• えさのじかんだ,  どくしょかんそうぶん

    「ミスター味っ子II」を読んで食べた

    初代の「ミスター味っ子」は単行本で読んだ。自分が読んだのは、多分中学生の頃かなあ。懐かしさついでにwikipediaの情報をざっくり眺めると、どんな料理勝負したのか、ほぼ全部記憶にあった。好きだったんだねえ。最終回が妙にしんみり感動的に終わったのが印象的だった。

    で、本作。Ⅱってどういうことよ。子供が出てくるのかwwwって思ったら本当に初代主人公の息子だった。初代に引けを取らず料理勝負に明け暮れるという作品。読者層が大人向けなんだろうか、農家の窮状とか過剰なサービス要求とか実店舗営業の難しさ、というトピックがちょろちょろ出てくる。前作のキャラクターもふんだんに登場して、Ⅱと名付けるに相応しい内容。おっさんホイホイですわね。自分が初代を読んでから30年たったわけだし。本作クライマックスの「長い…夢を見ていたようだ…」というセリフも初代を読んでいれば心に刺さるひとこと。

    さて。

    おっさんになった今。30年経った今現在、まさか一人で暮らしているなんで当時は想像もしてませんでした。ぴえん。でも今では好き勝手に材料を買う事も出来るぞHAHAHA。本作のメニューを何か真似て作ってみるか?なんて欲が出てきた。ただし、作品の設定上、魔法のように食材が沸いて出てくる。聞いたことも無い特殊な高級素材や調理法、器具がやまほど出てくる。だから、そんな本格的に真似できそうにはないんだ。それでも、作中に出てきたもので形だけでも真似できそうなものないだろうか。

    ネギ油でネギと豆腐を炒める。本当に明日にでも出来るけどそういう事じゃないんだよ。初代も読んだんだし、幅を広げてそっちからも何か…というところで、初代でもⅡでも登場した料理があった。おこげに中華あんかけをかけたやつ。米を鍋で炊けばおこげを作るのはできるけど、面倒くさいし煎餅でいい。あんかけは中華丼の素で良いじゃん。まな板すら使わず味皇を吠えさせることができるぞ!

    本当に作る由

    画像も動画もないのは仕様です。

    まずは煎餅から。選び放題だけど、お米の焦げた感じに近くないとなあ。まずは米じゃないと。南部せんべいとかポテチとかおからクッキー脱落。玄米フレークなんかも除外していこう。えびせんいかせんたこせんは、うっかり優勝してしまう可能性があるので次の機会に。濃い醬油せんべいも、あんかけを前提に考えると違うかなあ。たぶん揚げせんべい方面がよいのかね。じゃあ歌舞伎揚げか?少しでもアツアツ、できればあんかけでパチパチ爆ぜるほどのものが用意できると遣り甲斐がありそうだ。油分の多い揚げ煎餅ならレンチンに耐えるのでは?いや逆にだめかもな?

    コンビニによく置いてある「しゃり蔵」とかいう煎餅が米の感じがあって良いけど、もうちょっとサイズが大きいほうが良い。サイズ感に関しては、まずは箸で食べるのを目安としてみよう。同じく亀田製菓の「手塩屋」が良さそうだけど、食べたことがある。今回の用途には、うまみがありすぎるかな?

    この時点で迷いすぎて、「レンチンご飯をいったん食べれる状態にしてからフライパンの上で押しつぶし、そのまま加熱して焦がす」という方法を思いつく。これもうっかり優勝してしまうので、今回はあくまで既製品の煎餅でいってみよう。ネットに情報を求めると、これという商品がある。しかしご近所にないので、やめた。適当にそこらでお買い求め。

    中華丼の素のほうはあまり選択肢がない。それこそ、そのへんで売ってるもので。味にはそんな期待はできないと。ところがこいつをパリパリの煎餅と一緒に頂くとですね!別に美味しくありませんでした。中華丼のレトルトの弱さ。長崎ちゃんぽんの麺とせんべいとりかえるような方法で頂くとまだマシかもしれない。

    本書のように希少で高級な材料を並べなくとも、手間暇かけて作らなくとも、メシはうまい。料理は愛情との金言もあるが、愛情がなくともうまい。犬や豚、人参にキャベツをも手懐けた、人類の執念が薄汚れたキッチンで結願した。楽園を追放されたあの女の罪は、美味い果実を選別したという事にある。

