どくしょかんそうぶん

「赤と青のガウン」を読んだ

著者名に「彬子女王」とあり、「赤嶺総理」みたいなペンネームかと思ったが本物の日本国皇室の女王であらせられる。ええええええ。赤嶺総理の書籍ももし実在すれば大変興味あるが、ここは実在する女王の一冊を。なお、奔放な行動で話題のあのプリンセスと勘違いしていたが、本書を買った後でyoutube観ると別人だった。皇室関係はお馴染みでありながら縁遠いご家族であります。この本を読んでいる時期にはたまたま今上の天皇陛下がオックスフォードを訪問したりしておりました。

内容はオックスフォードの大学院にてガチな研究をされた、日本のプリンセスの留学エッセイ。特段珍奇な事件が起こったりするわけではなく、海外あるあるみたいなのほほんとした話も多い。いやあ海外怖いね。また、「研究って何をするんだ?」という疑問には十分にこたえてくれると思う。やらなきゃいけない事それ自体は日本のそこいらの学生と同じなんだけど、きっと質が高いのでしょう。時々ユニークな家業の事情が顔を出す程度で、本当にオックスフォードで学んだ人のエッセイだ。

オックスフォード側がそんな事情に慣れているという事じゃないかな。どこどこのプリンセスだのは、世界中からいくらでもやってくるんだろう。世界の首脳ってのはそういう学生時代の横のつながりがあったりするって、どこかで目にした。今上天皇だってオックスフォードへの留学経験がある。北朝鮮のあいつだって海外留学の経験あるし。ただ、本書にはそういうエピソードは出てこなかった。うおおおおって論文づくりに苦労しながらの生活が続く話だ。

という中で、カフェで論文を書いていると、なんか進捗が良いって話があった。雑踏の雰囲気や、目、耳に入る刺激が良いアクセントになる。これは自分もわかる。本書ほど本気で何かに取り組んだりしていない恥の多い人生だが、真剣に何かを考察するときに、他の雑用をしながらだとふっと何か大事な閃きを得ることがある。しばらく前から、日本国でも駅の中のスタバで書籍やパソコン広げて陣取っている人々をみかける。そういうことなのかね。

なお、本書によると彬子女王はボケ担当であるそうな。ツッコミは妹の瑶子女王。漫才でも始められては如何か。将棋棋士もそんなことを始めて話題になるぐらいだ、宮家なら話題には事欠かない。正月の一般参賀で突然「はいどーもー」って始めたらどうか。関東でも関西でもない皇室ルーツのお笑いである。それはそれはシュールで気品が高く、面白いのかなんなのかも良くわからん笑いの地平が開くやもしれんし、皇室コントで一発あてて終わるかもしれん。

彬「うちのはとこが三種の神器の名前忘れてもーてー」

瑶「はとこ…は現役のあのひとやないかい。それほんま大丈夫~?」

まあその、普通に読み応えある良書です。

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