スマホの無い暮らし
現代に生きるにはスマホが必要なんだなと実感してそれ以来ずっと生活のお供に。かなりの時間インターネットに接続し、PCの前に座っている自分でも、スマホの便利さにそれを手放せない。ところが、ところが。ある日の昼休みに、なにげなーくsafariでニュースサイトを閲覧していました。なにげなーくリンクをぽちっとタップしたところ、画面が一瞬で白っぽく暗転。そして、泥に汚れた雪と言ったらよいか、不吉な色合いが徐々に画面の中央から端へ沁みていく。まるでホラー映画の演出のようだった。時を同じくして、徐々に本体が熱を帯び、すぐに素手で持つのは憚られるほどに発熱した。なんだこれ本物のホラーじゃねえか。
分りやすい異常事態に、大慌てでネットで解決策を探るも、「取り敢えず再起動」みたいな話しか出てこない。そういうレベルではなさそうだ。いちおうネットで拾った情報をもとに、ホームボタンと電源ボタンの長押しリセットを試みるも、あまりの熱さに数分も試みる気になれず。修理を受け付ける場所をググるも、運が悪いことに私用とかなんやで、三日後の仕事終わりまで持ち込むことが出来ない。
諦めた。
その日の帰宅後、すぐにネットで機種変更の手続き。いわゆる格安SIMに引っ越したほうが安いに決まってはいたのだが、そんないろいろ考えてられなかったのでキャリアで機種変更。高くついた。クソが。少々液晶画面に詳しい人に聞いたら、このヒビを放置していたからじゃないすかって。目で見ても分らないぐらいほそーい日々が横に走っている。半年ぐらい前に落として付けたヒビだ。これが、iphoneのタッチ面の画面を端から端まできっちり横断しているのが良くないらしい。これを大した事あるまいと放置していたのが悪かったんだろうか。
まあそうして、その日、火曜の午後から、土曜の朝までスマホの無い暮らし。これは即ちケータイ電話の無い暮らし。このような暮らしは18年ぶり。はてさて一体何が起こるのか。
まず、時計がない。今何時なのかわからない。初めてケータイを持ったその日から、一切腕時計は使わなくなった。間が悪いことに、その日は勤務先のお客様と飲みの席があった。各自勤務終了後現地集合という塩梅になるのが常だが、電話連絡もつかなくなっている自分は単独行動もしにくい。勤務先から参加者の誰かと店まで一緒に移動するため、そこいらで待つことに。この待ち時間も手持無沙汰。
朝の目覚まし時計が半減。普段はスマホと目覚まし時計の二つ用意しているんだけど、目覚まし時計ひとつだけの状態は実に不安であった。そこで非常用リュックから時計を取り出して追加の目覚まし時計にする。目覚まし時計の要らない暮らしを人生の成功の一つと定義しています。おなじく、お昼休み終了の無音バイブがなくなった。うたた寝でもすればうっかり寝過してしまう…。まあ隣の人に起こされるだけではあるのだが。
震災以降常に持つようになったものだけど、モバイル用のバッテリーを持ち歩く意味がない。その分、一時的に荷物が軽くなった。全く以てどうでも良い。
電話がない。そりゃそうだという話だけど、家にもないので一切の電話連絡ができない。宅急便の荷物の再配達をおうちのPCからインターネットで行った。これは慣れてしまったのもあるので電話のほうが手っ取り早い。
電話がないということは連絡手段に乏しいということなんだけども、現代はインターネット経由での連絡ができる。しかし、スマホを持ち歩いていないと、インターネットに繋がってない時間帯が生まれる。このスマホなしの期間でざっくりと振り返ると、やはり移動中は一切連絡がつかない状態になる。通勤、退勤の時間帯。それぞれ一時間とちょっと。勤務先のPCはインターネットが使えるとはいえ、私用のSkypeを立ち上げておくわけにもいかないので、定期的なメールのチェック。2時間に一回ぐらい?スマホを持ち歩いていても、何にでもすぐ返信ができるわけでもないので、実質そう大きく変わってはいない。やはり問題はすぐに電話で緊急連絡をする必要があるときで…滅多にないな。
スマホの無い暮らし、移動中に済ますことが出来るものが全くできなくなる、というのが一番の変化だったかなー。天気予報確認とか、Amazonの買い物とかスケジュールの整理とかニュースチェックとか。全部おうちのPCでできるけど、スマホで済むなら(amazonの買い物はまだしも)わざわざ家でやろうとは思わない。電車で移動している限りは、その時間帯にネットであれこれできることの利点はかなり大きいと実感できたので御座います。
で、スマホを二台持つみたいな話もちょっと考えてみました。しかしスマホはまだまだお高い。SIMを差し替えるだけで使える状態になるものを、家に置いておく、ぐらいの一番簡単で一番現実的な手段でどのぐらいコストがかかるだろうか。ちょっと調べてみますかね?
PCが壊れて困ったから、二台持とうと考える。実践済み。スマホが壊れて考え中。そら世の中には、自分を冷凍保存して二人目の人生を歩もうなどと考える人も出るってものですね。二人目になっても、みんなとわズッ友だょ!