どくしょかんそうぶん

  • どくしょかんそうぶん

    「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を観た

    Amazonプライムで「進撃の巨人」の最終シリーズまだ来ないの?ってうろうろ探してたら発見。このアニメを見るのは初めてだったが面白かった。ワクのチン休暇の一日で全部見てしまった。タチコマの現実感のあるデザインが良いなあと。日本ではもう人間の姿をしたロボットの噂をトンと聞かないので、なおのこと。

    本作中、このタチコマのセリフに「世の中は人間の体に都合が良いように作られている」といった意味のセリフがあった(うろ覚え) これって、人間型のロボットを開発する根本的なモチベだと思うんだけど、現実は人間を助けてくれる機能に特化した機構が役立ってくれている。人間型にしても、腕が二本しかないとか転ぶとか、デメリットのほうが目立つと思う…っておれ何度も書いてるな…恨みでもあるのか。人間「型」じゃないと出来ないんだよな~ってことがあるとしても、それなら人間を連れてくれば済む。この単純さを超える便利さと安さがないと、世の中で人型ロボットが汎用的になることは無さそ。食器洗浄機で洗えないものを洗ってくれるとか、ルンバがお掃除してくれないところを掃除するとかね。洗う必要がない、とか掃除する必要がない、という方向に世の中が進まんかな。

    ま、兎に角面白かったです。ゴルゴやシティハンターを未来に寄せた、みたいな感じで。例えが昭和生まれ~。

  • どくしょかんそうぶん

    「幻の湖」を観た

    ネタバレ。

    「デビルマン」は評判通りの酷さだった。「シベリア超特急」は評判と裏腹に良かった。本作を観ずに死ねるか、ということで、コスモを高めながらAmazonで有料レンタル視聴。

    娼婦が琵琶湖湖畔で走りこんでいるというだけで意味が分からなくて素晴らしい。同僚に外国人がいるのも面白い、唐突にオフィス業務しているのも意味が分からない(これは後ほど判明するけど)舞台設定の面白さというか不可解さに注目してしまうけど、実はそんな無茶苦茶に話が進むわけでもない。どう言えば良いのか…あらすじはとても一般的になるとでもいうか…。舞台と職業を変えても成立するんだもんなこれ。

    一言で言うと、全体的には期待外れ。「笑ってやろう」と期待した人には肩透かし。ところどころ変なセリフとか出るけど、意味不明とまで言えるようなものは殆どない。こういうのは古い映画のアレだ。当時のセンス?そういう風に納得してしまったので、そんな衝撃を受けるようなことも無く、ぼんやりと観ていたのです。ここで、物語が進み噂の場面がやってきました。復讐の相手をようやく突き止め、なぜか走って追いかけるという場面で…あれ?振り切られた…?ここで再生時間を見て驚愕する。全体の半分ぐらいなのだ。えっ、どうすんの。

    するとそのうちに時代劇パートが始まってポカーン。もう一度追いかけっこ始まってさらにポカーン。必死に逃げることもなく、二人で黙って冷静にきれいなフォームで呑気な琵琶湖畔マラソンをしている。アフレコの変な呼吸音と喘ぎ声…ああこれは噂に違わぬ珍作だ。さあ復讐の包丁が横腹に突き刺さるその時!

    ロケット発射!( ゚д゚)

    “こういう”評判の作品を観て楽しむという人は、昨今多いと思いますが、そういう観点でもそこまで楽しめるものではありませんでした。皆様にはお勧めは致しません。個人的には、時代劇パートの(相対的な)クオリティの高さでさらに脳みそが混乱し、SAN値が下がります。制作プロセスどうなってんの?鑑賞後、情報を漁って発見した「主演の女優さんは演技指導で4500km走りこんだ」という怪談みたいなエピソードに慄きました。

