w:前進 s:後退 space:ブレーキ
隠す意味がないほど有名になってしまった事件の裁判が始まったようでして…。「上級国民」というブラックなユーモアが、この事件で広くに広まり、その後も使い続けられている。今後も続くだろうか。当初は起訴もされないのでは、なんて報道があったと記憶している。その後詳細は追ってないけど、本日久しぶりにニュースから流れてきた情報に驚いた。
飯塚氏は無罪を主張したという。
主張自体は被告人の権利ってやつなんだろうから、すれば宜しい。車の故障を主張したとのこと。訴訟手続きは詳しくないけど、被告からこういう主張がされたということは、「車の故障があったかどうか」について議論がされていくのかな?いまからそんな事実は出てこないと思うのだが。だって最初に調べるもんじゃないのか、そのあたりの事は。事故車が燃えたわけでも海に沈んだわけでもないが、「無かったと証明するのは難しい」といういつものアレか?でも、この主張だったら故障があったと被告側が立証するんじゃないの…。ワカンネ。
ところで、この事件もプリウス。プリウスミサイルなどと揶揄される、あのプリウス。車の暴走事故において、ドライバーが老齢のケースが目立つというのは、納得がいく。統計上多いとしても、合理的な理由は明らかだ。年を取るとはそういうこと。では何故プリウスが多いのかという点について、いろいろ憶測があったようだ。以下そこいらで聞きかじった噂話。
そもそも、商品展開の戦略として、老人層の購入が多かったのではないか?という推測。また、プリウスは案外パワフルな車種であるという主張もあった。結構な初速が出るらしいので、意図せぬ急発進したときにも、衝突すればかなりの衝撃になる。他にも、プリウスのシフトレバーの造りに問題があるんじゃないかという指摘もあった。これはつまり、現在どのギアに入っているのかが、判別しにくいのでは?という指摘。いずれも納得がいくものだった。
ここで個人的な感想がありまして。あくまで「十年に一度も運転しない」「一人で公道を運転したことは一度もない」「車幅感覚がわからず、助手席側を激突させそうになった」「ミラーを通して見る後方景色の距離感がなかなか掴めない」人間の話として聞いてほしいのだけど、本当に車の運転に、両手両足必要なのか。ゲームのコントローラー的なもので操作できるようにならんのか。アクセルを足の踏み加減で調整するというのは、自分も免許学校に通っていたころに驚いた。こんなにも気を使って調整が必要なものかと。坂道発進が何で難しいのかも、教習で体感できた。以降、一度もやってない。
「ハンドル操作は両手のほうが安定する」「踏み込めば即座にブレーキになる状態のまま運転をし続けるには、足がよさそう」「非常時にも制御できる機構が必要」といった合理的な理由はあるんじゃないかとは思っている。それでも、世の中の優れたテクノロジーがあまり車に生かされてる気配が感じられないというか…。路上に駐車するとか、すれ違えるかどうかの判断とか、もうちょっとテクノロジーに頼れないもんか。テクノロジーはいつか故障するから、それだけに依存できませんというのは、納得できる。テクノロジーでは解決できないロジックで人間が車を操作する必要があることも、わかる。橋が落ちそうだ全力でアクセル踏んで走り抜けよう!ってことがあるから、法定速度より早く走れるようになっているし、なんなら前に人がいてもお願いどけて~~~って突っ込むこともあるかもしれない。フレンチの店に急いで行きたいから「ごめんね~っ」て歩行者撥ねることも…いやこれはダメだ!!兎に角、もっとうまくテクノロジーと融合できんものかなあと思う。車載用にカスタマイズは難しいんだろうか…。
自動運転車のテクノロジーが取り組んでいるのは、運転制御よりも、状況判断の自動化なんだなと思う。人間がやらなくて良くなるのは、運転操作よりも、状況判断なんだ。長い時間をかけた状況判断で良いなら、渋滞予測とかは実用的に使われていると思う。急激な速度変化を検知して、その数十秒前からのドラレコ映像を保存するとかも、実用されてたよね、確か。これを、「走行中に数メートル先で急ブレーキを踏んだ車がある」とか「後ろの車が居眠り運転をしている可能性がある」とか難しいものに対する答えが出てくるようになると、頼もしいじゃないか。人間というのは、非常時に動き出す備品に過ぎなくなるのだ。
これで事故が起こったら、そん時はドライバーに無罪を主張できる余地があるのかもしれない。電車の乗客と同じぐらいのレベルまで何もしなくて済めば。自動運転は案外早くに実現されることを期待しているが、こういう「関連部署」のところまで世の中の整備ができるには、確かに10年後でも厳しそう。飛行機パイロットの責任がどのぐらいか、という議論が参考になったりするだろうか。
非常時の備品。それを命とよばうのであれば宇宙が人類を生み出した意味にまた一歩近づいた。火星から見えた星座にプリウスと名がついた、ある秋の夜で御座います。