ラーメンハゲ
漫画って強烈な個性を持つキャラクターが出てくると思う。なんでかね。世に倣って「漫画の魔法」とか言えばいいのか。「ラーメンハゲ」もその一つで、特にグルメでも、ラーメン好きでもない人間でも知っていたりする。自分もその一人で、グルメでもないし、なんならラーメンもそんな好きではない。このたび、「ラーメンハゲ」本来の出演作を読んだ。「ラーメン発見伝」と「らーめん才遊記」の二つ。
ラーメンハゲとは。
画像検索すると納得いただけると思う。凄みのあるキャラクターだ。他作で例えるなら「至高と究極でメニュー対決している新聞社員が出てくるグルメ漫画」の先生。でも、あの先生と比べて、このラーメンハゲのほうが如何にも現代的な、野心に富んだ実力者という雰囲気があり、一見怪しい容貌に威厳すら漂っている。結果、「ラーメンハゲ」という作中にも登場しないあだ名が知れ渡ることになった。
どちらの作品も少年スポーツ漫画のような展開の作品で、とにかくただひたすらラーメン作って「勝負だ!」なんてやっているのだけど、そこそこの頻度でラーメンハゲは登場して印象的なセリフを残していく。「やはり、俺は…客を信じ切れなかった」という名セリフも生まれたりなんかして。「美味いラーメンを作る人」だけではなく、店主やオーナーとしてのビジネス観点がとても良い。美味いラーメン作って終わりなんてのはただのラーメンマニアであると。だからより一層「客を信じられなかった」というセリフが刺さる。なんで信じられないのか、というあたりは「ラーメン発見伝」をよんどくれ。
自分は前述の通りラーメンに興味はなくて、「家系」が何を意味するのか知らない。でも、日本全国の地名を冠したラーメンがたくさんあるというのは、流石に知っている。町おこし的な要素で生み出されたものもあるかもしれないが、そんなにもバリエーションがあるというのは面白い事だなと思う。どの地方にもある銘菓みたいなもんかー?連休明けにお土産に頂くことのあるようなやつ。だったら、ラーメンも実際に食ったらそんな変わりないんじゃねえのか、なんて思ってしまう。
ラーメンを外で、つまり飲食店で食べた経験が数えるほどしかない。子供の頃は覚えてないけど…東京に出てきてからは10回ぐらい?…試しに、覚えているのを紙に書き出したら本当に10回だった。25年で10回。旅先含む。仕事中の昼飯含む。法事含む。その全部が付き合いでラーメンになったもので、一人だったら外食でラーメン選ばない。…と、思っていたが、一回だけ、一人でラーメン食った記憶を思い出した。天下一品に一人で行ったことがある。
その数か月前に、誰かと一緒に食べた。夜だったと思う。じゃあバイト終わりか?こってりのドロドロスープにびっくりした。そして、「もう一回食ってみよう」なんて思ったんだろうか?一人の時、どの店舗で食べたかも思い出した。で、その時、「このドロドロスープにはXXXXXが入ってるんじゃないか?」なんて思いついた…ということも記憶している。もう15年以上前だ。その思いついたアイデア、今度試してみよう。まさか寸胴でスープを作るなんて出来ないので、カップ麺に足し算でやってみよう。誰に食わせるでもないものだ、客を信じる必要も、自分の舌を信じる必要すらない。
実際の回答は得ようがないが、万が一正解だったら面白いなあ。