• ふでのゆくまま

    市中引き回しの刑

    お散歩ルートは各自何パターンかお持ちだと思うのですが、特定のコンセプトや名所を巡るような広く知られたコースというのも、御座いますね。私が実践したのは、山手線一周。あと一直線道路。新たに、市中引き回しされてまいりました。キリキリ歩けいっ!

    山手線一周のエントリ

    一直線道路のエントリ

    結論から申しますと、江戸ではなく東京2023を歩くので、そんな風情があるわけもなく。もうちょっと由来のある場所やら、寄り道すべき場所やら調べれば、楽しみもあったかもしれません。ただ、距離も長いし時間的な都合もあるので、難しかったかも。淡々と歩いた。具体的なコースについては、デーリーポータルでやっていたものと同じです。ネットで拾えた地図も、その時に参照されたものらしい。改めて読んでみたら自転車やんけ!なんだよ!

    ルート図

    https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?mid=1EjEUgbgv0RntB16moX9wXghzWJU&hl=ja&ll=35.68084416360078%2C139.76622999999998&z=13

    ※なお、2023年5月時点では、江戸橋から日本橋のあたりが大規模な開発工事をしており、地図通りに進めませんでした。

    先人の企画

    https://dailyportalz.jp/kiji/130416160338

    行程と雑文

    真面目に蘊蓄読みたい方は上記のリンク先をどうぞ。以下、おっさんの散歩メモでしかない。いつものように写真とか無いです。

    1日で28kmは不可能ではないけども、ちょっと気軽にやってみるという距離ではないので、デイリーポータルを参考に2日に分割。初日は小伝馬町を出発して、四谷まで目指してみます。マップ上では赤のルート。全行程通して言えることですが、大通りを通ることが多いので、結構な頻度で信号待ちが発生。また、大使館巡りの時も感じましたが、都心部であるために坂が多い区間があります。

    初日。十思公園スタート。徒歩で浅草方面へ。大通りを浅草寺までただただ歩く。スカイツリー近くで見るとバカでかくておもろいが、これでも1kmほどの距離がある。いったん、雷門を通り過ぎて待乳山という所へ。太鼓がドコドコ鳴っているのに耳を傾けて、折り返して雷門へ戻る。大きい通りを上野へ。流石にこの辺は歩いたことがない。お店の屋号に古そうなのが多いあたりが、江戸の雰囲気を残している…ような気もするが、別に令和にそんな屋号で開くこともできるもんなあ、と思うとやはり白けてしまった。

    上野アメ横周りに屯する隣国の人たちからも距離をとりつつ、湯島天神方面へ上り坂。東京ドームへ下り坂。親子連れなどに揉まれながら飯田橋へ。神楽坂を上り、住宅地をうねうねとあるいて、DNP帝国のビル群を眺め、市ヶ谷へ出る。ここ市ヶ谷でゴールの予定ですが、勘違いしていたため四ツ谷まで歩いた。次を四ツ谷から始めれば問題ないので、電車にのって帰宅。疲れた。

    後日、青のルートに取り掛かります。四谷より、迎賓館の脇を通って赤坂見附へ向かいます。ここで警備の圧に負けて反対側へ渡った結果、道を間違えます。赤坂見附からしばらくは飲み屋街を真っすぐ。夜遊びを終えた人々で、まだ朝なのに思ったより賑わい。日枝神社のごっつい鳥居と階段を横目に進み、大きな通りを渡る。警官がぞろぞろいて、わざわざ来たのに進路変えるのめんどいからそのまま進むと、付いてくるやつはいるし声かけてくるやつはいるし、なんならにらんでくる。アメリカ大使館でした。坂の上から通った事はあるけど逆なので気づかなかった。

    虎ノ門ヒルズあたりから、国道1号線を進む。延々進む。全く面白くも無い…。この先2時間ぐらいは休憩できる場所にも乏しいので試される方はお気をつけて。第一京浜に突き当たったら、左折。また道なりに真っすぐ。山手線一周の時に歩いた道。当時は高輪ゲートウェイ駅が無かった。

