• どくしょかんそうぶん

    なんかいろいろ観たり読んだり

    2023年の後半、ぐらいの広い時間軸でまとめていろいろと。

    週刊少年ジャンプ

    2,3年に一回買う。自分の目にする範囲では、ネット上のSNSアカウントというような知人とも言えない人々でも、週刊少年ジャンプ読んでいるという人は見かけない。今回読んだのは2023の9月18日号。巻頭カラーが全部自社コンテンツの広告でシビれる。以上。作品の感想は特にない。ここに掲載されているってことは、当代一流(見込み)の漫画家の作品ってことになるんだろうけど、普段から漫画に興味の薄いおっさんが読んで面白い筈もない。内容なんて自分が読んでた小学生~高校生の頃と、さほど変わっている印象もなかった。まだ友情努力勝利の世界か。

    「巨大数入門」

    以前、「寿司虚空編」を読んで大変に面白かったが、巨大数の部分については数学、それどころか算数の知識が付いていけず、良く分からなかった。数の定義だったらどこまででも行けるぞ!という話で、神話の世界みたいなことかな、と解釈した。…俺は何を言っているんだ?

    本書は入門編ということで易しい内容かと思えども、さすがに「数学は得意」ぐらいの前提がないと厳しそうだ。少なくとも、高校の数学の授業は真面目に受けていましたぐらいの素養は必要だと思う。logとか言われてもそんなの私が学生時代を過ごした20世紀には無かったんじゃない?と思われる。それでも読み進めると、数がデカいというだけで本当に神話のレベルまでぶっ飛んでいるという事を察せられる内容で、とりわけ「数が巨大すぎて10進数で表記するには宇宙の全物質をインクにしても足りない」という例えはシビれる。大きな桁数の呼称シリーズで人気の「那由多」は1の後にゼロが68個続く。100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000となる。簡単に表現できる。手書きだって余裕だ。じゃあ仮に百万桁だったら。ゼロがひゃくまんこ。流石に手書きは厳しいが、仮に印刷したとしても、自分の部屋には収まるサイズなんじゃないか。…計算したら1文字を0.25cmで書いても学校の校庭にギリ収まるかどうかってサイズでしたああああ数学センスがネガティブインフィニティ。

    ここから宇宙の全物質でも足りないまで飛躍するサイズ感。神話だわ。良くわからんけどそういうのが存在するって事で進めますよ!おー神話だ。人は数を発見するはるか以前から、広さ眩しさ重さ大きさ魚型の生き物に畏れをなし神を発見したのだ。何を言っているんだ。巨大数の話も何を言っているかわからんと思うので皆さんも体感を感じメヴー。

    「ケーキの切れない非行少年たち」

    持ってない巻を買い足し拝読。作品の印象は変わらない。人生の事情は各自様々だが、世の中には物事がうまくいかないパターンというのが客観的に存在する。「成功する理由はこれだ!」と言い切れなくても、その逆の失敗パターンは過去の歴史やノウハウが雄弁に語りだす事がある。本書の場合、当人が選ぶこともできない生まれながらの境遇や能力と、世間との軋轢がその失敗パターンということになっている。それを支える立場と、どうにかあがなおうとする当人の物語。

    本人も能力や環境がゆえにしょうがなくて、助けたい側も結局は本人の問題なのでしょうがなくて。これでは書籍の物語として考えても救われないなあって思うんだけど、現実はそんなもんなのかね。…うん?自分は同じ事を拙ブログで書いた気がするけど…ものぐさなので調べない。失敗パターン。呑気なもんだ、しびれますね。

    ラーメンハゲ

    作品タイトルで語られないというのは、出版や編集は兎も角、著者としてはどんな気分なんだろう。申し訳ないので「ラーメン再遊記 8巻」とタイトルを記しておきましょ。とはいえやはりラーメンハゲ物語である。私は、ラーメンというものはお店に食べに行くよりも、家で手軽にお湯を注いだりフライパンで麺を茹でて食うもの、という派閥に属する。だから、本書の次巻へ続く展開でインスタントラーメンが登場するのは、じつに興味深い。でも流石にインスタントラーメン編は、話がすぐ終わりそうな感じもあるな。まさか開発するまで話広げないよな。…広げそうだな…。ラーメンハゲの後を継いだ天才社長の出番か。

