-
「うずまき」を読んだ
初めての筈なんだけど、序盤のいくつかの場面を読んだ記憶がある。連載されていた当時読んだんだろう。1998年だって。
面白かった。世間に評判が高いのも頷ける。途中から災害パニックものみたいな展開になっていくあたりは、当時はやっていた一連の作品の影響かしらと思ってしまう。…こういう感想はおっさんの悪い癖でしょうか。
渦という現象、形状がテーマというのは面白い。日常でおなじみの形だ。作中にも台風やカタツムリが登場する。太陽系の模式図みたいな同心円では、円の軌道は重ならないが、渦なら中心点に繋がる。作中では中心点からボトッと下に落ちた。…そう考えると渦って図形の認識は二次元だけど、中心点では縦に拡散する挙動をするものなんだろうか。風呂の栓を抜いたときの渦というのは、縦に水が引っ張られた結果、吸い込み口が渦になる。台風も縦に吸い上げて渦になる。そこで消失するわけでは無く、捻じれの溝に沿う事が出来る者だけを通す、別の世界への入り口というのが渦の正体なのだ!小型渦は知らん!盆踊りの輪が渦になると、本当にお迎えしてしまうのだ。
本作は海外でも人気あるらしい。日本のホラー全般的にウケが良いとは聞いたことあるけど、なんだろう、湿っぽい感じが良いのかな。でっかいバケモンがドカドカと走ってくるよりも、飲食店の店員さんぐらいの佇まいで( ˘ω˘ )スウっと間合いに入ってくる感じ。うまく言えないけど、どこかが日本の風土とか因習に繋がっている。村の境のお地蔵様を超えると、だとか、雨の日にあの沢に行くと、だとか。具体的に描写されなくても、骨身とインクに染みたおどろどろしい感じ。我々がそれら怪異と一つながりの縄で結わえられている感覚を感じる。私が以前にその有難くもくそ迷惑なご縁を覚えた漫画が、
「ねじ式」なのは、これって…いやいや、おっさんの悪い癖。
ねじ言いたいだけでは?はい。