    しかし、江戸の頃もこんなに道幅が広かったんだろうか?新橋を超えて、まだ真っすぐ道なり。銀座に出る。自分のここまでの人生では縁の薄いブランドショップが並んでいて興味深い。まだ開店前なので人通りも殆どなく、店員が大童でディスプレイの準備などしていた。鍛治屋橋通…の一本北の路地を右折。所々、裏路地的な場所を通るが、何か意味があるのか地図データの都合なのか。宝町付近では横断できないところを通過しているので、適当にアレンジして合流。ここから先は妙にカクカクと曲がる。当時の江戸では必然だったんだろうか。何かでっかいお屋敷でもあったかな?

    ここから先、ゴールまでは知っている道もあり、個人的には懐かしさもあった。だいぶ疲労がたまっていたので、どんよりとした足取りで公園に到着。電車乗って帰る。

    退屈だったような文章になったけど、いつものお散歩って感じでした。距離が長いので疲れた。歩いた時間帯は休日の朝早く、商店などが開く前のなので、人通りは控えめだった。もっと人通りがあったらさらに疲れていたことでしょう。

    以上です。

  • ふでのゆくまま

    生きたここちを耳にして

    深夜から早朝のお散歩は若いころからの趣味。…趣味というには頻度に偏りがあるけど、人生の半分以上は楽しみとしている。若いころはそれこそ夜の2時~3時に家を出て、朝の日の出ぐらいに帰ってくるようなことを、季節を問わず続けていたと思う。眠れない夜は道端で過ごした。オホー格好いい。ここ十年ぐらいは、ざっくりと日の出前に出発するのが目標となっている。夜明けの空と街中を眺めるのが楽しい。すると当然、日の出より前には外に居たいわけだ。夏至の頃には4時前に起きて出かけることになるけど、涼しい季節になってくると日の出の遅くなるにしたがって家を出る時間も…これがあまり変わらないか。最近はコロナであまりやらなくなったけど、始発電車にのってお散歩スポットへ出かけることも時折ある。だから真冬でも4:30~5:00ぐらいにお出かけが多かった、この冬もきっと。夜明けに感激を覚える健やかさが、まだ自分にも残っております。世界はそれを自己愛と呼ぶんだぜ。

    さすが東京。休日の日の出前という時間帯であっても、大通りには車の列が絶えることがない。夜明け前に走る車両はどことなく威勢が良い。闇にペカーと光るヘッドライトは何か勇ましく、また欲深く。例えばそう、荷物を積んだ大型のトラック。お陰様で日々便利にくらしております。東京都内ではお神輿みたいなペカペカしたの見ない気がする。一方で…普通の乗用車だって、こんな時間からお出かけには事情がある。レジャーに遠出しようってもんならどうだ。そりゃあ気合が違う。またどうだろうか、電車が走ってない時間に稼働しているタクシーは、実際に書き入れ時だろうさ。時折、歩いている自分の姿をみとめると、客だと思って、近くで速度を落とす。これに一切の無視を決め込む。心苦しいが、わてくしお財布も持ってませんことよ。これは大通りというよりも、なんとなく線路に沿っているような道で良く起こる。

    絶えることなく行き交う車も、年末年始にはだいぶ少なくなって。広い通りを渡る折に、横断歩道の途中で立ち止まって、四方に車が見えなかったりしたらテンション上がる。めんたまペカー。こういうシーズンには、”同業者”の姿が目に入る事もある。そんなときは、僕はワクテカなんかしてませんよ、スンと眼をふせ大人しくすれ違う。何か事情があって歩いている風を装う、というのはお互いに難しいものだ。朝の四時に都心部に徒歩で通勤してるやつなどいるわけない。たまに、doggo連れたhoomanの姿を見かけることもある。しかしこれは別の業界に属するというのがオリエンタルでは常識だ。尤も、日の出前ほど早い時間にはまず見かけない。夜に見かけることのほうが多い。人間の事情を考えればこれは当然なことで、仕事終えて帰宅、風呂の前に散歩して就寝という組み立ては効率的だろう。平日でも、仕事に出かける前に早起きして済ます人もいるとは思うが、これは大変だろうと思う。習慣になっちゃえばこなせるもんだろうか。最近は犬を繋ぐリードや首輪が夜にペカペカしている。安全のためだろうけど何より見た目が面白くて楽しい。繋がれているほうがちょっと落ち着きがない動きをすると、スター取ったちびマリオみたいだ。もし人間のほうに落ち着きがないと狂気のエレクトリカルパレード見参、遁走せねば命が。南無阿弥陀仏。

