お散歩を再開した。もっと黙々と早足であるいてカロリー消費しないといけないが、やはりそこいらの路地裏に迷い込んで歩くというのは面白いもので、どうしてもキョロキョロとしてしまう。あんまり興味深くそこいらのお宅の様子を伺っていると本当に通報されてしまうので、横目にちらり、こんな家に住みたいもんだなーあー宝くじでも当たらねえかなーとしょぼくれる。
という
思いも強烈に引き摺りながらのお散歩。それでも歩き続けるからには前を向くし時が来ればお家へ帰る。雑念ばかりが多いこと、特に咎められる理由もなく、何一つお散歩を阻害しないものだが、思い悩んだ「てい」で歩くのではなく、もっとシンプルに時間と現在地だけ気にして歩けないものか。人々がジムに通う理由が分かった気がした。お金払うからサボらない、なんてもっともらしい言い訳は嘘だ。みんな雑念の薄れる所を求めているんじゃないのかな。
徐々に近づいてくる変電所の夜景は、そう、世にいるという「工場萌え」と呼ばれる謎の感性の存在を思い起こすには十分なインパクトがあった。変電所の周りは塀に囲われてはいるが、細い路地を挟んで普通に住宅地があり、塀の高さもどうってことはない。銀のプラントが夜景に映える。目を凝らすとグレーの電線が高架と何往復もしている。歩きながら何枚か写真を撮って歩くうち、公園に着く。アスレチック的な遊具があり、数メートルの高さがあったので登ってみることにした。
たいてい若いカップルが居たりするもので、そーっと様子を伺いながら登る。振り返ると通行人が怪訝に見ている。あっ。通報はやめて。驚きはしたものの、威風堂々とアスレチックの上から周囲を見れば、桜の咲くがあり、あとは静かな、静かな、住宅地であった。一時間ほど歩いたのでここで休憩とする、良く晴れた夜空に横田基地あたりの所属だろう、航空機が何度も旋回している。ああ…よい心地…というとこれが良くない。もっと直向きにというか、余計な時間を消費せずに散歩しないと。カロリー消費と言っても、確かに何の計算もなく歩いているだけなんだけど、楽しいからやっています、では続かない。いずれ飽きて、面倒くさい、には打ち勝てない。
ただ外を一人歩くだけでなにを大袈裟な。
時計はまだ20:00であった。もう二駅ぐらい歩いて電車で戻ろうとしていたのだが、Amazonさんからコンビニへ荷物が到達した通知メールがやってきた。先ほどから駅の案内放送が聞こえているので、すぐそこの駅から戻ることにする。月曜日の夜かな、などと思っていた荷物が土曜日の夜早い時間に届くとは助かる。増税前の勢いだけのお買いもの、テンションの高いうちに!アゲていかないと!
滑り台から落ちる。子供サイズに作られているに決まっており、螺旋の下りに合わせて体をちょっと外に預けたら、そこに支えるものがなく、んぬふごっと呻きながら落ちた。よいこらしょ、と立ち上がる、地面に着いた掌に、冷たさがなかった。