東海道中膝栗毛を読ん….買った。

最近の教科書にはどんなことが書いてあるのだろうか、なんて思ったりもする。漫画だって30年も続けば作風が変わったりもする。そら現実世界の科学の進歩もすさまじく、昔の常識が単なる誤りであったり、政治的な意図で円周率が3になったりする。インパクトがあったのでこればかり取り上げられているが、実際のところ良識と学のある人が見たならば惨憺たる内容だったりしないか。ナアニ、子供なんてyoutuberのいう事ですら簡単に聞き入れるんだ、ちょろいもんだよおまいさん…。

東海道中膝栗毛は、江戸の世のベストセラーとして名高い…と教科書に書いてあった。しかしその一説すら知らない。なんか二人旅の道中記という所までは知っている。何でもないニュースをぼんやりとみていると、実際何が書いてあるのか触れられていた。女を見ては一発やろうとする、障害者を見ては遊びの道具にする、などのなかなかにアレな内容であるらしい。そら教科書には出ない。源氏物語だって内容は、とかそういうこと言うほど詳しくない。

なれば読んでみましょうかと、上下巻買いました。岩波文庫から出ているものです。原文をちょっと読みやすい仮名遣いにして、註釈がついているというスタイル。古文の授業を思い出す。教養の高まりを感じます。現代語訳されたものも御座いますので、手っ取り早くという方はそちらを。なんとなくえげつない雰囲気があるだろうと期待して自分はこの当時の文体が生きているほうにしました。

実際のところ、流石にすらすら読むことは出来なくてなかなか難儀している。落語や時代劇みたいなもんを想像していると全く読めないと思う。まあ年内ぐらいに読み終われば上等なんじゃないすかね。夏休みの読書と洒落込むにはボリューム多すぎたわ。

「City of God」を観た

事実を基にしたこの映画から14年後、その街でオリンピックが開かれるのです。当時の人に言っても誰も信じなかったりしてね。(この作品中の舞台は1960-80年ぐらいですが…)ブラジルの貧民のガキなんて自分も実際にこんなイメージを抱いている。いつか東京もこうなるんだろう。

んで映画。これは良作だと思う。狂ったエナジーの奔流を作中ずっと浴びる様な感覚。適度なタイミングで人が銃でぽんぽん撃たれていく、なんというかここは映画を見る前から想定の範囲内ではあったのですが、映像が凝ってて良いねこれ。大人の良心派だったキャラクターが、当人たち以外にはわからない形で報いを受けるのも実に心打たれる場面…。展開もサクサクしていて良いです。パルプフィクションとか彷彿とさせるとか書こうとしてネットで調べたらみんな書いてた。確かにあの感じ。

なお、2003年という公開時期ながらまだ公式サイトが現存しており、当時としては十分だったであろう大きさのポップアップブロックに引っかかるウィンドウが開いたりし、文字サイズも小さく、公式BBSもリンクは生きているが男性向け風俗サイトに繋がるというwebの遺跡みたいになってる。

「七人の侍」を観た

これぞ世界に誇る日本の文化の一つ。つまりは国宝たる七星剣や黒漆平文大刀拵といった霊格備わる鳴りを発するくぁwせdrftgyふじk

…とまで言うほどか。「隠し砦の三悪人」が吃驚するほど傑作だったので、この作品を見るにあたっての自分の中の期待値が無駄に高まったか。うーん。面白いんだけど、最後の戦いのあたり、物足りないよな。なんか迫力に欠けない?敵役の野武士の皆さん、ただ馬に乗って走り回って、そのうちやられちゃうだけなんですもん。…いやそういう戦術を採るという筋書きだし農民と武士チャンバラしてもおかしいし、納得はいくんだけど。きっと自分の頭に現代の映画やゲームの映像のイメージが残っているんだろう。

そのごちゃごちゃした合戦に至るまでの内容も文句なく面白い。また撮影逸話の面白さも黒澤作品の魅力とかって耳にしたけど、この作品でも撮影に邪魔な「電柱をどかす」ということを実際にしているらしい。最後の泥まみれの合戦も雪を溶かそうと水を撒いたらあんなになってしまったのをそのまま利用しているらしい。みんなずっと濡れてますけど…。真冬なのかよ。

