どくしょかんそうぶん

“The Usual Suspects”を観た

噂に違わぬ傑作。

ネタバレ致命傷なのでお気を付け。しかし見終わってからならネタバレ情報が最高に楽しい作品でもある。

これは見事。最後まで見た後に脳内で巻き戻してみると、何かこう納得のいく場面が、場面が…出るか??みなさん出ますかね?自分はamazonプライムで見たので、一時停止でも巻き戻しでもなんぼでも出来るんだけど、こういうの劇場で見た人はどうなんだろう…。あ、それでDVD売れたりすんのか?

一つの疑問が。wikipediaなんかにもあらすじ書いてあるんだけど、五人が一堂に集められて、「面通し」させられる場面。これ自体が黒幕の仕業であった、と作中で推理されるんだけど、ここでの内容に疑問が。一同がおなじ檻に放り込まれて会話していると、その一人から「仕事がある」と持ち掛けられる。その仕事から、さらに次の仕事、さらに黒幕からの脅迫とつながるんだから、その仕事を持ちかけるのは黒幕の手のものでなくてはおかしいのではないかと思うんだが?仕事を持ちかけたのは確か…。ここも”回想”だったってこと?

この映画、ある人物が問い詰められて回想している内容にそった映像で殆どを作っているのに、その回想自体に嘘が含まれている、という凄い大技を仕掛けている。全部嘘じゃ話が成り立たない。成り立つのかもしれないけど、映画としてなしだろ。一本全部嘘の回想でしたって。夢オチかよ。そんな筈ないだろ!ってツッコミがあったとして「だって嘘の話が含まれる回想の映像化ですから」で終わってしまう。しかしそれでも、実はその嘘(≒XXXは誰かという真実)に観客が気付く可能性がごく僅かに仕込まれている。これはネットで情報を見て、その場面をもう一度見返した。うわわわわわ、ってなった。ところでこの感想文書こうとして調べたら、アガサ・クリスティーが似たような事してて、そりゃないだろ!って論争になったんだと。へー。そういえば東京大学物語という漫画があってですね、あ、いいですかそれについては。

こういうミステリーとか推理もの、見ながら覚えることが多くて好きじゃないんだけど、最後の謎が解けたシーンは流石にうひょーーー!ってテンションになった。特に直前の一連のシーン。尋問をした相手が解放される→尋問した刑事が同僚?の机を見て、「散らかっているな机片付けろよ」→同僚「離れて見るとわかるんだ」→尋問した刑事がなんとなにし壁の掲示物を離れたところから見る→何かに気付く。

いやー堪能したわ。堪能してググったりしているうちに、あることを思い出した。この映画みたいに、あっ!って思い出した。そのままの勢いに、年末だし集まろうぜなんて旧友に連絡をとって集うことになった。あっ!て思い出したというのは、この作品をお勧めされた時の事。最初にこの作品を耳にしたのは、その旧友のグループの人物で、もう19年前だ。まだ大学生。卒業後に交流はなかったのだけど、映画で上がったテンションのままに勢いだけで声をかけたら5人集まってくれた。もうみんな社会人だから、ちょっとリッチに感じのいい個室の小料理屋。言い出しておきながら自分の選んだ店ではなかった。さて、この映画が傑作であったという話をするタイミングを伺う。いくらなんでもそのために集いました、ではなんかこう…。しばし思い出話が続くなか、もののけ姫みんなで見に行ったね、なんて話になった。ああここだ。「この映画、実際に傑作だった!」と切り出してみた。まったく以てみんなにぽかーんとされてしまい、長々と説明する羽目になったんだ。するとどうしたもんか、実は一人を除いてみんなこの映画知っていた。そこで、また勢いのままに、作中のあの「面通し」の物まねをして、爆笑した。順番に「キーをよこせチンコ野郎」って。阿呆なノリって青春なんだよね。

 
 

そしてその一人から「仕事がある」と持ち掛けられた。

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