    以上。なんだけど。

    作中の舞台である「雄琴」といういのは実際に存在する土地であります。現在は駅の名前を「おごと温泉駅」と変えています。作中でも「トルコ風呂」なんて堂々と言われていて、主人公もそういう場所で働いているのですが、当時の規制の関係で性風俗が盛んな街になったらしい。街中の風景でも、看板にでかでかと「トルコ〇〇」なんて店名が。その他、作中の地名なども勿論いくつか実在するので、ストリートビューで簡単に旅をしてみた。

    亡骸が発見された場所は作中で「和爾川の先の三角州」と言っている。これも実在するが、現在はちょっと狭くなっているんだろうか?

    https://goo.gl/maps/49MdF9Qn6tRuFxJm7

    沖島(おきしま)は作中で「おきのしま」と言われている (51:30ぐらい) が、確かに実在する。琵琶湖の東岸は知らないと言っている主人公は、東、あるいは南側から見たときに沖島に人家があることに驚いている。これも実際に沖島の地理的な情報と合致する。

    横笛マンとの出会いで見下ろす島はなんだろう。作中にランニングコース図があったのを思い出し(5:20)、そのあたりを探すと、どうやらつづら尾崎展望台から、ストリートビューでは入れない狭い山道を南へ進んだところにありそうだ。GoogleMap上では、ドローン空撮と思われる画像もアップされており、その画像で映画と同じ形の島を見つけることができる。竹生島(ちくぶじま)のようだ。見返したら、作中でも同僚の外人さんとタクシーでドライブしているシーンで島の名前を聞かれて「ちくぶじま」と教えている。(22:40ぐらい)

    最後のジョギングシーン。映像で衣川町という交差点を右折するのが見える。衣川という交差点なら現存するが、これだろうか?「天神側の砂州へ追い詰めてやる」とセリフがあるが、その川も実在する。ヨレヨレと二人で走りつつ、最後は階段を上ってすぐに琵琶湖大橋に到着する。これが流石に西岸側だろうということで、階段の特定は容易だった。ここまで、ジョギングコースのルートがなんとなくわかるが、流石に特定は難しい。それでも、途中の神社はストリートビューで確認できた(2:33:30)

    撮影が1980年前後の筈なので、現時点の細かい景観なんかは比べようもないけど、映画マニアの方はジョギングコースの再現にでも挑戦すると宜しいのではないでしょうか。

  • どくしょかんそうぶん

    「上島ジェーン」を辛うじて観たといえる

    一応ネタバレ。

    物理メディアでお買い上げ。ところが、途中に再生できない部分があった。手に入れるには中古品しかないのでこういうトラブルは致し方ない。物理メディアの弱点の一つだ。

    冒頭から30分ちょっとは再生できたのだが、そこから後ろが再生出来ない。再生アプリが停止してしまう。シークしながらどこか再生できないか、何度もエラー表示でアプリが停止するのを繰り返しながらも、後ろへ、後ろへ。やがて再生できる個所を見つけたものの、本編の最初30分、最後残り20分ぐらいの部分と、特典映像だけを見ることができた。

    映画の内容はおふざけモキュメンタリー。エンディングというかオチは映像作品としては最低レベルにひどい。監督は舞台挨拶で、エンドロールの最後まで見てほしい的なことをのたまうが、良くこれで言ってのけた。あっぱれ。監督をググってみたら、そもそもテレビのバラエティ畑で仕事をされている方のようだ。特典映像に収められている舞台挨拶で、「上島竜兵がサーファーだったらどんな人生だったのかな、と呟いているのを耳にして、この作品を作ろうと思った」という趣旨の発言をしていた。制作のモチベーションを前フリにした、ということかな。

    兎に角、映画作品として真面目に鑑賞するほどの作品ではない。買わなくていいよこんなの。

    買うなよ。

    絶対買うなよ。

  • どくしょかんそうぶん

    「今夜、すべてのバーで」を読んだ

    いちおうネタバレ。中島らも氏の作品で、たいそう人気の作品だそうな。

    本書で個人的事情により殊更強く印象に残った場面があった。主人公が外から酔って帰ってくると、医師に出くわす。医師は、主人公を霊安室に招く。そこで乱闘騒ぎに発展したり、いろいろ起こるのだけども…。この辺りで「嗚呼」と思い、kindleアプリを閉じてしまった。