  • ぎょうむれんらく

    twitterアカウント作りました

    このサイト用のアカウント作りました。いわゆる業務用と言いますか。唐突ですが、今更ながら持ったほうが良いかと思ったものでして。中の人の個人的なSNSとしては使わないつもりでいます。twitterアカウントお持ちでしたらぽちっとフォローしてやってくださいまし。

    https://twitter.com/mogarinarinimo

  • えさのじかんだ

    めし短観

    蕎麦を沸騰した湯に放り込んで、冷蔵庫を開けて麺つゆを取り出す、と、冷蔵庫の中のなめこが目に入った。大根おろしなめこにするつもりだったが、今なら湯も沸いてるし、なめこ蕎麦に変更。麺が茹で上がるころあい、箸でつまんでそのままどんぶりに移す。つまりこれは、お湯を使いまわす算段であります。そこになめこ投入して一分もかからない、今度はざるにどばー。蛇口からの放水で雑に冷やし、返す刀でどんぶりにどばー。世にも珍しい、かもしれない、アツアツのなめこ蕎麦ができあがった。うまくもなければ、まずくもなければ。

    なめこといえば。つげ義春の作品だったと思うんだけど、なめこの炊き込みご飯というものがあるらしい。宿の女将が作者に勧めたものだったような…。経緯は兎も角、そんなものがあるのかと、ググる。ある。ご飯を炊くときに出汁となめこを入れる、というワンライナーレシピの簡素なものだ。考えてみれば、山菜セットみたいなスーパーで売ってるパックで炊き込みご飯を試したことがある気がする。なめこ単体かあ。次に米を炊く機会があればやってみようか。

    柿ピーの「超辛いワサビ」なる商品があったのでお買い上げ。確かにワサビが強烈だ。…当然ながら、それだけという商品。ホヒーとか言いながらこういうの食べるの楽しいじゃないですか。

    10年は過ぎましたかね、炭酸水が世に流行りだしてから。甘味を加えず風味を追加する商品がぽちぽち登場して、すん…と消えていくのが残念ではあります。最近買ったこちらがお好みでした。実は日本企業だぜウィルキンソン。うっすら生姜味。でもねあなた、450mlってなんだよ1割減ってるじゃねえか。日本は末法が到来しております。

    台風でコロッケ食うなら、円安で何か食っても良きかな。しかし経済にはうといので、ドル円相場だけしか耳にすることもなく。じゃあ連想されるアメリカの食い物を何か頂きましょう。などと。ピザハンバーガーホットドックパンケーキ牛乳かけて食べるシリアルコーラ…フィラデルフィア銘菓のおくすり…。いまいちピンとこないね。「まんじゅうこわい」は饅頭じゃなきゃだめなんだ、と談志は語ったらしい。これは”そういうもの”なんだって。台風とコロッケの組み合わせに合理的な意味もないけど、コロッケじゃなきゃあダメだという理屈が一瞬で出来上がった。ネットスラングのジョークをそこらの商売人が取り入れた結果であって、そこに大義もない。売るにあたって何かをこじつけようという、商人のおしごと。この清々しさは、恵方巻の喧騒よりはるかに構造がマシだと思う。で、円安においてはやはり「遺伝子組み換え食品」を食うのが風情がありウィットに富んでアイロニーが薫るこの十年で一番の出来。趣旨と道理。さあ具体的に何を食えばいいのだ。プリングルズとかドリトスあたりは怪しいか。米国産豚肉なんかもどうかな。

    季節の移り変わりに合わせて何かを食うイベントがあり、台風に合わせたものまであるなら、世界情勢や経済事情に合わせためしがあってもいいんじゃないか。それが「AWSが落ちたらかまぼこを食う」みたいな意味が分からないことでも、続けていけばそれは歴史になる。実践は任せた。

    にんにくポン酢というポン酢があったので、試しに買ってみた。ちょうどカツオのたたきを買ったところなので目に付いたんだけども。美味しくなくてびっくりした。醤油小皿ひとつぐらいの消費でもう嫌になってしまった。ニンニク味でもポン味でも酢味でもない。弱ったねこれは。にんにくの臭気はとても強烈だけど、普通はあれを良いにおいと認識する。本品の臭いはどちらかと言えば「ごっきーホイホイ」に近い、生ごみになりかけた玉ねぎの臭気に近い不穏さがある。おろろん。

