どくしょかんそうぶん

「マイ国家」を読んだ。

ビッグネームらしい星新一である。らしいというのは、筒井康隆と並んでお名前を目にする事が多いという印象だったが、読んだことはなかった。

で。読んだ。

うーんいまいち。やっぱりと言うべきか、新鮮さはなかった。wikipediaによれば1968年発表である。そら当り前のことで、自分が今までにどこかで見聞きした物語の筋書き、アイデア、その大いなる元祖である可能性が高い。2025年に初見の星新一はこんなものではなかろうか。

という所感は当然に想定内。だから不満を覚えるとか、そういうことはなく、初見なのに懐かしい漫画でも読んでいるような気持ちで、作品数はいっぱいあるので次から次へと読み進めていく。別にオチが想像通りだろうと、それはそれで、そういうものだろうと。そうすると、なるほど~というものがいくつか。料理の国の話とか、死にかけの爺さんが飲酒する話とか、小言幸兵衛とか。一番って言われたら幸兵衛かなあ?(´ー`)

とことで、星新一賞という文学賞がある。募集要項を眺めてみると以下の一節がある。

■人間以外(人工知能等)の応募作品も受付けます。ただしその場合は、連絡可能な保護者、もしくは代理人を立ててください。

こいつは驚いた。驚いたけれど、実にエスエフだ!この取り組みを初めてどのぐらい経つのかわからないが、生成AI利用した応募について、割と細かく注意事項も定められている。現時点で実際にAIの文章が受賞したことはあるんだろうか?

https://hoshiaward.nikkei.co.jp

当然、意地でも「人間が書きました」というテイでAI作を送り付けてくるという事態はSF的じゃなくても容易に想像ができる。もちろん露見した場合の対処は定められているが、現代においては、そうそう簡単に見破られるクオリティではない…とは思う。だから、いつの日か受賞した後に「実はAIでした」とか言い出す輩が登場することもまた容易に想像できる。その事態まで含めての文学賞だったら面白い。そりゃあ関係者や歴代の受賞者は面白くないし、なんなら賞自体の存続にも関わるかもしれないけど…野次馬としては面白がってしまう。

個人的には審査員のほうをAIにするのが先決では、と思うがどうだろう。現状だってある程度は審査に使っていると推測する。星新一賞のみならず、なんかこう…盗作とかそういうチェックに浸かってそう。そもそもAIの応募が良いってんだから、AIの審査もいいだろ。

AIの文章をAIが批評し、賞賛する。奇怪に思われる人もいるかもしれないが、審査員の頭数には十分すぎるほどにAIサービスは存在するんだから、いけるだろう。たいだい、AIの学習って内部ではそういう事をしているようなもんじゃないの?人間のご機嫌に合わせると言ったあたりも得意だ。

なんなら審査員に既に居るのでは。審査員って本当に実在するか?エスエフ作品なんてきちがい一歩手前の怪文を何百、何千も審査なんて出来るわけがないんだし、現時点でも本当はそこらのバイt…おっと、玄関のチャイムだ。配達でも届いたかな…

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