お子様扱いされている若いの、明らかに違和感を覚えるが、作中では14歳ぐらいの設定らしい。当時では子ども扱いは正当なものなんだろう。

田植えダンスのシーンも、「隠し砦の三悪人」の火祭りのシーン同様にとても印象深い。世界のどこでも祭りというのは実にユニークなものが残っていたりする。その地域ではとても重要なものとして後世に伝えられていったりする。「勝ったのはあの百姓たちだ」という有名な台詞。百姓はそのムラを守ることに成功し、侍は死んだの生きたのとしか出てこない。直後、最後のシーンは侍の墓で、これが実に象徴的ではないでしょうか。生き残った者が勝ちだと。

まあ良い作品であることには全く異存ありません。200分超える作品だとは思わなかったけど。三船敏郎の尻がセクシーであるという評価には全面同意します。

「天国と地獄」を観た

ネタバレです。ネタバレです。

黒澤明シリーズが続いておりますが。

この作品のamazonのレビューにも同じような指摘があったのだが、境遇の格差からの逆恨み?で誘拐を企てたのだが、今の(自分の)価値観で見てしまうとそんな恨むほどかね、なんて思ってしまう…。犯行動機がピンと来ないというか。作中では端的に住居という環境の差がその犯人の主張する恨むべくところの一つであるが、どうしても、え、それだけ?という思いがある。もっとこう、目に見える所ではなくて、なにかこう個人的な怨恨とか、過去にあれこれとか、人物に対する恨みとかないのかと。こういうところがさらう子供を間違えた、というところに繋がるのかもしれない。

なれば現代は、生活の格差などというものはもう人を恨む理由にはならんのだろうか。いやいやそんなことはない…。されば現代人は恨みを抱えどもその行使に及ばぬ、高貴な徳に満ちたか、いやいやまさか…。ではなんだろうね、この、「金持ちの子供をさらう」行為に対するどこか白けた感じ。この映画から模倣犯が出て刑法の改正に繋がったと言われるぐらいで、相当なインパクトが当時はあったようなのだ。

難癖めいてレビュー始まったけども、じっさい犯人捜索のストーリーは実に面白い。子供を取り戻してこの映画は終わりだろうなんて思っていたら、むしろ取り戻してからが面白かった。捜査に従事した刑事たちが会議室で進捗を報告し合う場面。例えばダンディー鷹山セクシー大下のテレビドラマで同じ場面をやっても画面も展開も似たようにものになるんだろう(というかこのシーンがテンプレになっているのかも)それでもただなんか、画面に映るすべてが昭和だというだけで新鮮。しかしこの、画面から伝わる暑苦しさ。撮影は冬だって書いてあったけどほんとかよ。

いや本作も面白かったですねえ。

撮影地どこだろうかと調べたら、すぐに非常に良く調べてあるサイトを発見したのでリンク。こういうコアな趣味世界に没頭しきれない自分には実に羨ましくもある。昭和38年というのはもう昔話。自分の父が作中の子供ぐらいの歳…。自分ももう40になりますしね…。

http://ogikubo-toho.com/seititenjigo.html

「Cast Away」を観た

ネタバレ。うぃるそーん。

たまたま航空機事故で即死を免れ、孤島に辿り着いた人のお話。それだけなら映画以上に強烈なものが現実に幾らでもあるので、内容としてはハリウッド謹製ヒューマンドラマになっておりますね…。島での荒天や大荒れの海なんか如何にもCGです、という映像に脳内レビューで言葉を濁していると2000年の作品。ま、そんなものかな、なんて。えらそーに。映画の最後も主役の表情アップで〆。個人的には視線の先はwilsonだったと思いますわよ。

この映画を見たことによって、何かの時に「うぃるそーん!」と呼びかけるというボキャブラリーが増えた。一般受けや王道とは習慣や風土ほどに実用的なのです。好きなものに拘りを持つなんてどうでも良いことなんだなと実感すること頻りな近年で御座います。ゆるくいきましょう。代わりに嫌いなものにはうるさいです。

映画を楽しんだかどうかはお察しですねこのレビューでは。