どくしょかんそうぶん

「ハミングバード・プロジェクト」を観た

ネタバレ。以前から是非見たいと思っていた。

実話を基にしたという作品。ドキュメンタリーっぽいのかと思ったら、普通のストーリー映画だった。実話を基にした、という事らしいのだが、その辺の情報がはっきりしない。FBIに逮捕されるとか、如何にも映画くっせえ足し算がされてそうで、実話…?ねえ…??訝しい。そこいらの印象もあり、全体として内容は期待したものではなかった。ちぇ。

映画の内容は特に書くことなし。主人公は頑張っているのに悪役とトラブルが邪魔するんだ!かんばってください>_< みたいな。

実話を基にしているという看板にすこし訝しさがあっても、事実に基づいているとは思う。ここが興味を惹かれたわけで。msec単位のパフォーマンスの追求は、大きなテクノロジー業界ではそんなに珍しいと思わない。1msec早いだけだが、それが積み重なった時の差が凄いことになる。単純に、1000回繰り返せば1秒の差になる。1秒ぐらい?って思うのであれば、これが100万回で考えてみるとどうだろう。

インターネットの仕組みについて学ぶと、単純に「コンピューターにケーブルが繋がっている」ということが基幹であると気付く。昨今は無線で繋がっているものも多くて便利になったが、これを逆に有線に戻してもインターネット全体としては問題なく成り立つ。ただ、ユーザーの利便性までもは成り立たない。少し前まで、電話というのは、端末まで歩いて行って使うもので、受話器だって1mぐらいのケーブルで繋がっているものでした。それでも、世界中と通話ができた。それと同じ。

コンピュータ同士が繋がっていると言っても、googleとあなたのPCは直接つながっていない。LANケーブルがハブに繋がって、ルーターに繋がって、壁の穴に入っていって、電線に繋がって、NTTとかの設備に繋がって、設備同士をつなぐ巨大設備に繋がって、さらにもっとでかい設備に、アメリカに繋がる海底ケーブルに…どんどん集約されていく。たどっていけばその先では分散されていき、どこかにgoogleがあることは確かだ。一方、ほとんど同じ仕組みで、あなたのPCとプリンターが50cmの距離で繋がっていたりもする。

作中では、このネットワークの応答速度を縮めようということに挑戦していた。設備を直線で結ぶことで、物理的なケーブルの距離を短くする。ケーブルを伝わっているのは電気信号なので、短距離化=短時間化となる。msec単位の話なので、人間はgoogleと隣のプリンターの距離の違いを感じることはあまりない(これはこれですごい話だが) ところが、通信を受け付けるシステムの話になると、こんなクレイジーな手法でmsec単位の挑戦にも、合理性が宿るわけだ。…うーん、これってインターネットに加えて株式取引市場も知らないと、物語の世界にすんなり入っていけなくない?

むかしむかし、アナログモデムとテレホーダイでインターネットしていた時代。「企業向けには高速な専用線なんてサービスがあるらしいな~俺の家から専用線引いたらすごいのかな~」なんて思っていた。本作はもっとエクストリームな案件だけど、本当に専用線を引いちゃうあたりすごい話だなあと。同じ事をした企業は他にもあったと思うんだけどなどうだろ。

やっぱり、工事現場ドキュメントみたいなもんが観たかったかな。ダムとか橋とかでそういうビデオあるよね。

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