    新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門

    東京都内の坂道を鑑賞し堪能するという一冊。いかにもタモリらしい。タモリ倶楽部でも地形がどうのという蘊蓄の回ありますね。

    ここで自分語り。自分も大使館巡りなどをしている時に、港区の坂にはなかなか苦労した。その日にどこを訪れるか事前に計画を立てて行動していたので、横道など目もくれずに目論見を立てたルートを踏破するばかり。基本的には薄暗い時間帯、季節によっては夜明け前と言う中を歩いていたので、本書のような情緒もへったくれもなかった。

    本書では港区以外も紹介されているが、案外知っているような、通った記憶のあるような場所も出てくる。この坂は、さまぁ~ずと大江麻理子がサイコロ転がした坂では?なんて。そういえば、ネットでこうした都内のおすすめ散歩道みたいなを情報あつめて出かけたりした。最初にそんなことをしたのはまだ20代だったんじゃないか…?その当時から行ってみようと思っていて、まだ訪れていない場所もあるな。はてさて。

    せいすうたん

    881円かと思って買ったけど1881円だった。1881円の漫画て。電話帳みたいなAKIRAだってもっと安そう。数学書としてのお値段なのかなあ。自分にはちょっとついていけない数学の話だったけど、まあそこは想定内。ボキャブラリーを増やす、ぐらいの感覚で流し読み。しかし自分もエントロピー相関がついたのでしょうか、数がたくさん並んでいるとか判読が難しい数式で薄ら笑いが出るようになりましたッピー。

    ましたッピー。

    自分の好きな漫画家に鈴木みそという人物がおりますが、本書の著者である小林銅蟲にも同じバイブスを覚えます。奔放な爆散が許されない時代ではありますが、後発のアドバンテージでうまく対応してやっていけば面白い事に収束するんじゃないでしょうか[要検証]

    ジパング

    アニメ版がYoutubeで無料公開されていた。ネットで調べたところではこれで物語の半分ぐらいまで公開されているようだ。面白かった。作中の「資料室」のくだりは、これは進撃の巨人の「地下室」とおなじだと思いました…。あれも確か、父の(表向きの?)生い立ちと世界の姿を知ることに繋がったと…。なんなら未来も?船の名前が「みらい」というのも格好いい。自衛隊の船の名前は流石にこう、日本のバイブスを感じるものであってほしいと思う。なんなら「もがり」…は縁起が悪いか。リンク先は船のリスト。

    https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/

    火葬場で働く僕の日常

    火葬場は殆どの人が人生で何度かは訪問することになり、最後には自分もお世話になる施設。しかしながら、顔が火照るほどの熱と灰にうずもれた骨ばかり印象に残って、その仕事内容は存じ上げない。その仕事内容にフォーカスしており、シンプルに大変参考になる。墓地でたまに無縁仏の墓など見かけるが、墓があるからには人が死んでおるわけで、死んだからには亡骸がある。火葬場で焼かれた骨はそこでストックされるんだそうな。確かに丁寧に弔おうにも、無縁仏では段取りする人もいないわけだ。こんなご時世だからコロナの話もある。ううむ…。

    ゴミ清掃員の日常

    売れない芸人が肉体労働に精を出して食つなぐというのは、たまに耳にするストーリー。本作の著者は何故かベテラン限定の漫才賞レースで注目を集めたマシンガンズの滝沢氏。少し前からゴミ清掃員としての活動で知られている。漫画を描いているのは奥様だそう。ゴミの分別は人間が持つ最低限の良心の一つだと思っている。偉そうに言うけど、洗い物面倒だからお弁当のパッケージを燃えるゴミで出すこともある。PETになってる調味料とか洗剤の容器をプラごみで出してしまったことも、きっとあるだろう。流石にビンと生ごみ一緒に出したことはねえなあ。

    「親の手伝いで子供が燃えるゴミを渡してきたことがあったが、ビンが混じっていてなんだか悲しい気持ちになった」

    作中のとある一コマ。良心は生まれつき持っているものでも、勝手に芽吹くものでもない。教育の一つでゴミの分別教えてやらないとダメなんだよね。あるいは「子供だったら受け取るだろう」と悪意を持って親に利用されているのかもしれない。自分も相当に物ぐさだし、ゴミの捨て方なんてもので人間を値踏みされてはたまらないと思う。だけど身なりとか話し言葉とかで判断される人間性は、だいたいあってるんだ。

