どくしょかんそうぶん

  • どくしょかんそうぶん

    「私はあなたのニグロではない」を観た

    マルコムXやキング牧師と共にアメリカにおける黒人の権利問題で活動した作家、ジェイムズ・ボールドウィンの発言や著作をもとに構成されたドキュメンタリー。作中にも本人の当時の映像がふんだんに使われているが、既に故人であり、ナレーションは俳優のサミュエルジャクソンが担当している。

    ざっくりと言って、問題はアメリカ国民にあるという訴えだ。「そりゃそうだろ」で話が終わってしまう。終わって良いんじゃない?

    以上です。

    えーと。

    実際のところ、黒人の公民権運動については、KKKのいで立ちだとか、暴動の動画ぐらいが正直なイメージだ。テキストには淡々と時系列ぐらいしか書いてないが、I have a dreamの演説だけで一瞬で世の中が変わったなんて事はないのだろう。実際には揉みくちゃになりながら現在地まで進んできたと想像する。そういう道のりの途中、当時のアメリカの揉みくちゃ具合が少々伺い知れるのではないかなと思う。

    当時、一部の人々だけが異常に黒人にヘイトを向けていたのではなかったと思う。社会の制度が平等を拒んでいたという認識だ。黒人用のバスだとか、具体的に差別をしていたと認識している。このあたりはwikipediaをつっつけば幾らでも情報が出てきそうだ。本作ではボリュームは大きくないかもしれないが、当時実際に白人たちと並んでテレビで議論している様子が見れるのが新鮮だと思う。少なくとも自分について言えば、この「ジェイムズ・ボールドウィン」という人物の名前も聞いたことが無かった。

    本作も観た後でも、あなたの抱いているイメージや歴史観は特に変わらないと思う。歴史教科書のスピンオフだと思ってぼんやり眺めるぐらいで良いのかもしれない。知らんよりは知っていたほうがお得感あるよね~。

    そりゃそうだろ。

  • どくしょかんそうぶん

    「狂った一頁」を観た。

    「くるったいちぺーじ」で良いんだろうか?「くるったいっこう」でもないだろうし。どんだけ~。

    「まさか●●●がamazonプライムで観れるとは!」とか「期間限定Youtubeで公式配信!」みたいな情報は一通り追っかけてみる性質であります。本作もそうして情報を拾ってAmazonプライムビデオで観劇。

    結果、なんだかよくわからない。台詞どころか音楽以外の音声もなく、字幕もない。メンタルに問題のある人が集まる施設で騒動があった、というところはわかった。誰かを脱出させようとしたようだ。一等賞おおあたりヨカタネ~。

    60分少々だから最後まで見てみるか、と我慢して9割ぐらいは見たと思う。他にこんな作品見たことはない、という所は確かだった。人生のどこかで観たことあると言ってみたい人はどうぞ。俺のことか。

  • どくしょかんそうぶん

    「ギルティ」を観た

    ネタバレの可能性があります。ネタバレの可能性があります。ネタバーレ de lucia

    デンマークの作品で、原題は「Den skyldige」google先生によれば、この原題の意味は英語で言うギルティと同じようだ。米国リメイクがあるらしいですが、オリジナルのほうをAmazonプライムで視聴。

    あらすじで語られたイメージほど音を頼りに何かをしたという事は無く、スーパーテクノロジーの登場!とか、犯人との駆け引きとか出てこない。出しゃばりな主人公が勝手にコケたと受け取れる類のパターン。同じ設定と筋書きの映画を過去に観たことがあるとは思えませんが、でも斬新という感想には至らず、そこが不思議。音声だけの情報が伝わってくるという状況自体は、我々の日常でもままある事だから、だろうか。どんでん返しだって、実に普通にオーソドックスにどんでんが返っている。驚くというよりは腑に落ちる感じの帰結。

    作品の舞台設定により、同じ部屋にいる人物以外は姿かたちがわからない。不自然なBGMも無い。このまま最後まで走りきるのがとても良い。そしてなんだろう、俺は本作のような穏やかなバッドエンドが好きなのかもな?🤔情緒に寄せすぎて脱輪した溝にきっかりハマるのだ。何をいっているんだ。