    この夏の終わりぐらいから…。平日の生活時間帯に散歩する機会が増えた。おおよそ20:00~22:00ぐらいか。昼の勤めの人は大体帰宅して、ほとんどの人がまだ起きている時間だ。窓から誰かの会話が漏れてきたり、風呂からシャワーの音が聞こえたりする。楽器を練習している人、騒がしいキッズ…。明かりの灯った窓を見上げながら歩めば、生きた心地が耳に届く。節度ある暮らしの美しさが、芯に染みる。

    大学生の頃。友人と二人で冬の夜道をとぼとぼ歩いていて、窓の下を通り過ぎた。なんでもない、オレンジの明かりが漏れただけの窓だけど、とても象徴的に見えた。一瞬で温かい、優しい…暮らし?が頭をよぎった。将来、こんな幸せそうな暮らしができるだろうか?今は何のプランも望みもなく、ぼんやりと過ごしている日々を経て、自分にこのような暮らしができるものだろうか。デビューすらしてないくせに世の中に辟易していたんだ。その時、その場で友人に話してみた。あの窓が幸せそうに見えて、逆に自分の将来が不安になったと。友人は俺も同じことを考えていた、と答え、二人で笑いあった。笑い声は長くは続かなかったと思う。

    あの夜、あの窓が開いていたら。何か聞こえていたら。ここ数日絶えることなく耳にした明るい声の会話、温かいシャワーの音があの窓から聞こえていたらならば。自分はきっと、聞こえないふりをしたに違いない。

    十月。

  • ふでのゆくまま

    東京大使館探訪を完了しました。

    ルール

    東京都内の在日大使館の入り口前まで電車と徒歩でいく。ただし、部外者が立ち入りできない施設、ビル内の一室などのケース、同じくビルに複数の大使館が入居しているケースもあるため、公道から所在が確認できた程度でもOKとした。確認すらできないものも、まあ…下記に示すサイトの住所にたどり着ければOKとしました。

    この企てに於いて、大使館、総領事館の所在は外務省の情報をオフィシャルとする(下記リンク)が、開始から終了まで数年を要したので、途中で移転したものなどもある。流石に一回訪問すればOKということに。2022年春の時点で、リストにありながら確実に訪問していないことを把握しているのは「在東京セントビンセント及びグレナディーン諸島名誉領事館」だけだ。このリストも何回かは更新されているので、無くなったものは把握できたが新規追加で足を運んでいない大使館があるかもしれない。でも、この企ては終わりにしたいのでもう行かない。ごめんねごめんね。

    https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/index.html

    政治的事由で大使館とは呼ばないだろう施設も訪問対象としてカウントした。具体的には「パレスチナ」と「台湾」の二か国。東京外の大使館が在日大使館を兼轄しているものは訪問対象にしなかった。例えばガイアナ(ギニア)大使館は中国にある大使館が在日大使館を兼轄している。流石に東京都限定でゆるしてちょ。

    終了しての感想

    スタートは2015年の正月か?全部行ってみようと意識しだしたのは2017年ぐらいから。途中まではingressがメインの目的だったのですが、ingress自体に興味を失ってしまったので、単純にお散歩に変更。勤務地の変更やCOVID-19もあり、特に終盤は年に2,3日ほどのペースなので遅々として進みませんでした。あと、天気悪かったらやらないもんね。休日の早朝から行動開始というパターンが9割で、残りは仕事の帰りに寄り道。麻布、六本木、虎ノ門などは大使館の数は多く、この企て以外で訪れることも無いエリアのため、見たことない景色を楽しめました。

