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「アルジャーノンに花束を」を読んだ
!?!?!?
最初の数行を読んだだけで驚愕していったんkindleアプリを閉じてしまった。これは個人的に思い当たるフシによるもので、全く以て世間の皆様には関係ないです。だけど、俺は”これ”を読んだことがあって、いや本書を読むのは初めてなんですけど、あわわわわ。わたくし本人にしか分からない事なのでここまで忘れてください。しかし私はこの驚きを忘れることはないでしょう。
で。
世界的に名高い本書を電子書籍でお買い上げ。当然日本語で読むわけですが、原文はどうなってんだろうなあと好奇心の沸き起こる仕掛けがしてある作品であります。ネタバレとまでは言わないが、下記のリンク先に少しその情報があった。ちょっと真似してどこかで使ってみたくなる。
https://e-netamag.net/flowersforalgernon/
この仕掛けによる文章表現が見事なもので、久しぶりにじっくりと読書したけど、内容はとてもありふれた…語弊のある言い回しかもしれないけど、ありふれたお話だった。脳外科手術を魔法とか夢落ちに置き換えれば同じ作品が何個か見つかりそうだ。童話に書いてありそう。ドラえもんに書いてありそう。なぜありふれていると思ってしまうのか。やはりこう、何か物語の偉大なテンプレートが存在して、それに沿っていると感じることがあれば、ありふれていると思ってしまうのかもしれない。
ありれふたセックスの場面が出てきて、おれは思たんだけど、誰かと一対一という状況を日常的な空間から一瞬で用意するにはそういう関係が便利なんでなないかと思た。その気になれば、居間でも風呂でもやるし、だから、その行為を目的にすれば、どこにいても急に人目を避ける行動をとっても不白然じゃなく、普段なら絶対地べたに腰を下ろなさい人でも貂変したようにけつをふっても、まあセクースならしょうがないとおれは思ったからです。
本作の根本的な筋書きとなる「ネズミで上手くいきそうだぞ、じゃあ次は人間だ!」という話が、現実的なものかわからない。(だからこそこうして作品になっているんだわ、という観点もあるか)ねずみの寿命って短いだろう。それはきっと現実科学にもフィクションにも都合が良いと想像する。命の回転が速いのであれば、その分実験サイクルを早く、数多く回せそうだ。うっかり大型犬なんかでシリツに成功したばあい、どのぐらい賢くなるんだろう。かわいくしてればエサがもらえる程度の犬のフリをするぐらいには賢いか。
本作のメッセージは、”おつむ”が賢くなってもそれだけで幸せな人生を得ることができるものではない、という事だと思う。うおおお。見事にありふれている。論語に書いてありそう。そしてもう一個想像するに、「子どもは自分がされた仕打ちを忘れない」ということだとも思う。幼き自分が記憶の中から告げ口をする。賢くなった主人公が家族に会いに行くくだりは物語のクライマックスだと思う。賢くなって取り戻した記憶が、時に残酷なディテールを告白する。でも記憶してしまうのは、人間の本能だから、どうしようもないじゃないか。見事にありふれている。ドラクエに書いてありそう。ちょっと古い小説とか、とりわけ名作とかラベルが付いているものを読むと、ああどっかで見たなあって印象が先立ってしまう、偉大なるパクリ元。俺も何回同じ事いってるんだろうね。
しかしありふれた普遍的な情緒で得る感動を忌むことは無い。良い事だ。夜明けの空は美しい。めしはうまい。おばけこわい。また、本作を読むことで、ビッグブラザー、ハートマン軍曹、トルチョックという文学memeのような言葉のボキャブラリーがいっこ増えた。その分かしこくなったかな、ははは。
ところで。
世界にインターネットが爆誕して長い。本作のレビューや読書感想文もありふれるほど積み上げられているだろう。だったら、だったらよ、絶対に本書の構成を真似たものがあってもよい。キッズ絵日記みたいな文章から始まり、ややこい単語が続く部分があり、それが読みにくい文章に変化していって終わるようなもの。どこかにないかな。