「世界史を大きく動かした植物」を読んだ
人類万歳。
この繁栄っぷりをここまで支えたのは、その根本に農耕と畜産であるに相違ない。めしのために常時移動をする必要がなくなった。資材を使って家や倉庫を作るようになり、村ができて共同作業ができて災害などへの耐性ができてなんやかや。文明の起こりから今日に至るまで、地球ある限り植物のお世話になりっぱなしであります。
本書は人類と植物とのこれまでの関りをまとめたものである。植物の種類ごとに章立てられていて読みやすい。中高生とかに良さそう。お子様に是非。タイトルにあるように「世界史を動かす」ほどの植物となれば、やはり人間との関りは相当に深く、名の知られた種類ばかりである。本書に載っているのはすべて知っている植物だ。紹介されるエピソードにも、何となく耳にしたことのあるエピソードもありつつ、またマニアックで新たな発見もあり、読んでて面白い。日本人の食卓に玉ねぎが広まったきっかけとは?トウモロコシが宇宙原産と言われる所以とは?ふーむ。ええやん。
個人的には図案が欲しかった。地図やグラフ、挿絵などがもうちょっとあればなあ。全編文章のみであるため、正直ちょっと味気ないが、内容は充実してるのでヨシ!
この先の未来に…歴史を動かすほど話題になる植物はあるだろうか。地球上で新種が発見される可能性はまだあるかな?あるいは地球外で見つかった植物なんてことになるかもしれないが、”世界史を大きく動かす”となればちょっと珍妙である、ぐらいでは候補にも挙がらん。人間が抱える問題を大きく改善するようなもの。エスエフ的なジョークみたいなものしか思いつかない…けど、もし本当に見つかるとすれば。冒険物語の果てにどこかで見つかるようなものではなく、研究に人生を捧げた一人の執念がついに見つけ出すようなもの。