書きの映画を過去に観たことがあるとは思えませんが、でも斬新という感想には至らず、そこが不思議。音声だけの情報が伝わってくるという状況自体は、我々の日常でもままある事だから、だろうか。どんでん返しだって、実に普通にオーソドックスにどんでんが返っている。驚くというよりは腑に落ちる感じの帰結。

    作品の舞台設定により、同じ部屋にいる人物以外は姿かたちがわからない。不自然なBGMも無い。このまま最後まで走りきるのがとても良い。そしてなんだろう、俺は本作のような穏やかなバッドエンドが好きなのかもな?🤔情緒に寄せすぎて脱輪した溝にきっかりハマるのだ。何をいっているんだ。

    「誰も助けてくれないから俺が救う」という心意気が空回りする様を、昨今ではSNSなんかでも目にします。…なんて書いてたらデカイ地震が来ましたが…んで。その職務や、人間として抱えた良心に従い行動したところ、残念な結果に終わることはあります。例えば大きな災害でSNSで助けを求める声を見つけることがありますが、我々個人がどう対応することが、本当に人助けに繋がるんでしょうね。「家族が行方不明です!!情報ください!!」と訴えているのはストーカーかもしれません。本作の主人公は、目の前の人助けに熱中するあまり、他人からの救助要請を勤務中に無下にしています。そうまでして助けようと取り組んだ事件の”犯人”からは「誰に助けを求めてもムダだった」という重々しい訴えがなされます。

    第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

    https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045

    ところで、最初のコンタクトがあった時「一緒に居るのは知り合いか?」という問いには答えが無かった。少なくとも、日本語字幕には何もない。しかし何か音声は入っているように思える。この答えが物語のすべての方向を決めかねないのだが、これは作品の演出なのだろうか。もしデンマーク語を解する人ならその回答内容を判別できたというのなら、またちょっと物語が変わってくる。物語のニュアンス?印象?何といえばいいのだろうな。もっとも、この違和感は最後まで観終わったからこそ覚えるものかもしれない。