ふでのゆくまま

揺らぐ

最近、二度ほど揺れで暗がりに目を覚ますことがあった。都内にお住まいの方はみんなそうだったと思う。夜に天災に遭うというのは恐ろしいものだが、この度は自分は揺れが収まると、というより収まらぬうちに、灯りもつけず、そのまま寝入ってしまった。せめてまわりの状況を確認しないと、本気で死にかねない。何をやっているんだ。(などと書き溜めていたら三度目の揺れがやってきた。週末に揺れるスケジュールでも組まれているのか。)

暗がりで少し目が覚めたその瞬間思ったんだけど、揺れの強さって結構視覚で判断している。何がどのぐらい揺れているか。震度がどうこう、ではなくて、ヤバいかヤバくないかという判断。何かが落ちそうだとか、そういう見た目。

三度のうち最初の二回の揺れは、暗がりで、オフトゥンに寝ている状態だった。朝の五時まで起きていて、ニュースによればそのあと七時に揺れたようだから眠くて眠くて…は、そのとうりなんだけど、どうにも油断しすぎであろう。結局九時すぎに起きてすぐにニュースを見たら茨城で震度5弱だったそうだ。普通に家具などが倒れる揺れだった。都内はどのぐらい揺れたか知らないがやはり危なかった。部屋の隅に常備している非常用バッグに寂しい視線を送る。ぼそぼそと朝飯を食う。

今にして思うに休日だから、という理由で目が覚めなかったんじゃないか、と思っている。現代人はカレンダーに忠実であります。

ああ日差しが冬だ。2011年の震災の時も、津波からの避難が間に合わず、そこらの屋上に取り残されて雪降る屋外で夜を過ごした人もいるだろう。着の身着のままで…そこで命を落とした人も少なくはないんではないかと…想像する。雪降る夜に灯りもなく水に飛び込もうとは思わない。そういえば震災後まもなく、津波押し寄せる自宅から犬と一緒に避難する少年が撮った動画がアップされたのを思い出した。既に逃げ遅れ、という状況であったが、流れてきた船に飛び乗り、近所のビルに流れ着いたのでビルにあがり、そこで一夜を過ごしたと本人の後日談もあったっけ。あの震災は未だに初めて見る動画がアップされることがある。亡骸とともに見つかったようなカメラには、壮絶なものがおさめられているかと思う。こちとら暗がりで揺れてもお布団に朝までくるまっていられたのは、全く以て単なる運だよなあとしか思えない。

暗いといえば蛍光灯を替えた。明るすぎてウキウキする。一年ぐらいはまたこのままだろう。同じアパートの住人が引っ越して行った。ベッドが粗大ゴミとして残されておりマットだけでも欲しいが一人で部屋に運び込めそうにない。ほら他の人に見つかったらアレだし。…うずうず。…。

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