    ロックダウン状態にある上海で配給された食品が、何故かタケノコだったとニュースが流れてきた。あまりに巨大になっていて、もはや食べられる状態ではないのでは?との意見も多数。仮に食べられるとしても、タケノコ渡されても困るのではないかなあ。

  • どくしょかんそうぶん

    「塗仏の宴 宴の始末」を読んだ

    一応ネタバレ。ぴえんな人は死んだふり。

    結局、「支度」も「始末」も読んだ。こンだけ長いのを読んだのは初めてだったかもしれないサ。案の定、誰がどこと関係があってどこどこに移動した、とかあまり把握できなくなった。メモとかとって横に置きながらじゃないとだめだあ。とはいえ、流石に全く右も左もわからんほどに忘れるものでもなく、存分に楽しめた。正直な話をすると、加藤〇〇って誰だか最後まで読んでも思い出せなかった。主人公が「うっかり関わった」と失態を認めたものなんだけどな。ほんとう?誰だよ。

    そういうわけなので、おそらくは他の人よりも体感でマシマシに散らかったスジがまとまり始めた終盤はお見事なものでした。なぜてんやわんやで現地にまで移動する必要があったのか、という点にもちゃんと回答があった。各人が催眠術で自分の記憶を…。本作には「不思議なことなど何もない」という決め台詞みたいなもんがあったが、本作のメインのトリックである催眠術こそがたいそうに不思議なものだと思うんだけど…まあそこはお約束みたいなことかな?よくわからない。「記憶を改ざんした」で済むんだから不思議と言わずしてなんと申さむ。んでシレっと記憶が戻るってなんだエスエフかな。

    読み終えて、冒頭。「宴の支度」の冒頭を思い出す。あれは死体だったのではないか、みたいな文章があったと記憶している。確認してみると、文章はちょっと違ったが、その「場」にいた人物の名前が書いてある。その後しばらく読み進めると、物語の後半でも出てくる人物、これらの人物が何年までどこどこにいた、みたいな情報もさらっと書いてある。「建物の位置は同じように思うが住んでいる人の話が容量を得ない」という核心まで触れるようなことを書いてある。とても記憶しながら最後読めるものではないと思うけど、これを覚えておかないと後ほど意味が分からないような小説は作らないだろう。このテの情報などをちゃんと覚えて読み進める読者なら、先の展開が読めたぞってニマニマできるんだろうか。なるほどなるほど。

    そう思って何か所か飛ばしながら読み返すと、やっぱりこれどういうことだろうか、と思う場面がぽろぽろでてくるけどもういいや諦め。自分が忘れておるんだろ。

    記憶がどうとか出てくるのでまたBIGBROなんとかってオチで〆ようとしたけど、イマイチなのでボツであります。以上。

  • ふでのゆくまま

    東京大使館探訪を完了しました。

    ルール

    東京都内の在日大使館の入り口前まで電車と徒歩でいく。ただし、部外者が立ち入りできない施設、ビル内の一室などのケース、同じくビルに複数の大使館が入居しているケースもあるため、公道から所在が確認できた程度でもOKとした。確認すらできないものも、まあ…下記に示すサイトの住所にたどり着ければOKとしました。

    この企てに於いて、大使館、総領事館の所在は外務省の情報をオフィシャルとする(下記リンク)が、開始から終了まで数年を要したので、途中で移転したものなどもある。流石に一回訪問すればOKということに。2022年春の時点で、リストにありながら確実に訪問していないことを把握しているのは「在東京セントビンセント及びグレナディーン諸島名誉領事館」だけだ。このリストも何回かは更新されているので、無くなったものは把握できたが新規追加で足を運んでいない大使館があるかもしれない。でも、この企ては終わりにしたいのでもう行かない。ごめんねごめんね。

    https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/index.html

    政治的事由で大使館とは呼ばないだろう施設も訪問対象としてカウントした。具体的には「パレスチナ」と「台湾」の二か国。東京外の大使館が在日大使館を兼轄しているものは訪問対象にしなかった。例えばガイアナ(ギニア)大使館は中国にある大使館が在日大使館を兼轄している。流石に東京都限定でゆるしてちょ。