  • ふでのゆくまま

    JUMP

    子どものころに平成を迎えたという世代の思い出話。

    Amazonプライムで、「!!男塾」の第一巻が無料になっていたので読んでみた。何度か読んだことがあるものの、やはり「その後の作風と比べてだいぶ趣が異なるなあ」という印象になる。「学園ギャグ路線」とでも言えばいいんだろうか。無茶苦茶な学校で無茶苦茶な事をしている、という、どちらかというと滑稽話が多い。周辺住民や警官なども登場したり、生徒が街へ繰り出した場面もあったりして、社会の一員としての学校であるという体裁を保っている。

    その後、話の細かいところは覚えていないのだが、学園内部での決闘だとか学園を代表して奇人演芸会武闘イベントに出場するという話が延々繰り返されて終結する…と記憶している。バトルばっかりしていた。当時週刊少年ジャンプに連載していた他の作品も、同じようにバトルばっかりになったと記憶してる。

    覚えている当時読んでいた作品を並べてみるか。ほれ同世代もがんがれ。

    「ドラゴンボール」はそういう方向性でおなじみ。バトルの方向性は、本作の人気が嚆矢だったんじゃねえのか?「ジャングルの王者ターちゃん」までいつしか殴る蹴るの場面ばっかりだったように思う。「燃えるお兄さん」もかめはめ波みないなの放ってなかった?「幽遊白書」もどういう流れで妖怪だか魔物だかとしばきあう話になったんだっけ…??「るろうに剣心」は剣客の時代劇というテイだから斬り合いぐらいするのが自然か。「スラムダンク」もスポーツなんだから強敵と勝負するのは普通のことだな。「聖闘士星矢」も闘士っていうぐらいだもんね…これジャンプだっけ?ジャンプ以外に読んでなかったから、読んだ記憶があるということは、連載していたはずだけど。「シティハンター」は裏社会ものだから命を削るやりとりも納得か。銃を撃ってるし。「こち亀」はどうだったかな。少なくとも両津と大原のバトル漫画ではなかった。あとは…なんか野球の漫画があった気がする。あれ?「BASTARD!!」もジャンプじゃなかったっけ?少年にはエッチな場面がまあなんだ…その。

    思い出せるのはこんなもんかな。で、正解探しに当時の連載作リストをネットで調べたら、なんと「北斗の拳」が漏れている。ひでぶ。「ついでにとんちんかん」も大好きだったのに思い出せなかった。「ハイスクール奇面組」もジャンプだっけ…?ジャンプしか買ってなかったのは確かだが、当時は友達の家に行くと兄弟が読んでいる漫画とかがあって、読ませてもらったりもしてたもんだし。床屋の待ち席にも山ほど漫画置いてあった。とにかく。

    そう自分は、週刊少年ジャンプとファミコンで子供時代をすごした。世の多くの人と同じく。お父さんお母さんありがとう。

    で。週刊少年ジャンプには「友情努力勝利」というキャッチコピーがあったと記憶してる。バトルが人気でたからこんなことを言い出したのか、当初からこういう方向性だったのがいくつかのヒット作で実を結んだのか。この疑問の答えもネットに求めると、驚いた。まず、このコピーは公式に謳われたものではなかった。しかしその方向性は1960年代から見受けられるというのだ。単なる集英社の(あるいは週刊少年ジャンプを担当していた部分の)社風?習慣?ということだろうか。何となくでこんな端的な単語三つにならんと思うので、社内に貼ってあったりしたんじゃないかと想像する。

    キッズの自分がそんなキャッチコピーを当時から意識していたとは…思えない。でも、おっさんの自分が週刊少年ジャンプを思い出すにあたり、セットで出てくるフレーズということは、当時読んだ作品の印象に、違和感なくマッチするものなんだろう。例えば…「死ねいっ」「ぐはっ!」とかやりあってたのが、同じチームになって仲間となり、新たな敵と戦うとか。仲間を思う気持ちで強大な力に目覚めるとか。

    このパターンが、物語の王道パターンと感じる。これは…週刊少年ジャンプで育ったから?それとも、世の中の道理というか人間の歴史を経た感情として世界共通の当然の何かだとか?美しい人生のテンプレ。俺の友情、俺の努力、俺の勝利!!脳筋か。

    大人になったからには悪ふざけだ、逆の方向性をキャッチコピーにしよう。例えば「冷淡怠慢逃亡」はどんな感じになるだろう。関わらない耐え忍ばない戦わないの3ない運動。美しい人生のテンプレ。逃げるが勝ちならJUMPで勝ち確だって?いやあさすがに嘘だ。愛をとりもろせ。あべし。