• どくしょかんそうぶん

    「逆噴射家族」を見た。

    名前を耳にした事があったが、作品概要で「原案 小林よしのり」って出てきてビビった。1984年。自分にも物心がついたぐらいの時代のお話。だからだろうか、絶妙にリアリティを覚える。あの洗濯機、うちにも似たようなのあった。さらにリアリティがあるのは、自分が主人公の年齢に近い…あるいは超えたからだろうか。その立場に理解を示すみたいな。いや結婚したことねえだろって話ですが、それでも妙に骨身にしみてしまう。家族の有難みと面倒くささ。

    このガイキチ野郎!

    ギリギリ伝わってしまう時代の空気感。モーレツってやつだろこれ。倍賞美津子のケツ。工藤夕貴の、えっ工藤夕貴?調べたら当時リアル13歳でよくこんな。でもウメッシュのCMしか印象になかったな。

    実に面白かった。そしてエンディングの撮影地に何よりも興味を惹かれた。1984年にあんな新幹線か何かの高架と、高速道路だけ走ってる更地なんてあったのか。関東近郊ではないのかもしれない。火星か?ところがwikipediaによるとロケ地は千葉県浦安とあった。

    じゃあ開園前の工事中のディズニーランドなのでは?と思ったが実際は撮影の一年前に開園していた。舞浜駅ってディズニーランドより後なのね。でも浦安だと分かってしまえばあんな狭い街であるし簡単にわかるだろう。というかだいたいわかった。家族の家は下記リンク先でも言及されているがその通りかと思う。エンディングの場面も見えているものの位置関係をつぶさに検証すればわかりそうなもんだ。 

    http://urayasu-sanpo.com/21/urayasulocation-movie/mv23c-gyaku.html

    国土地理院のサイトには昔の空撮地図もあり、まあ明らかにこのあたり。ここから数年での変わりようがすごい。これが本物のバブルってやつか。地図を北東にすこしスライドさせると、オープニング、小林克也の顔がフェードアウトした後の空撮でうつっている巨大団地が見える。この団地の景色を見てしまうと、物語自体もなんか「童夢」と重なっていく。そう、この時代の記憶は全てAKIRAが飲み込んでしまった。隠したくてたまらんのだ。

    https://maps.gsi.go.jp/#16/35.636921/139.883766/&base=std&ls=std%7Cgazo3%7Cgazo2&blend=00&disp=111&lcd=gazo2&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m

    最近、映画なんかの背景情報やエピソードに妙に詳しい人の心情が少しわかった気がする。こういう情報追いかけるの面白い。歴史的な浪漫みたいなもんだけど映画なら映像が残っている。自分の知らない過去の話、それらがインターネットから漏れてくる時代ならさらなり。作中の地下鉄の風景、令和の今も変わってないもんな。