    「誰も助けてくれないから俺が救う」という心意気が空回りする様を、昨今ではSNSなんかでも目にします。…なんて書いてたらデカイ地震が来ましたが…んで。その職務や、人間として抱えた良心に従い行動したところ、残念な結果に終わることはあります。例えば大きな災害でSNSで助けを求める声を見つけることがありますが、我々個人がどう対応することが、本当に人助けに繋がるんでしょうね。「家族が行方不明です!!情報ください!!」と訴えているのはストーカーかもしれません。本作の主人公は、目の前の人助けに熱中するあまり、他人からの救助要請を勤務中に無下にしています。そうまでして助けようと取り組んだ事件の”犯人”からは「誰に助けを求めてもムダだった」という重々しい訴えがなされます。

    第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

    https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045

    ところで、最初のコンタクトがあった時「一緒に居るのは知り合いか?」という問いには答えが無かった。少なくとも、日本語字幕には何もない。しかし何か音声は入っているように思える。この答えが物語のすべての方向を決めかねないのだが、これは作品の演出なのだろうか。もしデンマーク語を解する人ならその回答内容を判別できたというのなら、またちょっと物語が変わってくる。物語のニュアンス?印象?何といえばいいのだろうな。もっとも、この違和感は最後まで観終わったからこそ覚えるものかもしれない。

  • どくしょかんそうぶん

    「エクソシスト・シャーク」を観た。

    全国380万柱のクソ映画ファンのみなさん明けましておめでとうございます。

    本作はとあるコメディアンの動画企画で触れられていたもので、本当にAmazonプライムビデオにあったので観てみることにしました。この動画を全部視聴すると本作のネタバレになりますし、また本エントリはこの動画のネタバレではありますが、そんなん気にするほどの作品ではない筈だと思います。

    んで感想。

    なんというか、ちゃんと映像作品を作ろうという気骨を感じます。専門知識はないのでどの辺に気骨が、って言われても困るんですけど、他の酷い作品と比較してしまうからでしょうか。デビルマンとか?すると本作はデビルシャークという名前でかつて公開されていたという情報も得ました。こいつは世紀末だ。デッビーーールシャーーーーク!!!

    要するに、悪魔がサメに取り憑いたという話だと理解しましたが、それで繋がりがあるのかねえのか意味不明な映像がどころどころ差し込まれたりして、制作の都合でその場しのぎでなんとかしたのではないか?みたいな印象も…。「準備してた●●がダメになったから、ゲロ吐かせよう」みたいな指示が出たとか想像してしまう。

    遊園地からの悪魔との対決シーンは流石にへんな笑いが出てしまう。十字架が小さすぎるってなんだよ。首絞めたらすげえ簡単に手首の拘束とれたしwwwこんな感じでクソ映画の評判通りではありました。全般的には面白く笑える場面も少ないです。でも裏事情を想像で楽しむ余地があるといいますか。

    なお、エンディング関連のようわからんアレコレは、人々の中にもああいうものを渇望するようなイカレポンチがいたり、無邪気に称えることがあるという恐怖感を言いたかったんじゃないかと思います。ただ、その手前の盗撮の部分はガチで全く分からない。お色気サービスカットのつもりか?

    映画の制作予算を誇らしげに広告するようなことあるよね。制作費NN億円!みたいな。はたして出来上がった作品がその制作費に見合っているのかどうかは、分からない。ビルごと吹き飛ばしました、とかに金がかかるというのは誰にでもわかる事だけど、冷静に考えたらそれがどうしたって言う事もできる。だから、たまにやっすい映画が大成功を収めると喝采を浴びる。湯水のように金を使う事が出来たが安く済ませたなんてこと対してではなく、限られた時間設備スタッフでなし得た魔法に感嘆の声をあげる。本作には魔法はなかった。じゃあ予算を付けてはどうだろうかと考えてみても、どっかおかしなことになりそうだ。予算でどこを改善したらいいのか、分からなそうじゃないか?例えば「本当にサメに食われたように見せよう!」であっても、「エクソシストのパロディ色を強めよう」でも、コレジャナイって感じが強い。

