えさのじかんだ

だって豚だろう。

子供の頃、というほどに昔のこと。とあるテレビでの企画をネタに、みんなで話に花が咲いた、そんな場面だったのではないかと記憶している。料理をしない人に料理をさせてみると酷いことになる、とか、そういう話をしていた。至極当然なんだよな。ルールの知らないスポーツに放り込まれる様なもんだから、意味の分からない行動になる。けど、子供の頃から母の料理の手伝いが好きな食いしん坊デブ親孝行な息子としては、そんなに変なものが実際できるのだろうか、と思っていた。

その料理というのが、味噌汁にウィンナーが入っているというものだった。

どういう発想だろうかと皆で笑いあったものだ。確かに我が家で出されたことも、どこかで出されたこともメニューに載っていたこともない。当時は福島の片田舎暮らし、まして餓鬼、誰かが階段で躓いたというだけで一日笑っていられるような日々だったんだから、味噌汁にウィンナーなどと聞けばそらゲラゲラと笑い転げたもんだ。

流石に大袈裟だな。ところが東京に出てくると、全国から集まった人々の、その地元の暮らしに驚くことが多かった。味噌汁にじゃがいもを入れるのは主に東北地方だけであるらしいと知った時の驚きはなんだろう。周囲の驚きっぷりはそうでもなかった。味噌汁なんてなんだかんだで大抵のものが入る。じゃがいもとはあまり耳にしないねえ、みたいな軽い驚きであった一方、自分はというと「いや嘘だろおい」って慌ててしまった。

外食で味噌汁を食する機会はそこそこあるかもしれないが、具材に着目することはほぼない。和食の定食なんかでは味噌汁がつくことが多いが、具材はワカメが一番多いと思う。小さい角切りの豆腐や、油揚げが入っているバリエーションまで含めると、個人的な経験ではほぼ100%に近い。

そういえば酪王牛乳が福島にしかないと知った時はぶったまげた。このブログに書いたのも今年の事で、そう昔のことではない。風習の豊かさとは実に面白いもんだ。それならば味噌汁だって普通にウィンナーを入れることはあり得るかもしれませんね。だって豚肉だし…。沖縄とかどうだろ。百聞は一見に如かず。味噌ベースに出汁と野菜と豚肉。豚汁じゃん。実際やったらいけるんじゃないの??

というわけで…。やってみたところ思った以上に美味しくなかったというわけです。ウィンナーを噛んだ時に出る油がいまいち。豚肉で作るなら肉の味わいがしるに染み出しているものですが、ウィンナーの場合ほぼ皆無なので、じゅわっと口の中に広がる肉の味わいと味噌汁の味が、全然合わない。驚いた。もっと濃いめの、味噌煮込みとまで言えるような濃度ならばまだ美味しいかもしれませんが、れっきとした味噌汁ではどうも。このようなコンセプトだから出汁をレトルトの顆粒かつおだしにしたのもイマイチな原因だったろうか??

野菜は人参大根、食前に刻み葱。大根の甘みがウィンナーの風味に負けて、気色悪い甘みに変化している。ウィンナーは「薫香」を選んだのだけど、スモーキーな風味が強い点はマイナスだったろうか。もっとやっすいパサパサのウィンナーのほうが相性が良いのかもしれないが、二度と試すまい、というほどに期待外れで〆。

続きはデイリーポータルあたりにまかせた。頼んだぞべつやく。

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