    こうして諸国大使館の外観・ロケーションをかる~く楽しみました。どこの国でも基本的にはオフィスなんですが、たまに特徴的な建物などあって面白いです。アメリカ大使館はいかにも「軍備」の延長という感じでありますし、対してロシアはドラクエの宮殿のようです。あんな坂の上で堂々と。他にも、例えばスウェーデンやパキスタンあたりは、どことなくお国柄が出てそれっぽい造りをしているなあ、という印象でした。ドアに凝った紋章を掲げてある国もあったりして。

    麻布十番、六本木といった賃料の高そうなエリアは、やはり規模の大きな国が多めで、子どもの頃から名前も知っている国が多い。一方で、アフリカの新しめの国家などは都心から離れて、周りに大使館が少ないエリアにあることが多い印象。例えば、上野毛にある「中央アフリカ」や戸越銀座にある「ザンビア」など。これは経済事情が大きいかもしれません。トウキオのお家賃たかいのよぅ。考えてみれば、世界中のいろんな国に大使館置くのは相当なコストですもんね。

    企業のオフィス内部にあるようなものは、やはりその企業とかかわりが深いのでしょうか。三菱商事のビル内にある「モナコ」などそうなのかもしれません。尤も、東京を離れて、地方都市の領事館などは独自の建物ではなく〇〇ビル内であることが殆どのようです。

    「大使館」とはどんな役目を担うのか。国交を持つからには必要だと便宜的に置くだけでも足りるものだろうか。その敷地に適用される法がどうとか、ややこしい話も本来いろいろあるんだと思う。自分もそういうイメージだ。だから、普通の住宅地、一室に国旗が鯉のぼりのようにはためいている、というのは正直驚いた。それでいいの?って。

    ところで、パレスチナの代表部とイスラエル大使館はほど近いところにある。何かの意図があり、何かの役目を担うために近くに設置した、という事がありえるのでしょうか。わからない。よりによってイギリス大使館まで近所にあると、流石に失笑してしまうというか。ま、まあね?隣の駅には防衛省もあるから大丈夫だろきっと。

    自分もやってみよう!という方へ

    都心部は大使館の数も多いですが、坂も多い!どこへ行っても平坦な道は殆どないです。雪の日は避けたほうが良いでしょう。特にナイジェリア大使館沿いの「江戸見坂」はびっくり。坂道マニアの方なんかはこの企てと兼轄できるのかもしれません。

    効率の良いルートを考えるのもこういう企ての楽しみの一つだと思いますが、地下鉄では駅構内の移動距離も馬鹿にならない。上りホームと下りホームで入り口が違うとか、大江戸線が異常に深いのでホームまで到達が大変だとか。自分は対象の大使館の国名と簡単な経路を事前にメモして行動しました。東銀座から日比谷線→六本木ヒルズ→ナイジェリア大使館→徒歩で六本木ヒルズもどる…みたいな単純なもの。勿論、所在地は移動中にスマホで調べることもできますが、googleMapでも拡大/縮小すると大使館のランドマークが消えてしまったりする罠があります。私の場合、全行程のうち二か所ほど通りすぎて後日再訪ということがありました。無駄足を厭うのであれば、しっかりと訪問する大使館のリストを作って順に訪問すると良いかと思います。都心にあるくせにどの駅からも微妙に距離がある、みたいな大使館をどのルートに組み込むのか、腕の見せ所です。フランス大使館とか。

    訪問者は、用事もないのに門前でうろうろしたり写真撮ったりする事になるので、警備している方や、近傍の住民などからすれば、不審者と判断され得るという事に気を付けましょう。自分は特に早朝に行動が多かったもので目立ったかも。ロシア大使館は常駐する警官が気になって写真あきらめた。総じて、確認出来たら滞在時間1分もないぐらいのもんでした。ささーっと立ち去るが良いと思います。