「イラストでまなぶ!戦闘外傷救護(増補改訂版)」を読んだ

昨今の世相を見るに、非常事態が重なると、満足な医療が受けられない可能性は非常に高いと思う。我が国の医療がどうのという話ではなく、社会はそういうバランスで成り立っているという程度の個人的な認識だ。コロナウイルス騒ぎが2020年には収まらないのではないか、という情報があるなかで、スマホが地震速報のアラートを響かせるとあればより一層心配になるというもの。実際、コロナ抜きでも首都圏の大地震一発でそうなってしまう可能性は高いとおもう。「そうなる」というのは、負傷者や元負傷者がそこいらの道端やがれきの下に転がっているような状況だ。本書のような内容に興味がわくのは至極当然なのであります。

本書は戦闘外傷救護とある通り、戦場での救護に重きを置いた内容だ。兵士がどのように戦場で救護を行うのか、という視点といえる。自分が兵士のような実践的な訓練を受けることもないので、まさか本書を読んだだけで人が救えるとも思えない。でも、一縷の望みをつなぐことが、出来るかもしれない。

本書は戦場での対応が主であるから、「銃弾による外傷は(兵士の)着衣の上からは視認が難しい」という我々には縁がないように思われる事例も書かれている。ヘーヘー。また、兵士が持っている軍用の装備の使い方も写真付きで詳しく解説されている。「銃を構えて敵を警戒したまま、膝で体重をかけて止血する」銃を持つことはあり得ないと願いたいところだが、銃じゃないもので両手が塞がることはいくらでもありそうだ。

ここで正直に言うと、kindle無料枠だったこともあり、そこまで細かく内容を読み込まなかった。(どうやら無料期間が終わったらしく、1700円ぐらいの価格がついている)ぼんやりとお布団の中で読み進めた程度。上記の他にへえと思ったのは、軍用犬のK-9という呼び方が犬の学名からきていること。直接圧迫で止血するときは、傷口にぐりっとガーゼを突っこむようにして圧迫すること。傷口を全体的に圧迫するだけでは不足らしい。とにかく止血は非常に重要であること。例えば太ももから大出血すると、3分で失血死する。胸部の出血より早く死ぬ。止血し始めた時間を書いておくことはその後の処置で有用であるらしいこと。心臓は左胸にはないので、心臓マッサージをするときは胸の真ん中、上から体重かける。斜めに体重かけると肋骨おれるよ。

また、メディックは最前線になんかいないという事が書いてあった。ゲームや映画では、負傷したら「メディーーーーック!!!」と叫ぶと何処からともなく駆け寄ってくるイメージだ。実際には最前線よりやや後方、ある程度安全が確保された領域にいるらしい。最前線では自分たちで処置をして、後方のメディックに送るらしい。

「一縷の望みをつなぐことが」なんて書いたけど、難しいとおもう。東京で地震が起こって、そこらじゅうが阪神大震災で一番被害があったエリアのような状況になったら、戦場より状況はひどいんじゃないかと思う。訓練を積んだチームワークなどは存在しないからだ。救助も期待できるか?本書はきわめて実用的な知識を得る書籍ではありますが、逆になんか絶望的な気持ちにもなった。怪我をしてもなんとか助かるだろう、なんていうのは幻想なのかもしれません。

まあそれでも。自分が無能でも周りに有能な人がいるかもしれないし、自分が死んでも物品があれば他に助かる人がいるかもしれない。備えをすることはやはり有用だと思います。兵士が携行するようなものまで揃えようなんてキリがないけど、「清潔な布」ぐらいでも役に立つのかもね。世界は戦場であり人生は兵役であります。祖国とは我々一人一人の血であり魂であり稼いだ金であります。豊かさとは壁の厚みであり安心とは備蓄の量。セーブポイントを自力で作れる人が勝ち組。

なるほどつまり。

イシャはどこだ!

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