    読んだことあるじゃねえか。

    本エントリの趣旨は以上で完了であります。拙ブログを検索しても言及はなかった、刊行は1991年ということなので、たぶん大学生の頃にでも読んだだろうか。

    作品の中身についても少々。著者当人もアルコール依存症を患い、半ば自伝的な内容の作品でもあるのかと思う。作中、主人公からこのような愚痴がこぼされる。「街中のあらゆる場所で酒が売られている。メディア、街頭の宣伝でもひたすらに酒を飲めと勧めてくる」そんなもんで酒に走るのだ、とかそんな感じ。実に身勝手なものだと思う。依存症は病気だというが、それでも、”そうなる”まで飲んだのは、個人の意思だ。同じ量の情報を浴びても一滴も飲まない人、飲んでも適切である人、酒はやめましたといってきっぱり本当に止める人、なんぼでもいらっしゃる。その一方でお前はそんな適当なことを言っておるから、そんな体たらくになるのだ、と霊安室で殴りつけたいところだが、主張はある意味真実でもある。2021年現在でも、電車の中にまで広告あるもんね。

    一撃アウトな薬物は禁止されているのに、同じ薬物でもある酒はOKな理由がある。文化的、経済政策的な側面での理由があるだろう。人間は何かしらに依存するもので、よく議論されたものではゲームだってそうだし、なんなら白米なんてものだって、無理やり依存だといえば依存かもしれない。そんなものを根絶させようとしても、世の中がさらに歪になる。自然災害に対するが如くに、ぼんやりとでも知識を備えて脱出ルートを想定しておくのが賢いんだろう。半ばあきらめつつ。

    と、いうところに付け込んでくる輩もいるから困ったもんだね。

  • どくしょかんそうぶん

    「戦場のメリークリスマス」を観たことはある

    妙に名前が知れている作品という印象だった。

    テーマ曲を何度も耳にしているが、肝心の内容は一切知らない。ビートたけし、デビッドボウイ、坂本龍一が出演していることも知っている。三人とも、話題作りのチョイ役ぐらいと思っていたけど、がっつり主役級。まずはこれで面食らったというのが正直な感想。監督の大島渚だって、何か作品を知っているわけでもない。いうなればニュースのコメンテーターという印象。

    坂本龍一が登場したときに、笑いそうになってしまう。40年近く前の作品なので、現在の自分が持つ彼の印象とはまったく異なるわけだ。「教授」とか言われている、ここ20年ぐらい?のアカデミックな雰囲気がない。単に若いというだけではなく、頼りない印象すら覚えた。テクノ将校。

    最後まで見て、もう一度面食らう。これ、何のお話…?戦時中の捕虜たちと、日本軍将校のいさかいのお話だと思うけど、自分のどたまではその訴えるものがよくわからなかった。洋の東西をぶつけてみました、というスジかなあと理解した。監督である大島渚の作風なのかな。制作は1980年前後。どんな時代だったんだろうか。

    風呂に浸かりながら半分、寝床で半分視聴した。そんな感じだから内容はうろ覚えだという事にしておこう。生涯うろ覚えだ。一応観たことはあるよ~、ということにしておく。どこかで誰かの映画蘊蓄でも聞く機会があったら、本作をダシに小一時間頷いているだけの時間を作り出そう。うっかり自分の意見を求められれば、本作は「恋人はサンタクロース」の80年代自己反省的なパロディだと主張し、絵本だけのお話を真顔で有難がる貴様はディズニーで凸凹でも書いてろこの”#$%!!叫ぶが一閃殴り倒す我が姿は大島渚のオマージュ。怒るポンポコリン。

    だって、剣道?の型をやっている場面も北野武が読経してる場面も、コントのセットにしか見えないんですもの。