    終了しての感想

    スタートは2015年の正月か?全部行ってみようと意識しだしたのは2017年ぐらいから。途中まではingressがメインの目的だったのですが、ingress自体に興味を失ってしまったので、単純にお散歩に変更。勤務地の変更やCOVID-19もあり、特に終盤は年に2,3日ほどのペースなので遅々として進みませんでした。あと、天気悪かったらやらないもんね。休日の早朝から行動開始というパターンが9割で、残りは仕事の帰りに寄り道。麻布、六本木、虎ノ門などは大使館の数は多く、この企て以外で訪れることも無いエリアのため、見たことない景色を楽しめました。

    こうして諸国大使館の外観・ロケーションをかる~く楽しみました。どこの国でも基本的にはオフィスなんですが、たまに特徴的な建物などあって面白いです。アメリカ大使館はいかにも「軍備」の延長という感じでありますし、対してロシアはドラクエの宮殿のようです。あんな坂の上で堂々と。他にも、例えばスウェーデンやパキスタンあたりは、どことなくお国柄が出てそれっぽい造りをしているなあ、という印象でした。ドアに凝った紋章を掲げてある国もあったりして。

    麻布十番、六本木といった賃料の高そうなエリアは、やはり規模の大きな国が多めで、子どもの頃から名前も知っている国が多い。一方で、アフリカの新しめの国家などは都心から離れて、周りに大使館が少ないエリアにあることが多い印象。例えば、上野毛にある「中央アフリカ」や戸越銀座にある「ザンビア」など。これは経済事情が大きいかもしれません。トウキオのお家賃たかいのよぅ。考えてみれば、世界中のいろんな国に大使館置くのは相当なコストですもんね。

    企業のオフィス内部にあるようなものは、やはりその企業とかかわりが深いのでしょうか。三菱商事のビル内にある「モナコ」などそうなのかもしれません。尤も、東京を離れて、地方都市の領事館などは独自の建物ではなく〇〇ビル内であることが殆どのようです。

    「大使館」とはどんな役目を担うのか。国交を持つからには必要だと便宜的に置くだけでも足りるものだろうか。その敷地に適用される法がどうとか、ややこしい話も本来いろいろあるんだと思う。自分もそういうイメージだ。だから、普通の住宅地、一室に国旗が鯉のぼりのようにはためいている、というのは正直驚いた。それでいいの?って。

    ところで、パレスチナの代表部とイスラエル大使館はほど近いところにある。何かの意図があり、何かの役目を担うために近くに設置した、という事がありえるのでしょうか。わからない。よりによってイギリス大使館まで近所にあると、流石に失笑してしまうというか。ま、まあね?隣の駅には防衛省もあるから大丈夫だろきっと。

    自分もやってみよう!という方へ

    都心部は大使館の数も多いですが、坂も多い!どこへ行っても平坦な道は殆どないです。雪の日は避けたほうが良いでしょう。特にナイジェリア大使館沿いの「江戸見坂」はびっくり。坂道マニアの方なんかはこの企てと兼轄できるのかもしれません。

    効率の良いルートを考えるのもこういう企ての楽しみの一つだと思いますが、地下鉄では駅構内の移動距離も馬鹿にならない。上りホームと下りホームで入り口が違うとか、大江戸線が異常に深いのでホームまで到達が大変だとか。自分は対象の大使館の国名と簡単な経路を事前にメモして行動しました。東銀座から日比谷線→六本木ヒルズ→ナイジェリア大使館→徒歩で六本木ヒルズもどる…みたいな単純なもの。勿論、所在地は移動中にスマホで調べることもできますが、googleMapでも拡大/縮小すると大使館のランドマークが消えてしまったりする罠があります。私の場合、全行程のうち二か所ほど通りすぎて後日再訪ということがありました。無駄足を厭うのであれば、しっかりと訪問する大使館のリストを作って順に訪問すると良いかと思います。都心にあるくせにどの駅からも微妙に距離がある、みたいな大使館をどのルートに組み込むのか、腕の見せ所です。フランス大使館とか。

    訪問者は、用事もないのに門前でうろうろしたり写真撮ったりする事になるので、警備している方や、近傍の住民などからすれば、不審者と判断され得るという事に気を付けましょう。自分は特に早朝に行動が多かったもので目立ったかも。ロシア大使館は常駐する警官が気になって写真あきらめた。総じて、確認出来たら滞在時間1分もないぐらいのもんでした。ささーっと立ち去るが良いと思います。