どくしょかんそうぶん
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「潜入!医療大麻ビジネス」を見た
Amazonプライムで見たnational geograficのドキュメンタリー。原題わかんねえ。アメリカで成長しようとしている医療用大麻ビジネスのドキュメンタリー。40分。大っぴらに取材しており、潜入という言葉のイメージに結び付く場面はない。いつもの事だが邦題が悪い。ドキュメントの製作は2010年で、フレッシュなドキュメンタリとは言い難いのでご注意か。
さて。医療用大麻を銃に置き換えてアメリカの現状を見て、ビジネスという言葉を足し算すれば乾いた笑いになる。このドキュメンタリーに登場する関係者が美しい事しか言わねえのも如何にもだなあと思ってしまう。日本人ならみんな眉しかめるでしょうね。そう、こういうのを胡散臭いと言うのです。しかして医療用大麻のおおっぴらな流通を認めようではないか、という主張には頷けません。
既に述べたが、このドキュメントの製作は2010年。例の事件よりも前だし、2018年夏の現時点で医療大麻関連のトピックがどうなっているのかは、このドキュメントからでは正直、伺い知れない。先に例に挙げた、銃の場合の”現状”は惨憺たるもので、今年は何度も犠牲になった高校生たちの抗議行動も記憶に新しい。違法薬物による犯罪の犠牲者は世界で相当数になる。医療用という枕詞にどんな多大な意味がある?
そもそも、医療用大麻ってなんだよ、どこにどういう需要がある、という所にピンとこないのでなおの事。ニュースを調べると、日本では町おこしを騙って不法に所持して逮捕されたり、やっぱりなあという不祥事が発見された。なお、このドキュメンタリー同様に医療用大麻としての有用性を主張する日本語のサイトもいくつかあった。各種の疾病に対する効能があるという主張がされている。
このドキュメンタリーでは医療用大麻に関して、野放し全開放ウェーイでも全部焼き払えヒャッハーでもない、どちらかというと慎重な歩みで以て取り組んでいる…というような話が記録されているようだ。上手く行きそうじゃないか?とは…やはり思えない。かり上手くいっても銃と同じことになるだろう。産業が大きくなりすぎて国の権力だけでは潰せず、海外も手を付け始め、儲かれば良いんだ、としか言わない投資家や創業者たちが後始末に手を貸すわけもない。おいおい、作中にそんなことを言う投資家の姿が描かれているじゃないか。あゝ乾いた笑い。
“医療用”なんだからアメリカの医療制度がどうとか、その辺のお話があるかなーって思ったが…そこらには触れられないドキュメントだった。どうやって合法のお墨付きを受けてビジネスが成り立つのかに苦労しそうだ、そういう話でした。経営者、起業家だけではなく、生産農家も含めて。なんかこう…トウモロコシの新種でも同じドキュメンタリーなんじゃねえのかって思ってしまう。自分はこの作品のタイトルから、刺激的なものを少々求めすぎたようだった。また、別に医療の現場の話が出てくるわけでもないので、為になる感も少ない。加えて情報が古いと来た。うーん。
一方日本では、しぇしぇしぇのしぇ。
自分なら医療用大麻とやらと同じ効能を持つ薬剤の開発を応援したいです。以上~~~。
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刃牙道->最終巻->読者層->圧倒的->低評価->大団円
タイトルはちょうど三文字区切りになったので並べて遊んだ。
実際に刃牙道22巻の評価をご覧になってはいかがかと思います。レビューなどそこまでアテにはしない性質ですが、自分も実際に読んで呆れたので、低評価は納得です。最低評価の「☆1」が7割近いです。真っ当な商品でこれは凄いことです。真っ当な商品というのは、印刷がおかしくて読めないとか返品対象ではなく、商品としてちゃんとしているのでクレーム入れて返品とかできないもの。商品として毀損無く販売できるもの。
つまり作品の内容だけで低評価が7割。
これ、雑誌の連載なんですよね。だから、最終話はそれ単体で読んだ人がそこそこ存在する筈です。どう思った事でしょう…単なる次作の構想メモみたいな内容でした。予告ですらない。次回作、読もうという気にならないなあ。どーせ、ノミノスクネが花山薫の血縁とかそんな話。
あ、大団円って作中の話ではなく、読者みんなで( ゚Д゚)ハァ?って顔をしているってほどの意味です。
