• どくしょかんそうぶん

    「東大思考法」を読んだ

    ビッグブラザーをインストール。

    「まあだ東大とか言ってんのかwww草ァwww」と煽りたい気分がないでもない。東大お受験をクリアするのは単なる力任せの(?)ガリ勉でもできなくはない。「さすが東大卒だねえ」と舌を巻くようなエピソードを生み出すには、ただのガリ勉では無理だ。こういう人物は、当人に生まれ持っての賢さが素養として備わっており、その素養を育むべく子供自体を過ごした環境にも比較的恵まれた面があった筈だ。これは世の中も当人も、ある程度認めるところの事実ではないだろうか。また、たまにとんでもない賢さを持つ人がいる。そのタイプの人は大学受験勉強ぐらいのタスクが、我々で言う中学英語ぐらいの難易度で処理できるんだろう。こういうのは、脳みその機能が優れている、みたいなレベルだったりするんだろう。

    “良い”大学の卒業生が企業から重宝されるのは、前述のような傾向が強いからだ。採用する側だって遊びじゃないんだから、確率的にあたりを引きやすいくじを選ぶ。そんな学歴社会がどうこう不満を述べたとしても、実際に太刀打ちできないことばかりだ。勿論例外あります。にんげんだもの。

    人生の成功って、個人の価値観に拠るところが大きい時代になったのかなと思う。身分相応でマターリやっていくという考えも、現状維持では破滅を待つだけだすすめすすめニイタカヤマノボレ!という考えも、まぁまぁ、どっちでもええよって考える人が多いんじゃないか。一方で「避けねばならない事態」みたいはものは概ね共有できるんじゃないかと思う。少し極端に言えば「火の用心」みたいなこと。では、具体的にどうすれば火の用心に取り組むことができるだろうか。例えば火気使用中にはそばを離れない、そもそも火力を使わない機材を使う、消化の手段を用意する、防火設備の備わった場所に住まいを構える、愛宕神社にお参りをする。いや神なんておりませんけどもー

    ほんでね。にんげんだもの、わかっていても取り組みがうまくいかない、取り組む気力はあるけど実行に移せない、ありますね。あります。あるっつってんだろ((他動詞))ぞゴルァ。人間はクソみたいな失敗から叡智を得ることもあり、火のついたベッドで寝ることだってあるものです。哀れなり人類よ!弥勒菩薩は箱舟の底でコケました。地獄があふれ出す前に、疾く東大神社へお参りいたしましょう。

    というわけで本書。の、Amazonリンク

    何かに取り組まねばならないが、どうしたいいかわからん、みたいな状態から、あるいはそのような状態に陥らないように、その手法が紹介されています。ただ、このような情報は断片的にSNSで振りまかれているようなノウハウに属するものでもあり、極端に画期的であるとも思えませんでした。他の書籍でも書いたと思いますが、そういう時代ですねえ。だからこそ、「耳にタコだけどやっぱりこういうのが真実なのかな?」と腑に落ちることもあるんではないでしょうか。

    自分の思いつき、発想を否定し、他人事のように掘り下げることで、感情あるいは本能的な自己防衛すら排しているように見える。自分の監視役は最後には自分自身だ。しかし自分など信頼に値しないので、紙に書いたりタイマーに頼ったりして具現化しろと。触れたり破ったりできるものに自分の一時的ハードコピペしていけ。脳内イメージと偏在オブジェクトでビッグブラザー互助会を形成しろ。「卵買って帰る」この文字列が自分自身なのだよ。買って帰ると冷蔵庫に既に卵があったりするので人間も終わりだと申しますが――。

    また、身近な目標から、ちょっとづつでも始めて、完了させていく。これを積み上げていく、とか、これこそどんな本にも書いてそうな印象だ。そんな簡単なことなのか、って誰もが思って、多くの人が実践できないから多くの人が実践できてないのです。習慣化という文脈でも表現されるかなあ。

    どっかで誰かが言っていた。人生にはハートマン軍曹が必要だ。その通りかと思う。願わくはあんな惨めな形でしごかれるよりも、もうちょっと誇りを持って日々の課題に挑戦が出来ればとも思う。そんな考えだって、邪魔な事があると本書は仄めかしている。思考に絡めとられているぞ、と。「嫌な思いをしたらその時の出来事を紙に書いて貼っておけ!!わかったかウジ虫ども!!」

    とまあ、実践に勝る学びなしというお話です。SNSどころか戦前から言われてねえかなあ。だとすれば、ま、そういうことなんですね人類~🤣🤣