ふでのゆくまま

雪の降った後の街を

前回?前々回?の大雪は、面白い写真でも撮れないかと雪の中公園にでかけ、”同業者”を見かけたり大はしゃぎする母娘を見かけたりしたものだ。今回は降り始めが月曜の昼で、しかも体調を崩し午前中は仕事を休んで臥せっていたりしたもんで、特に楽しむ様な要素は一切なく。帰りの電車も老齢の男性がパツパツ満員のなかぶっ倒れたりし、まあ酷い一日だったとしか。

その土曜日。

まだ雪が至る所に残っている。日陰は氷が張り詰められ大変に危ない。駐車場で空いてるスペースに止めるのに往生している車を見た。駐車スペースが日陰から日向にかけて緩やな氷の坂になっている。そりゃチェーンやスノータイヤをはいてなくても咎められないわな、雪から一週間晴天が続いた東京の話ですよ?それだけ寒かったという事。ん十年ぶりの寒波だ、などというのは伊達ではなかった。気のせいではなく、実際、寒いなあと思うことが多い。

この景色は、やはり故郷を思い起こす…。雪深い地域ではないが、そら東京よりは間違いなく寒い。雪が降ったあとの様子は、まさにこの一週間東京で見かけたとおりだ。雪掻きでうず高く敷地の角に寄せられた雪が、溶け切らずに薄汚れた塊になっている。何か不吉なものが壁に縋りついているようにも見える。

もうひとつ、今までなかなか東京では目にしなかったものが見れた。そのような雪だまりにポツポツと黄色いシミが残されていることがある。犬のしょんべんだ。お散歩中につけられたものだろう。都会で飼われる犬は雪ではしゃいだりするもんだろうか。うちで飼っていたのはそうでもなかった気がする。はしゃいでいたのはガキばかりだった。そんなガキがおっさんになり、雪に覆われたビルを美しいと思う余裕もなく、ため息を白く、大きく、一つ。

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