雑記
ヘッドセットをワイヤレスでも使えるものにしてから、頭に被せたままPCの前を離れることができるようになった。YouTubeやAmazonプライムのコンテンツを聞きながら、トイレに行ったり炊事をしたり。スマホはどうしたという話ですが、いちいちスマホのロック解除して~なんてやってられん。何も気にせずそのまま席を離れることができますね、という程度の話なんですわ。で。PCの前を離れているので、Youtubeの広告スキップが出来ない。数秒の物ならよいのだが、たまに数分、下手をすれば十分を超えるような広告がある。
たぶん午前4時ぐらいだったと思う。早起きして洗濯物を干してからお散歩、という予定でありました。著名な海外のゲーム動画か何かを聞きながら洗面所でゴソゴソしていると、日本語の曲が流れてきた。広告に切り替わったんだろう。ゴソゴソしながらそのまま耳を傾けていたのだが、とても良い曲に思えた。誰だろう?PCの前に戻って、名前をチェックする。アナログにメモして、そのまま洗濯物を干し、お散歩に出た。良い夜明けだった。夜の底が呉須になった。
色合いについてるやまとことばって、たまに無理やりに思えたりするようなものがあって面白い。何か手に取ったりできる「もの」の呼び名を色の名前として取っていることが殆どかと思う。だから、その「もの」を知らないとどんな感じか想像できない。という概念に対して発明した言葉ではなく、手に取り目にすることのできる物体〇〇と同じ色、その〇〇がそのまま色の名前になった。空色も水色も、無いわけだ。夜明け色。
帰ってきてから、改めて曲の情報を探る。すると、その曲がそのままこのバンドのYouTube公式チャンネルにアップされている。気に入ってその日半日ぐらいリピートしていた。他の曲も探してみると、このバンドの他の曲がいくつもAmazonプライムにあった。こいつは思う壺ですな、と思いながら聞いてみると、とてもお歌がアレで愕然としたのである。眼窩の底が呉須になった。
自分が気に入ったその一曲も、そんなに酷いとは思わないけど、やや不安定というか。それでちょっとなんか残念な気持ちになってしまって、ブラウザをそっと閉じ
る前に
悪いほうの意味で興味深くなり、このバンドの他の曲をいくつか聞いてみる。結果、つまりは、こういう歌い方なんだな、とは納得した。YouTubeで流れてきたあの広告の曲の印象があまりに強くて、。あまりポジティブな文脈じゃないので、このミュージシャンのお名前は伏せる。広告で耳にした曲が凄く気に入ったのは本当だけど、結果として今、ほら、その曲のタイトルが思い出せない。
ついでにAmazonプライムとYouTubeをうろうろ。PerfumeのAmazonプライム限定ライブ配信を観る。観るというか、半分ぐらいは音だけ聞きながし。ヘッドセットを付けたまま、PCの前を離れて掃除をしたりその他諸々、諸々。これって流石に映像部分の帯域の無駄だよなと思った。いまさらMP3で音声だけ配信もしないだろう。サイズがだいぶ違う筈だからそれなりに需要はあるような、ないような。ふと、逆に映像だけってものがあったりして、と思い当たった。映像があって、音がないやーつ。考えてみても思い当たる節は4:33のアレぐらいしか、いやいや、映画の始まりはそうだったじゃないか。いわゆるサイレント映画というものが。
しかしサイレント映画でも音楽とか効果音はあるというイメージだ。本当の無音で映像だけというコンテンツ、どれほど世の中…というかYouTubeにあるだろうか。
ざっくり簡単に探してみるとサイレント映画作品がでてくる。映画原初の古い作品だけではなく、最近作られた映像作品もある。でも、ゴリゴリにBGMとか効果音がある。サイレントって技術的な制限だったと思っているんだけど、現代では「台詞なし」ぐらいの解釈なのかね。最初から音を入れない状態で完成という映像ってないんだろうか。
な、なるほど。無音状態自体が作りたいものです、と。これ以外では、いわゆるストリートカメラの類に無音の物があった。個人的には殆ど無音じゃないかと思っていたが、BGMがついていたり、カメラ設置場所の音も拾っているものが案外あった。
じゃあ自主的に無音にするかと、その他適当な動画を自分でボリュームゼロにしてみたが、特に面白くはなかった。当り前。NASAなんかがやっている衛星からの地球の眺め動画は、音(BGM)を消すことでとても本物っぽい雰囲気になった。知っているスポーツ全般は、特に不自由なく理解できた。マイナーなボードゲームなんかをルール説明の無い状態で見たらどうかと思ったが、そもそも音声上は重要じゃないと思いなおした。自分が知らないボードゲームを探すのも面倒だった。料理は画面にレシピが出たりするので、情報不足を感じながらも内容を把握できる。しかし文字情報が無いと、その一瞬先の展開がわからない。突然画面外からフライパンに肉がドバドバ降ってくるのとか、ちょっと面白い。じゅわ~とも言わないから、加熱による変色が怪奇現象に見える。
知らない曲を音声オフで見てみる。とりあえず適当なクラシック作曲家の名前を入れて、オーケストラ演奏を閲覧。オーケストラのブラス隊は、謎の物体で口を塞がれて呼吸できずにもがいている人たちに見えた。すごい顔でほっぺをぷくぷくしているので、このまま死ぬように見える。チェロを必死の形相で弾いているアジア人のおっさんも面白い、しかしチェロの楽器本体その全容が見えてしまっているので、不思議なことをしている人には見えない。ってこれ、ヨーヨーマか。こんな企みで閲覧してもうしわけねえ。ビブラートの効果が全く判断できないので体に異常をきたして震えている様に見える。ふむう、なんて真面目に見ていたら、唐突にカメラ目線で目を見開いたので怖いマ。
カードマジックも実に珍妙になった。説明がないから、ただ、適当なカードを見せたり隠したり並べたりしているだけに見える。例えば客からカードもらって、それを返すと客が驚く。なんだこれ。「これ俺もできるわ」と言いたくなる。
流石にこの辺で飽きた。
夢の映像を覚えていることがある。はるか昔に観たものを、今でも鮮明に覚えていることも、ある。天国パラダイスユートピア桃源郷浄土、これらを求めた人はきっと夢に見たのだ。目撃し、体験を感じたのだ。でも私は、音を覚えている夢って思いつかない。あの夢も、この夢も、何かセリフのやりとりを覚えていたとしても、音を思い出せない。音が無いということが、夢の世界の一つの要件だったら?夢の世界の凄惨な艶やかさに病んだ明けに、お日様が軋みながら空に昇るのを目撃した。ワイヤレスにしたヘッドセットから、太陽の可動音が漏れてくる。太陽系はまるごと銀河を、宇宙を爆走している。この事実が知れてから何年たった?なぜ何も言わないのだ。けしむらさきの夜に先立ち新たな天動説を上梓せねば、冥王星に申し訳が立たないのだ。
3月。