ふでのゆくまま

ぬるいわ

そういえば、ぬるま湯で洗う事が推奨されているものがあり、その準備として給湯器の温度を36度にしたのだった。それをすっかり忘れていて、その日の夜、風呂でシャワーを浴びながらそのぬるさに「壊れたかな?」と恐々としていた。蛇口をひねればお湯が出る、便利な世の中の有難さよ。いつだったか給湯器が壊れたとき、ビジホに泊まったっけなあ。

その時に世話になったホテルも、今はなく。またこんなことがあった時のために、場所とかお値段とか押さえておくか、なんなら意味もなく一泊してみたりしようかしらん、と調査を始める。するとすぐに、もう一個近場にあった筈のビジネスホテルも無くなっていると判明して少々狼狽する。ググって出てくるホテルは少々遠い。急場しのぎでの利用を考えているんだから、少々すまいから遠くても問題ないが、近いほうが助かるに決まってる。ホテルに入ったものの、いったん家に戻らなきゃいけない、なんてこともありえるんだから。電車に乗って大きな駅へ移動するか、あるいは徒歩20分といった感じで、ちと心もとない。「わけあって自宅で一晩すごせない!」こんな時、世間の人は漫画喫茶とか利用するんだろうか。漫画喫茶も利用したことないなあ。そういえば、どこかにシャワーがついているコインランドリーを見かけたのを思い出す。なんとなく記憶を頼りに地図上をうろつくと、先ほど見つけたホテルよりははるかに近い。風呂関係のトラブルだったら、こっちのほうが急場しのぎには良いか。

漫画喫茶も貧民窟みたいなイメージになって久しい(個人の感想)gmapのレビューとか眺めても、ちょっと利用する気にはならない。

だったら、給湯器が壊れても自宅でシャワーや風呂が使える工夫を考えてみるのも、良いか。さっそくキャンプ関連の情報を漁ると…例えば、ビニール袋にお湯入れてつるして穴をあける、というシンプルな方法が紹介されていた。お湯5リットルだとして、重さ5キロになるわけだが、そんなもの吊るせるだろうか?ネットの浴室干しのためにマグネットで受ける部分を張り付けて、竿を渡してある。Yamazakiの物干しホルダー。商品説明によると6kgまで耐えれる。家で非常時に使うのだから、もうちょっと軽くして、二袋に分けるとかでも全然問題ない。

今はUSB給電でお湯を汲み上げるシャワーなんてのも、あるのか。ポンプで圧縮空気を使う商品もある。園芸で使いそうなやつ。…ああ、だったら、じょうろでシャワー浴びればいいのか。これは簡単そうだけど、園芸やってないとでじょうろ持ってるやつ居ないだろう。

というわけで、ビニール袋でシャワーを実践してみました。いつものようにろくに画像や動画はありません。ユーチューバの皆さんは防災啓発案件でやってみてください。キッズは夏休みの自由研究だ!

今回はあくまでシミュレーションということで、まず、給湯器をぬるま湯35度にセット…できないな。ま、一番低い温度にして今回の体験にしようと。シャワー用途に用意できる温水の量は限られている。普段のように充分に熱い42度ぐらいのお湯を用意するよりは、ぬるま湯で水量を増やすことが大事とみました。今は給湯器で用意してますが、”本番”ではバケツの水に電気ケトルで沸かした熱湯を入れることになります。ケトルの容量は僅か1.2リットルなのですが、これでお湯が用意できるでしょうか。AI君に聞いてみたところ、ジュールがどうとか難しい蘊蓄も並んで大変に学びがありますが、「100℃のお湯を約2.8リットル加えると、20℃の水を35℃に温めることができます」だそうです。計算わからないので検算なし。水の質量は5リットルで計算をお願いしましたが、こりゃ無理だ。仮に最初の水温が30℃でも、35℃まで挙げるのに1.6リットルの熱湯が必要。蛇口から30℃の水が5リットル出てくること、あるのだろうか。温水プールの温度は20℃後半ということなので、目標値を再設定する。

「20℃の水が5リットルあります。水の温度を25℃にするには、100℃のお湯を何リットル加えれば良いですか。」

🤖>1.58リットルです。

現実味ある数値になった。しかし5リットルの水に足すと、重量が耐荷重性を超えてしまうなあ…。また、20℃と想定しているお湯割りする前の水温、こちらは現実的なのだろうか。そこを考えてなかった。水道水の水温は水道局にちゃんと資料があった。すばらしい!!

https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/topic/03/

うーん。これはもう無理よ。夏以外には耐えうる温度でビニール袋シャワーを浴びれる機会を作るのは難しそう。ガスで湯沸かしも併用すればお湯の量は足りるかもしれないが、熱湯お代わりしている間にも冷めるもんな。しかも今回は外気温37℃という真夏にやっております。冬は快適とは程遠そう。

さて、理論を考察したは良いですが、家に温度計がありません。給湯器の温度も実際はそんなぬるま湯に設定できませんでした。そのため、実践した内容は以下です。水道水をバケツにだいたい3リットル用意して、電気ケトル目いっぱいの1.2リットルの熱湯を足す。熱すぎて浴びたら死ぬんじゃないかというお湯ができる。水が少なすぎたか?水を足す。それでも、十分すぎるほど温かいお湯になった。これをコンビニで買い物したときのビニール袋に入れる。全部は入りきらないので適量。体重計にこの状態で乗せると4kgほど。すでにわずかながら水漏れしている。

物干しざおにS字フックをいくつかぶら下げて、ぬるま湯の入った袋を吊るす。服を脱ぐ。袋の下に立膝。爪楊枝で穴をぷすっと開ける。十か所ぐらい開ける。お湯が飛び出す方向がまばらになってしまうが、これはしょうがないんだろう。ごくごく低水流のシャワーとしての役割は果たしてくれている。体を洗って、泡を落とすことはできる。たぶん40℃ぐらいのお湯になっているので、真夏の自宅の風呂という事もあり、体は冷えないレベル。髪を洗って濯ぐのは無理そうなので、こっちは水シャワーで。使い続けて、お湯の量が少なくなると、水圧が下がる。そのため、お湯がシャワー状に噴き出なくなってしまった。ちょろちょろ水漏れ状態になった。この状態になるまで、3分ぐらいはいちおうはシャワーとして利用できたと思う。体のほうをあっちこっち動かして、お湯が当たってほしい場所を移動させながら。

まず、chatGPTの計算は合っているとしても、適温のお湯を用意するのは手間だ。計算なんてしてられないので、これなら耐えれるという程度のぬるま湯を、なるべく多量に用意するのが良い。ただし、ぬるま湯をチョロチョロ浴び続けるのは、かなり不快。また、冬にやるのであればさらに大量のお湯が要る。自宅でやるなら命の危険はないだろうけど、でっかい鍋とかで湯沸かしできないと厳しい。

以上。

限られた時間、水量で、自分はどのぐらい満足できるのかを体験しておくのは、十分に意義のある試みだと思います。これで平気なもんだな、と思うか、絶対にムリだっ!て思うかで、備えの内容も心構えも変わってくることでしょう。

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