「モリのアサガオ」を読んだ
2004年~数年の連載だった作品。刑務官の主人公の物語。死刑とは、というテーマに沿っているわけだけど、どうしても、あの事件を思い起こしてググってしまう。
「司法に絶望した、加害者を社会に早く出してもらいたい、そうすれば私が殺す」
この言葉ばかり取り上げられるけど、本件は本村さんの上司の発言が凄いんだ。…とはいえ本作品とは直接関係ないので、以下いつもの読書感想文。
特徴的な絵柄でびっくりするんだけど、そこは漫画のマジックでそのうち慣れる。人類はアカギだって普通に読めるんだから大丈夫だ。ストーリーは漫画上都合よく、ドラマ仕立てに進みすぎる印象もあるけど、無駄がなく内容が伝わりやすくて良い。文字が多いのはしゃーない。でも、リアリティに縛られてないとか言えば良いんだろうか、そこが良いところだと思う。例えば「そんな風に筆談した内容掲げるわけあるかーーーい!」ってツッコミどころもある。あれはクイズ番組の回答じゃねえかw
友情が芽生えた!恋人との別れ!みたいな展開もあって、あーこりゃテレビドラマ化しやすそうだなーなんて思っていたらすでにされていた。
死刑の是非、みたいなもん、そうやすやすと結論が出るわけもない。制度の出来の良さに議論を持っていくと、さらにこじれる。どうせ完璧なものは出来ないから、failしたときの策を講じるのが人類の知恵だろうと。死刑の対策ってなんだ?とりあえず生かしておくが解決策だなんて言えるか?
あっ!犯罪が無くなればいいんだ!天才か!ってマイノリティレポートの世界に夢を託すには遠すぎない?あれってテクノロジーの話ではなくて、超能力者の予言だよ?エスエフだっての。
命の処遇にベストエフォート型でいいのか、という疑問に、しょうがないだろうと結論して良いのか。医療行為だって飛行機運用だってベストエフォート型の命の処遇にも見えるけど…対象に強制力が伴うあたりが違いかあ。
死んだ人間が簡単に生き返るようになれば、死刑で間違って処しても、メンゴメンゴって生き返ればいいか。…?それだったら例えば殺害された被害者のほうも「いってーなゴルァ!!」なんて言いながら生き返るから罪の重さの概念が変わるかな。
あっ!死ななければいいのか!天才か!
これが「間違いを犯さない」「罪を犯さない」よりは現実味があるというのは、わたくしの穿った考えでしょうか。