どくしょかんそうぶん,  ふでのゆくまま

「たけくらべ」と「舞姫」読んだが

樋口一葉の「たけくらべ」が青空文庫にあった。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000064/files/389_15297.html

冒頭に目を通してみたが、こんな古文調?の文章だとは思ってなかったので面食らう。平家物語じゃねえんだからさ。なんかおかしいなと思って、読む前にいろいろ調べてみる。まず、太宰治とか芥川龍之介あたりと同じ、あの辺の時代の人だろうと思っていたが、実際は作品の発表時期が30~40年ぐらいずれている。芥川龍之介の「あばばばば」が1923年の作品だそうだ。また太宰治の「走れメロス」が1940年。いっぽうこの「たけくらべ」は1895年ですって。このたけくらべ、ぱっと見で採用されている単語がまるで芥川、太宰とまるで違うじゃないですか。自分の見識では「一緒の時代」で括ってよい程度の差なのか判断に迷うが、これだけ”文字”が違ったら別もんでよくない。

たけくらべだけvsその他全部でくらべてもしかたないので調べるのはこの辺で一旦たなあげ。たけくらべ だけでくらべて こしくだけ たけやさおだけ よんでみるだけ。あっはい。で。上記のように作品について調べるついで、当時の出来事は何でしたかと漁ってみると文明開化があった。1870年ぐらいの出来事らしい。なんでも、1872年には鉄道が走ってるし、その後すぐに苗字を名乗れとかちょんまげやめろとかお触れが出ている。ちょうどそのころ生まれた一葉女史には影響は大きかったのかね。そもそも「女性が書いた」ってだけでも珍しい時代だったのかもしれない。大正デモクラシーもまだまだ先なのだ。それでも文章が芥川と比べてまるで違う。何があったかね。

んで、「たけくらべ」が結構みじかいと気付いたのですね、青空文庫を開いているブラウザの、スクロールバーのサイズ感で。じゃあ拝読してみれば良いのはなし。2時間かからぬぐらいで拝読したのですが、あまり理解は追いつきませんでした。とりま実績解除ってことでよろしく。

こういうのを教養って言うんでしょうか。作中、下駄の鼻緒が切れて弱っているところに、知人が通りかかり、俺の下駄はいてけって渡す。自分はこの場面が見事に漫画的表現で絵が浮かぶわけです。白土三平…ってカムイ伝しか知らんけど、ああいうの。横山光輝の三国志とか?そういう雰囲気の中で人物がやり取りをするような絵がうかぶ。だから、下駄をくれたのはやさしい呂布みたいな🐻男であって、下駄を受け取ったのは諸葛瑾みたいな書生ふうの…。でも、ちゃんと知識があると、もっと本物に近いというか、別の様子を思い浮かべるんだろうか。なんで太宰や芥川と文章が大きく違うのか、そんな理由も知っているのか。自分は「鼻緒が切れて弱っている」がどういうことなのあまりピンときてない。あの親指と人差し指の間の紐が切れたってことであってますか。

えーと、流石に読みにくくて難儀しました。若者の群れが連れ立って喧嘩したり青春してたような話だった。んで女が拗ねた?恐ろしき理解度の低さ、これ教養って言うのでしょう。ぐぬぬ。

では、この時代の他の作品も読んでみれば、ちょっとは腑に落ちる見識も得るかもしれない。じっさい一葉と面識があり、結核の治療も面倒見たという森鴎外。「舞姫」の発表年が1890年だったので、こっちはどういう文面かと探してみたら、これも短い。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/2078_15963.html

読み終えまして。人の勧めるままに身の振り方を決めていたら、自分の子を宿した女を捨てることになった、みたいなことか。貴方仕事と私どっちを取るの?どうしても古文ジャンルの文章に近い印象がぬぐえない。源平のころから文明開化まで、文学ってなかったのか。そもそも小説ってジャンルが存在しないのか?自分の教養で、調べなくても江戸時代のものだろうと推測できる書籍って「奥の細道」と「五輪書」しか思いつかない。歌舞伎は都市部で人気だったと思うが、その台本?原作?みたいなもんが流通したりしなかったんだろうか。流通っていうてもな…活版印刷無いもんな。瓦版?

あるいは…話し言葉まで含めて大きな変化があったの?話し言葉を文章にする発想がなかったのか?

ここで「東海道中膝栗毛」の存在を思い出し、読んだことも一応はあることを思い出す。現代人に読みやすい表記に改められたものと記憶している。これはスラスラ読めた。wikipwdiaによれば1800年ごろの作品だ。どんな文体で書いてあったのか探れないだろうかと思ったが、青空文庫には無かったのであります。なんでもかんでも収録されるわけではないんだろうけど。

文章にする言葉ってなんなのだろう。自分だって、日常話す言葉とこのブログで使っている言葉が完全に一致するわけはない。「話す」言葉なんだから、単語・表現の選択にはその話相手と、場の空気感みたいなものが如実に反映されている筈。手書きの日記は少々話し言葉っぽいかな。例えば「今日はしごとの出来栄えがうんこだったのでストレスマックスうんこうんこ」きょ、教養…。

この時代の作家について参考文献。国会図書館なあ…。死ぬまでに一度は足を運んでみるかしら。

https://www.ndl.go.jp/portrait/pickup/003

あら?膝栗毛あるやん。

https://dl.ndl.go.jp/pid/878435/1/2

表紙は明治16年とあるように読める。1883年だ。たけくらべよりだいぶ古い。

もしかしてたけくらべも舞姫も、こういう文体にしようってネタだったりしねえかな。現代でもムツカシイ言い回しや言葉を使う作品あると思うけど、そういう類の。

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オチがよわい。トルチョック。

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