ふでのゆくまま

雨と無知

タイトルに特に意味はありません。

毎年この季節はお洗濯が大変で、室内に干せる環境のないわてくしとしてましてはまあゲンナリすること頻り。まだ梅雨の入りですのでずいぶんと涼しいものですが、これからむんむんと蒸していき、ストレスMAX汝の隣人を殺めよとなったところで一面の青空、ああもうどうにでもなあれというわけです。もちろん、暑いのは寒いのよりもしんどいですし、冷房が効きすぎた場所も苦手になりました。だけんども、いやああついねハハハハ、と快活に笑ってみたくもなる、そんなお天気があと一月後にはやってくる!

最近では暑さよりもゲリラ豪雨のほうが、なに、風物詩?みたいになっている東京ではありますね。東京は洪水に弱いらしいですし、こちらはハハハハなどと笑ってはおられません。また、どんな天候であれ屋内型労働者の自分にはさほど問題ないのですが、農家や観光商売などはまさに天の気持ちに一喜一憂でありましょう。

十年ほど前でありましょうか。駅前にホームレスが常駐しておりました。この街に15年以上住んでおりますが、常駐したホームレスなど(選挙中など特定の期間を除いては)あのおっさんだけであります。ウッドストックにいるようなおっさんでありました。こ汚い白髪まじりのロンゲ、サングラス、ラスタカラーのバンダナ。そのおっさんが雨がふっては傘をどこからか持ってきて、売りさばいておりました。ぱつんぱつんと手を鳴らし、ずいぶんと慣れた感じで威勢良く、「ひゃっくえん」と叫ぶのでありました。「かさっ。ひゃっくえん!!ひゃくえーん!!」こいつはそのうち「ちゃわうぉっしゃー」とか叫ぶのではあるまいか、そんな風に思ったりもしました。まあ殆ど売れているのを見かけませんでした。当たり前です。すぐそばにコンビニがあり、500円ほどで新品が買えました。傘を欲するからには濡れずに歩いて帰りたいのです。質の怪しい傘など、たとえ使い捨てを前提にしてもそんなには売れません。工事により居所を追いやられ、おっさんはもう見かけなくなりました。

傘は百円で買える時代になってしまいました。雨は降り、我々は濡れる、何も変わってはおりません。梅雨が開け、空を見上げて苦笑する。その感情がこの先も変わらずに我々に訪れて欲しい。麦茶が美味い。トマトを冷やせ。

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