ふでのゆくまま

森のクリスタル

夜明けを外で迎えるマイブーム。

いつだか…どうにも落ち着かずに寝損なってしまい、そのまま明け方にに腐れた気分で出かけていき、大変に心洗われた思いをした。そんなことがあって以降、たまーに早朝のお散歩にでていたんだけど、この夏からちょくちょくと出るように。薄暗い夜明けの空合いと、うすらぼんやりと吹いて売る涼しい(つっても今年は30度近いわけだったんだけど)そよ風を、負けじとうすらぼんやり口を半分開けてほへーーーーーーーとベンチに座っている、空合いが徐々に夏の本気を取り戻す、ころには暑くて敵わんので退散する。

そうしてついに今年の七月~八月、子供らが夏休みに入る頃には、休日の夜明け前ぐらいの時間に早起きして毎週のように行動するようになったつうわけだ。何が楽しい。歳のせいか?などと自問してみたが、考えてみれば、寧ろこういったぷらぷら近所を歩きまわるなんてのは子供のころによくやっていたものだ。シブい趣味に没頭するようになったと言えばそうし、子供のころの愉しみを思いだした!!と言えばそれもまた然り。

あの頃と違うのは、この「お散歩」が自分の心に及ぼす作用を意識していること…あと、手元には棒切れや水鉄砲なんかではなく、一晩充電したスマートフォンがあり、そこいらの写真を撮ったり現在地を確認して戻りの時間を計算したりしていること。東京に住んでて何を言うのかと思われるだろうけど、ほら、通行人が多くなると興ざめではないですか(´・ω・`) 何度か外に出るうちに、何となく歩いたことのない方面を選んで道を決めたりするようになり、徒歩の時間が二時間を超えたりもするような日も出てきた。

その日もまた—-。

家を出たのは三時半ぐらいだった。23:30までは起きていたから流石に眠いが、この時間に目が覚めたのを幸いと飛び出した。普段より一時間も早いので遠くまでいこうと思いつく。普段はベンチに腰掛けぼんにゃーりと夜明けを待つ公園を過ぎて、さらに歩くと全く見知らぬ道となる。グーグルマップでちょいちょい現在地を確認ながら進み、これ見よがしにそこらに立てかけてある地図と見比べながら進む。暗くて見えないので、懐中電灯アプリを使う。あー、懐中電灯って楽しいよな。

ざーっくりとルートを計算し、折り返し地点と想定したその橋で小休止、再度地図を確認する。橋は地図上で確認したよりもやや狭く見えた。バスの路線のようなのだが。ここを通過して、道なりに進めば隣駅近辺に戻ってくる。そこからならば部屋までは地図も要らない慣れた道。その頃にはだいぶ明るくなっているだろう。腹はへったし、どこかで朝ご飯でも買って帰ろうか、ってコンビニ以外ありえないしなあ…。橋のそばでは割と大規模な工事をしているようだった。マンションでも建つのだろうか?工事現場に掲げられているスケジュール表みたいなアレはまだまだ暗くて読み取れない。少し離れた所の現場入り口あたりに、作業員と見られる人々が屯していた。しかしいくら何でもこんな暗い時間に作業はしないだろう。ちょっと不思議に思ってみていると、ベテランっぽい人が辺りを見渡し、こちらに立ち尽くしている自分に気づいて、首の動きを止めた。作業員たちもみんなそれに倣った。

どきりとした。

関係者だと思われているようだ。ご近所ではない人間がこんな時間にここにいるという気まずさもあって、関係ありませんよオーラを振りまきながらするりと背を向けた、…その先に道があった。正確にはぽっかりと暗闇があった。足元の道は確かにそっちへ続いているが、数メートル先から奥は全く見通しがきかない。作業員たちに背を向けたからには、なんというか無関係でいることに意地になって「そ知らぬ、そ知らぬぞ」と念じながら物理的な距離を保つべく歩みを進めたが、何しろ先が見えない道である。数歩進んでみて…後ろより声はかからず。しかしこんな所へ歩みいるのはどうなのだ、却って作業員のおっさまたちに「にーちゃん、どこへいくんだ?」などと声をかけられてしまうんじゃ、なんて不安も浮かんだ。あるいはあいつらは大規模窃盗グループかもしれない!!危険が危ない!!(思えば、暗いうちに散歩するということは、冗談ではなく「そういう」場面に出くわすこともありえると想定してお散歩するべきだ)

30メートルほども暗がりを歩いただろうか、看板が出ていた。その道は、実際には遊歩道的な位置付けの細道であった。後で地図でしらべるとこの細い川、即ち玉川上水を遡り、横田基地のあたりまで遡り、さらには羽村の取水口まで行くらしい。東京はこういう、ゲームに出てくる結界みたいな緑地が散在する、と外人さんが言ってたの思い出した。最たるものが皇居か。伝説の秘宝を守って国の長が祭司も努めている、なんて確かにゲームでしかありえない。

遊歩道

しかし眼前の景色は皇居などメではないゲームの世界。RPGの主役よろしく、てくてくと歩みを進めると流石に夜が明けてきて、空が開けた所にでたので写真を撮った。ああ鬱蒼。実際は画像よりも、もっと暗かったように思う。写真が明るい以上、そんなはずもないんだが。街灯もないのは先ほど心配したような犯罪の心配がなくもないというか、正直怖いものがあるが、すぐ道沿いには住宅が並んでおり、何かの際には大声で助けを呼ぶことはできるかもしれない。身軽な人間ならどうにかそちら側に逃れることもできよう。勝手にぶっ倒れたような場合が怖い。日中は地元民が通るようなみちだろうか?ちょっとわからない。画像左奥をよく見ると、川向こうの住宅?が写っている。川の反対側は鬱蒼とした小路ではなく、普通に舗装されたアスファルトのようだった。新聞配達のバイクが一台走り抜けて行ったのを確認している。

30分も歩かないうちに見知った道に出た。空は十分に明るく、もう一日が始まっている。こうなると帰り道が気怠い。しかし、いやあ、楽しかった。おっさんが一人で歩くとなれば、時間帯もあって正直住宅地は歩きたくない。ほらなんだっけ、スイカ畑で靴を履くなだっけ。こんな風に定期的に続けてみようとなると、ちょっと装備を整えてRPG気分になるのが男の子(`・ω・´)何か散歩のときに持ち物いれるバッグが欲しいなー…。まあこれからは上着を着るからポケットに入るようなものなら困らないんだけどね。

さあamazonさん!!

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