    そういえば自分は、かの「ジョーズ」を見た事あるんだろうか。バックトゥザフューチャーの時も思ったけど、名シーンだとかパロディとかのつぎはぎばかりを幾つも観て、本編も大体みたような気分になっていると思う。…ほら、考えてもあらすじが出てこない。本作の記憶を消すためにジョーズを観ましょう。

  • どくしょかんそうぶん

    「ルポ歌舞伎町」を読んだ。

    なんだか宿泊施設の名前みたいなタイトルだ。試しにアパ歌舞伎町でググってみると、アパホテルは歌舞伎町に数店舗実在した。

    歌舞伎町。

    ブレードランナー。龍が如く。あの火事。酔っぱらい。脱法行為。暴力。「笑っていいいとも!」やっていた、あのアルタの裏のほう。西武新宿線を使う人の通り道。トー横。ゲロ。これまでの所、この街に足しげく通う事もなく暮らしている。西武線乗り換え以外にも、訪れたことは数回あるかなあ。本書にも出てくるヤXザマンションを見に行ったりした。(見つけられなかった)夜に遊びに行ったことはないけど、通り抜けたことは2,3回ぐらい?

    普通に人通りの多い道を歩く分には、1人でも命の危険なんかはないだろうけど、なんかしらめんどうくせえトラブルが向こうからやってくる街という印象。シンプルに言えば治安が悪い。命の危険まではなくても、ちょっとした面倒ごとというだけで普通は嫌なもんだろう。避けるよ。こちとら歩いてるだけだってんだ。そういうわけで足を運ぶことはまず無い。…治安云々以前にそもそもなんの用事もない。

    著者は過去に路上生活などを実体験した書籍を出版しており、今回は歌舞伎町に住まいを移し、街の様子を…ううん…。勿論、自らの足で稼いだ情報ではあるんだろうけど、結局は事情通や当事者とのつながりで拾ったエピソードが殆どを占めた。そこは歌舞伎町ってわけで興味を惹くし読み応えあるんだけども、わざわざ住まいを現地に移したという情報を添付する物語ではなかったようにも読めた。もちろん、本書に掲載されているのは、縁も所縁もないところからテキトーに取材を申し込んで得られるような話ではない。そんなテキトーな経緯でポロポロ漏れてくるのもまた恐ろしいけども…SNSでサクッとひろえたりも…。

    実際は「住んでこそ」得られるようなエピソードも、てんこ盛りだったんじゃないか?と想像する。しかしながら、そぉゆぅのは諸般の事情で本書に細かく書けないし、言えないという結論に至ったんじゃないか😢

    そらそうだ!!!あの!!!歌舞伎町やで!!!行方不明の人間はみなここに集まり、亡骸になって出荷される。あのゴジラのはりぼてだって本物で、なんなら背びれの光だって本物のチェレンコフ光だ。歌舞伎町のネオンは総務省ご推薦夢の原子力エネルギー謹製!!いつか行方不明になった放射性物質は全てここ、歌舞伎町にあるっ!!

    そんな荒唐無稽な都市伝説(上記の事例は全部うそです)も、ちょっと背びれ尾びれを取ったら真実なんじゃないか、そう思わせるだけの不気味さが”まだ”あると思う。山ほど出てくる怪情報が齎らす有耶無耶判別不能のカオスが顔をのぞかせている…。

    らしい。

    今ではライブカメラが何個も置いてあるし、みなさまのお手元にもライブカメラ機能がございますれば、一番外側の化けの皮だけが剥がれて「ただ変な人が多いだけ」みたいな扱いになるのかね。

    リンク先は過去に大きな事件のあった場所の交差点を映すライブカメラ。街の様子よりチャット欄がとかルポるんじゃないぞ。住民にご迷惑でございますから。ヲホホ。

    https://www.youtube.com/watch?v=EHkMjfMw7oU