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「手紙は憶えている」を観た
ネタバレです。
こういうのサスペンスっていうのか?分りやすい筋立てで、最後にどんでん返しってやつ。どんでん返しは簡潔にサクッと見事に刺さる。ただ、映画のストーリーの根底にある物語は、我々日本人も”当事者”でありながら思う所は希薄である。国民性なのかね。もうそんなことは忘れてしまえ、というやつ…?そんな歴史的背景への理解がないと楽しめない作品というわけでもないけど、時折出てくるキーワードから連想されるものに具体性がないと、映画のストーリーを追っても???ってなるかもね。人物のモチベーションが想像できないと言いますか。
そして、アメリカに銃が無くならないのは、映画に登場するアイテムとして便利だからなんじゃ、とすら思える簡単なエンディング。見せ場が終わったからにはさっさと〆ましょうという感じ、個人的には嫌いじゃない。何かお話に余韻があるわけでもねえしな。
ところでこの筋立ては、少し前に見た作品、「Memento」に似ている。日常的な記憶を失ってしまう人物が、何かを頼りに毎回記憶を取り戻していく。そろそろ、これらと同じ役割をスマホで果たす映画を…っていまさら作っても、もう新鮮味ないんだろうなあ、おそらく。
なんか簡素で薄い感想文だけど、その最後のどんでん返しがきっちり決まっているので、まあまあ面白かったです。
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「夢」を観た
一応ネタバレですよ。
世界のクロサワ的な映像作品ですが、過去に見た記憶があります。どれかなーっとシークバーを探っていくと、2番目のエピソードで御座いました。その他のエピソードは初見の筈でしたが、映画の作風的にもじっくり見入るようなもんとも思われず、ぼんやーーりと観ておりました。見せ場はまた祭りということで良いのでしょうか。最後のエピソードは実にぐっとくるものでした。美しく映える映像で、自分は案外こういうの大好きなのかもしれねえ。
ゴッホ役の人、マーティンスコセッシって書いてあってたまげた。ちょっと前に彼が撮った「沈黙」もamazonのプライムビデオにあったな。プライムは無料の対象外だったけど、GWに見ておけばよかったか。原作たる遠藤周作の小説は十年以上も前に読んだはずなんだが、流石に細かい中身は覚えていない。小説とかの場面場面を覚えていられる人ってどういう頭してるんだ。
しかし不思議なことに、夢なら自分もえげつないものを見ている。いまだに覚えているものもある。そういうものを書き留めてネットに公開などをしておりましたが、すでに手元にもなく。結構グロい感じのものが多かった筈だ。狙ってそういうのを書いたもんだ。けけけ。黒澤の見たという夢はどこまでこの作品に近いのだろう。原子力発電所が~~なんて夢に見るのか。そこは流石にうさんくせえわww
で、提供:スチーブン・スピルバーグ要素はどこ?絵の世界を人物が歩く、とかその辺の発想か?お面取ったらユダヤ人だったりすんのか(暴言)
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「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を観た
心に静かに刺さった。
しずしずと進む物語は、多くの人が人生で一度は経験しそうな面倒な事態。おっさんになった自分にはウッっと来るものが多かったです…。こういうものを淡々と捌ける人って本当に尊敬する。自分はキレて投げ出すが、前のめり過ぎて後味の悪い結果になるだけ。でも、淡々に見えて、その人の、その人なりの事情が裏にあって、それを乗り越えているわけで、乗り越えられなかった人もいるわけで…。
ネタバレのないレビューを心がけると、こいう映画はもう書くことないですね。敢えて言うなら、土地の名前が何個か会話で出てきますけど、その位置関係というか地図上のイメージがないのでそこがのめり込めないところだった。結構物語のキーの一つではあるのだが。何よりまずこの映画のタイトルが実在の地名なので、興味をお持ちであれば事前にgoolemapで訪れてみても良いかもしれません。
全編通してゆるやかに目頭を濡らしながら見ておりました。実に良作で御座いました。静かな休日にどうぞ。
……なお、ネタ的には、主役の人のwebサイトが10年停止しており、「イイ感じ」になっています。本人作とかなんでしょうか。