きかいじかけのかみ

tsujitsuma合わせ

NTTからお知らせが届いた。内容は良くあるやつで、紙の送付やめますというのと、サービスの細かい内容がどうたら。はいはい、とスルー。しかし、そこで目を引いたのが今後は「住所や姓名に含まれるJIS規格外の文字を使いません」というもの。名前や住所を取り扱うサービスはみんなこの点で苦労があったんじゃないかと思う。NTTぐらいの規模だとサクッと「変えておきました~」なんて話にならなそうなのも想像が付く。この変更自体は2021年に通知済みということで、その時点で技術的な対応はできていたと察する。よーーーーーーやくやる気になったか、あるいはなんか法制度に変更があったんだろうか。お知らせを見ると「個別に外字を作成し対応してまりましたが」だそうだ。ご苦労様でございやす。

さて、これでサイトウさんのバリエーションもいくらか減るんだろうかと思ったのだが…。話のレベルが違っていた。下記のwebサイトから対象文字のPDFを参照できるが、比較してもまったく違いがわからない。明朝体とboldで比較されているせいもあるかもしれないが、まじでわからん。なにこれ?

https://www.ntt-west.co.jp/denwa/2026bill/jis

勿論、変化が分かりやすい文字もあるんだけど、この表を見るに、旧字体を使わないなどという話ではないとは理解できた。人名や地名にはそこに至るまでの歴史があり、そうそう容易く無くなったりするべきではないとは思う。それでも時代の変化には寄せていくもので。

ぼんやり眺めていると、「辻」という文字が使われなくなると記載がある。点が一個減って、普通のしんにょうになるようだ。ところが、PCで変換しても点が二つのバージョンが出てきて、点が一個のほうが出てこない。what the fuck??? 漢字ペディアを見ても、二つのほうしかないような…。

https://www.kanjipedia.jp/kanji/0004911500

つまり、変更されるのは「辻」ではないということだろうか。そっくりな別の文字?それにしたって点一個のほうは「つじ」では変換も出来ない。自分はこの文字を、むかし西部に居た野球選手が思い当たったので、その人物で調べるとwikipediaがhitし、さらなる衝撃を受けることになる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BB%E7%99%BA%E5%BD%A6

以下の注意書きがある。

このページの項目名には、環境により表示が異なる文字があります。公式の表記では「辻」の「 辶 」(しんにょう)の点が一つです。

何を言っているんだろうか???さらに、この「辻」について調べると、wikipediaに以下の項目すらあった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BB_(%E4%BA%BA%E5%90%8D)

漢字としての「辻」のしんにょうは、日本では2000年に制定された表外漢字字体表により2点しんにょうが標準とされたものの、戸籍上は1点しんにょう「辻」と2点しんにょう「辻」は別字として区別され(戸籍統一文字番号においては1点は437660、2点は437750となる)、「辻」姓は1点しんにょうで登録されているケースがほとんどである。また、地名など人名以外の固有名詞でも1点しんにょうが正式とされる場合がある(「辻」に限らないしんにょう全般の字形については一点之繞と二点之繞を参照)。なお、戸籍において漢字の「辻」は、姓には1点、2点どちらも使用できるものの、名には2点しんにょうの「辻」しか使用できない。

日本語は世界一難しいなんて言われる。ここに挙げたような例まで考えると、もはや制度上の不備というニュアンスのほうが近いのかもしれない。あるいは、人名や地名といった歴史的な重みがあるという点に過度に配慮をした結果なんだろうか。

試しに、辻の人物を検索してみる。綾辻行人、辻元清美、辻井伸行、辻仁成、辻希美。みんな点が二つだな。しかし、辻希美のwikipediaには婚姻前の旧姓が書いてあって、そこに載っている文字は点が一個の「つじ」だけど、コピペすると点が二つのものになった。もはやブラウザやエディタ上の表記で考える問題ではないのだろう。そういうテクノロジーや理屈の外にある問題。見比べてもわからん違いに歴史があるってんだ。そりゃあNTTも慎重になるというものか。にしても不毛じゃないの。他のマルチバイト文字列の国ではこういう問題起こってないのかなあ。カンボジアとかどうよ? 

そーいえば、ローマ字で読みを表現する規則も変わるなんてニュースあったな。気にもしてなかったが、目を通すぐらいしておいたほうがよろしいか。検討会の文化庁PDF直リンク。こりゃ世界一難しいわな。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/roman/roman_10/pdf/94230301_01.pdf

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